【現役医師が教える!】スキー&スノボで日焼けして後悔したことないですか?将来の健康のため日焼け止めクリームの正しい選び方&塗り方
紫外線対策が、お肌にとって重要なのは、皆さん、良くご存知だと思いますが、意外ときちんと紫外線対策が出来ている方は少ないです。
皆さんが紫外線対策として行っていることは、日焼け止めクリームを塗ることだと思いますが、この塗り方を正しく理解していない方が意外と多いです。
日焼け止めクリームの正しい塗り方
①露出部にしっかり塗りましょう
正しい塗り方は、毎日欠かさず、露出部(顔、耳、首、デコルテ、手の甲、腕、足など洋服で隠れていない部分。)全部にしっかりと塗ることと、2~3時間おきに塗り直すということが重要です。
紫外線対策を意識している方のほとんどは、朝、お出かけ前には、日焼け止めクリームを顔には塗っているでしょう。
しかし、耳、首、デコルテ、手の甲、腕、足は、塗っていないという方が多いです。
最初は慣れるまでは面倒だったり、忘れたりするかもしれませんが、顔に塗る延長上で他の部分にも塗る習慣をつけましょう。
②塗り直すことを意識して行いましょう
次に、朝は塗っているけど、塗り直しを行っていないという課題です。
理想は上述したように、2~3時間おきに塗り直すことが良いのですが、現実問題的に実践できる方はなかなかいないのが現状です。
また、女性の場合には、顔以外なら意識して塗り直すことはできるかもしれませんが、顔は、ファンデーションを塗っているので、塗り直すことは無理、という方がほとんどです。
しかし、ここに誤解があり、塗り直すと言っても、毎回、お化粧を落としてから日焼け止めクリームを塗り直さなくてもいいのです。
今は、ファンデーションにUVケア機能がついている商品が多くありますので、それをお化粧の上から重ね塗りすることで問題ありません。
もちろん、それでも2~3時間おきは難しいのが現実でしょう。
そのため、可能な限りでいいので、1日に数回は塗り直すことを意識して行いましょう。
また、UVケア機能付きファンデーションだけで、朝からの紫外線対策を行っている方がいらっしゃいますが、しっかりと紫外線対策を行うためには、朝は、ベースに専用の日焼け止めクリームを塗った方が良いです。
その上からであれば、UVケア機能付きファンデーションを塗っても良いですし、普通のファンデーションでも良いです。UVケア機能付きファンデーションは、あくまでも塗り直す用に使用するのが良いです。
日焼け止めクリームの選び方
塗り方の次は、どのような日焼け止めクリームを使ったらいいのかということになりますが、よくSPF50や50+でPA++++と一番、効果が強いものを使っているとおっしゃる方が結構いらっしゃいます。
それはそれで良いことですが、数値が大きくなればなるほど、化粧品自体のお肌への負担は少なからず高くなっていきます。
もちろん、肌トラブルにならなければ、数値の高い日焼け止めクリームを使われていいのですが、塗り方のところでも説明したように、塗り直すことが重要ですので、必ずしも、数値が高くないといけないということはありません。
むしろ、こまめに塗り直すことを前提とすれば、SPF20~30以上、PA++以上(夏場、冬場、日差しの強さ、室内、屋外でも異なります。)あれば問題ありませんし、数値が高いよりもお肌への負担は軽くなります。
もちろん、UVケアの化粧品原料以外に配合されている化粧品原料によっては、お肌への負担がある商品もありますので、使用する場合は、出来るだけシンプルな配合原料で作られている商品がお勧めです。
化粧品は、裏面に全成分表示がされていますので、気になる方は、一度、調べてみると良いと思います。
なぜ紫外線対策が必要か?
最後に、上述した塗り方を指導しても、分かっているけどなかなかできないという方も多いです。
そのような方のできない理由の多くは、紫外線を浴びたからといって、今すぐに健康被害のリスクがあるわけではないので、ついついおろそかになってしまうということだと思います。
きちんと意識して、正しい塗り方で日焼け止めクリームを塗る習慣をつけるためには、それを行う動機付けが必要です。
この動機付けがなかなかできないので、塗り方の基本は分かっているけど、つい適当になってしまう方が多いのだと思います。
では、なぜ紫外線対策をしないといけないのでしょうか?
ほとんどの方は、しみだらけの顔になりたくない、日焼けしてしわくちゃな顔になりたくないなど、美容的な意味合いが強いと思います。
しかし、そこに、皮膚癌のリスクを抑えるために毎日欠かさず行った方が良いと付け加えたらどうでしょう?
もちろん、紫外線を浴びたから、すぐに皮膚癌になってしまうということではありませんし、他の内臓系の癌に比べ、日本人の皮膚癌の患者数は少なく、死亡率も上位には入りません。
そのため、軽々に癌のリスクを伝えて、不安を煽るようなことではありませんが、紫外線対策をしっかりすることで、皮膚癌のリスクを下げられる可能性は十分にありますので、美容目的以外でも、ご自身の将来の健康のためにも、正しい塗り方を今一度、再確認して頂き、実践されることをお勧めします。
執筆日:2019年7月10日
プロフィール
慶應義塾大学病院 麻酔科勤務を経て、その後、慶應義塾大学病院 形成外科勤務。
在院中に慶應義塾大学大学院にて医学博士取得。
その後、米ハーバード大学医学部ブリガム&ウィーメンズ病院 形成外科に留学。
現在、医療法人社団 松慶会 理事長兼総院長として、
赤坂メディカルMクリニック(美容皮膚科、皮膚科、形成外科)、
赤坂一ツ木通りクリニック(内科、循環器内科)にて、診療に従事。
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