【現役医師に聞く】ヒートショックを防ぐ5つの具体的な対策とは?
前回の記事では、ヒートショックとは何か、どんな人がヒートショックになりやすいのか?
ということを内科医であり、ヘルスケアの連携に関わる活動をされている「あすかクリニック」院長 織田 聡先生にお話を伺いました。
今回は、どのようにしたらヒートショックのリスクを減らせるのか?についてお聞きします。
ヒートショックのリスクを減らす5つのコト
1.暖房器具を使い寒暖差をなるべく
寒い場所から急に暖かいところに行くという寒暖の差があると、神経に関わる大きなリスクとなるでしょう。
できるだけ寒暖の差を起こさないように、お風呂場をリフォームするとまではいかなくても、小さなストーブや暖房機器を使って脱衣場を暖めておくことはいいと思います。
ずっと暖房を付けておく必要はないので、お風呂に入る前にちょっと暖房しておく、そういったことが予防になります。
2.適度なストレスも大事
お風呂に限ったことでなく、寒暖差が緩やかになるようにすると身体へのストレスが減りますので、リスクを軽減することができます。
ただ一方で、まったくストレスがないような環境で過ごしすぎると、ストレスに対応する力が弱まって、血圧を維持するような自律神経の調整機能が働きにくくなることも考えられます。
そういう意味では、適度なストレス下に身体を置くことも大事です。
3.お風呂に入る前の飲酒はなるべく避ける
お酒を飲んでいると血管が開きやすくなるので、意識が落ちやすい状態になりますし、お酒に酔った状態でお風呂に入るのは危険です。
お風呂で寝てしまうと溺死の可能性もありますので、なるべく避けるべきです。
4.湯船に入る前に掛け湯をする
湯船に入る前に掛け湯をして身体や足先をある程度温めてから入る、という昔ながらの方法はヒートショックの予防になると思います。
5.お風呂の温度は40度くらいを目安に
お風呂の温度は何度がいいかと言い切るのは難しいですが、40度程度を目安に、41度は超えないほうがいいと思います。
あまり熱いお湯での入浴はヒートショックのリスクを高めてしまう可能性があります。
医科歯科ドットコム編集部コメント
やはりご高齢の方に起こりやすい症状とのことなので、ご家族の方も一緒に予防に取り組むために、ぜひ参考になさってください。
織田聡先生、ヒートショックについて解説していただきありがとうございました!
取材日:2020年1月8日
プロフィール
医師 薬剤師 医学博士 僧侶
医療法人社団聡叡会あすかクリニック院長
一般社団法人健康情報連携機構代表理事
LITERRAS MEDICA株式会社 CEO 代表取締役社長
株式会社アクセルレーター 取締役
日本型統合医療を提唱し、西洋医学と補完医療の有機的連携構築が専門。東洋医学的哲学を基盤に、ICTやAIなどを活用した先進的医療にも精通する。
現役医師として臨床業務の傍ら、少年野球からe-Sportsまで多くのスポーツ振興に関わり、ヘルスケアデバイスの開発や医療用アイソトープ国産化など種々の事業にも参画している。
また、僧籍(臨済宗妙心寺派)をもち、早くから禅の医療や介護への利用を模索している。寺院を活用した地域コミュニティ再生にも期待されている。
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