日本人の多くがかかる歯周病。治療方法や上手な付き合い方についてご紹介!
歯周病は、日本人の多くがかかる病気です。
歯磨きなどのセルフケアを徹底していたり、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けていたりしなければ、ほとんどの方が歯周病にかかってしまいます。
そこで知っておきたいのが、「歯周病にかかってしまったらどうすべきか」ということです。
この記事では、気になる歯周病の治療方法や、上手な付き合い方についてご紹介します。
歯周病の主な治療方法
歯周病の治療方法はさまざまであり、病気の程度や個人の希望を踏まえて、一人ひとりに合うものを選びます。
主な治療方法としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。なお、いくつかの方法を組み合わせて行うこともあります。
●スケーリング
歯に付着した歯垢や、それが石灰化してできた歯石を、スケーラーと呼ばれる器具で除去する治療法です。
多くの場合はハンドスケーラーというタイプのものを使い、歯科医師や歯科衛生士の手によって汚れを取り除いていきます。
医院によっては、超音波スケーラーやエアースケーラーといった電動タイプのものを使うこともあります。
これにより、歯周病菌が含まれている歯垢、歯垢が表面に付着しやすい歯石をきれいに取り除きます。
●ルートプレーニング
スケーリング終了後に歯根表面の汚染されたセメント質や象牙質を除去し歯根面を硬く滑沢に仕上げる事で歯周炎の原因を取り除き、歯肉の再付着を促すために行われる処置です。
歯の根元の部分、歯周ポケットの中までスケーラーと呼ばれる器具を入れて、徹底的に汚れを除去します(ここでも超音波スケーラーやエアースケーラーが使われることもあります)。
なお、スケーリングやルートプレーニングは物理的に歯石などを取り除くため、場合によっては痛みを伴うことがあります。
心配な方は、カウンセリングの段階で相談しておくと良いでしょう。
●フラップ手術
歯周病がかなり進行している場合には、フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)という治療が行われます。
歯周ポケットが深くにまで及んでいると、スケーリングやルートプレーニングでは菌を除去できません。
そこでメスを入れて歯茎を切開し、中の汚れを取り除いたり、周辺の組織を切除したりします。切開した部分を縫合したら、治療は終了です。
●エムドゲイン
フラップ手術と同じ流れで治療を行い、最後の縫合時にエムドゲインと呼ばれるブタの歯の組織(たんぱく質)を注入します。
これにより、歯周病菌によって溶かされた骨がスピーディーに再生するのです。
「ブタの歯の組織を入れるなんて怖い……」と思われる方も少なくないかと思いますが、エムドゲインは国からも認可が下りている安全性の高い治療法です。
歯周病治療においては比較的ポピュラーな方法になっています。
●薬物治療
抗生物質を服薬することで、体の中から歯周病菌に対してアプローチする方法です。
しかし、薬物療法はあくまで他の治療のサポート的な役割しか果たせません。
現状では、薬物療法だけで完治を目指すのは難しいでしょう。
歯周病は治らない病気?
実は、上記のような治療を行っても、歯周病が完治することはありません。
厳密に言えば、「歯周病菌がお口の中からきれいさっぱりなくなることはない」ということです。
日本人のほとんどの方のお口の中には歯周病菌が存在しています。
それ自体は、実は問題があることではありません。
歯周病菌が増えて歯周病として発症してしまうことが問題なのです。
私たちが取り組むべきは、うまく菌をコントロールしてあげることです。
では、次にその菌のコントロールの方法について見ていきましょう。
歯周病を発症しないためにできること
歯周病治療を終えたら、日頃から歯周病を再発しないように取り組むことが大切です。
具体的には、以下のことを習慣化しましょう。
●セルフケアの強化
セルフケアとは、毎食後の歯磨きやフロスを使った歯間の汚れ落とし、マウスウォッシュでの口内洗浄などを指します。
これをしっかりと行うことが、歯周病予防の一番の基本になります。
通院した際にセルフケアの方法について指導を受け、正しい形で継続していきましょう。
●生活習慣の改善
歯周病は生活習慣病の一種です。生活リズムや食事の内容が乱れたり、タバコを吸っていたりすると、歯周病を発症するリスクが格段に上がります。
セルフケアと同様に、生活習慣の改善方法を指導してくれる歯科医院は多くあります。
プロのアドバイスを受けながら、二人三脚で取り組むと効果的です。
●予防歯科を受診する
歯周病予防は基本的に自分自身で行うものですが、定期的に歯科医院でお口の中をチェックしてもらったり、クリーニングを受けたりすることも必要です。
中でもPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)と呼ばれる歯のクリーニングには、汚れを隅々まで落として歯を清潔に保つだけでなく、歯本来の白さを取り戻す効果もあります。
口元を美しくしたい女性にもオススメです。
まとめ
歯周病の性質や治療についてご紹介してきましたが、新たな発見があったのではないでしょうか?
歯周病は歯を失う原因になる恐ろしい病気です。
しかし、正しい知識を身につけて、上手にコントロールできれば怖くありません。
まずは歯科医院に足を運び、今のお口の状況を確認することからはじめてみてください。
医科歯科ドットコム編集部コメント
歯周病菌は口の中から消えることはないので、うまく付き合っていくことが大切なんですね。
記事にもありましたが、予防歯科を受診して、早め早めの対応をするのが肝心ですね!
予防歯科に対応している歯医者さんの検索は、医科歯科.comから!
<参考>
メインテナンス
監修日:2019年11月13日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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