【救急医が教える】お餅がのどに詰まったときの判断は?自分で取り除けたとしても念のため受診を
お餅がのどに詰まり、なんとか自分で取り除くことができたとしても、安心してはいけません。特に高齢者の場合は誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクがあるため、後日病院で診てもらう方が良いようです。救命救急の現場で活躍されていた小川智也(おがわともなり)医師に、お餅がのどに詰まったときの判断についてお話しを伺いました。
高齢者の場合は誤嚥性肺炎の心配があるので、必ず病院を受診しましょう
――お餅が詰まっても自分で対処できれば病院に行かなくても大丈夫ですか?
高齢者の場合は、飲み込みがゴクンとうまく飲み込めれば良いですが、飲み込みができなくてお餅が詰まる場合もありますね。お餅が詰まった場合、あわせてスープなどの汁が入ってしまうこともあります。
これを誤嚥(ごえん)というのですが、間違ったものを気管に飲み込んでいることがあるので、後々になって誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こすリスクもあるのです。そのため、1回のどに詰まり回復したとしても、後日病院に訪れてレントゲンを撮ってもらう方が安心です。
もう1つは、高齢者の場合は本当にお餅が詰まっただけかを判断する必要もあります。たまたま脳梗塞が起き、一過性の意識消失を伴ったタイミングで、お餅をのどに詰まらせたケースもあります。
思いもよらなかった隠れた病気が見つかることもあるため、特に高齢者の場合は必ず受診して、原因を詳しく調べてもらいましょう。
呼吸できず子どもがぐったりしている場合は、すぐに救急車を呼びましょう
――子どもでお餅がなかなか取れない場合はどうしたら良いですか?
泣き叫んでいたり声が出ていて、息が出来ているようだったら大丈夫なのですが、お子様がぐったりしていたり苦しそうにしているときは、救命処置が必要な場合があります。この場合は、直ちに救急車を呼んでいただきたいです。
落ち着いて対応ができないこともあるので、迷わずすぐに救急隊を呼んで冷静に対応するようにしましょう。子どもの場合はちょっとずつゆっくり食べる分には良いのですが、食いしん坊で一気にがっついて食べるのは良くないですね。
編集部コメント:のどに詰まらないよう小さくしてゆっくり食べる工夫を!
お餅がのどに詰まったときの判断について、小川智也医師に教えていただきました。もし自分でお餅を取り除くことができたとしても、高齢者の場合は誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の可能性がありますので、念のため後日医師に診てもらいましょう。高齢者や子どもがお餅を食べる際は、小さくしてゆっくり食べるように工夫することも大切です。
取材日:2019年12月13日
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プロフィール
救急科専門医 MBA
2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。
国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。
2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。
2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画
自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。
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