なぜ、デキる女は歯医者に行くのか?肥満と歯の手入れは自己管理の象徴!現代人に歯の手入れが必要な理由
「なぜ、デキる女は歯医者に行くのか?」は、女性にとって関心の高いおしゃれと、お口の意外な関係について紹介します。
人は、外出するときや誰かと会うときなどにおしゃれをします。
おしゃれは気分転換に役立ち、精神状態を高揚させてくれ、生活の中に彩りと輝きをもたらすアクセントになります。
ですから、おしゃれをすることは非常に大切だと考えています。
ただ、「おしゃれと歯科はどういう関係があるの?」と思われる方も多いと思います。では、詳しく解説していきましょう。
そもそも「おしゃれ」とは何か?
「おしゃれとは何か?」を一言で説明すると、私は「自己主張」だと思います。
日本には「組織の中で突出せずに和を尊ぶ」といった根強い文化があります。
それが、ファッションにも影響している部分もあるのではないでしょうか?
例えば、「ちょい悪オヤジ」などといわれるイタリア人の男性は、さまざまなファッションを楽しみます。
派手な赤いセーターを着たり、シャツのボタンを開けたり、その胸元からネックレスを露出したりしても、彼らはうまく着こなせていませんか?
日本人が同じことをしたら、遊び人に見えたり、下品に見えたりしてしまいがちです。顔の形や体型が違うということもありますが、同じような恰好をしても、イタリア人と日本人の男性ではちょっと違うように見えます。
それは、自己主張の仕方の違いだと思います。私は、日本人的なおしゃれとは、外見よりも内面的なものを重視することだと思っています。ですから、イタリア人の真似をする必要はないのです。
日本人的おしゃれというのは、日本人的な自己主張でいいのです。
私が思うおしゃれのポイントは、
・健康的な体型
・人相や顔相
・きれいな口元
の3つです。
内面が外見に表れるのが、体型や身だしなみであり、顔です。
「人格を磨く」「自分(の内面)を磨く」と言っても良さそうですが、内面を意識することで、体型が変わり、顔や表情まで変わってきます。
人相が変わるのです。
また、良い顔をしてニコッと笑ったときに、口の中にたくさん金属が入ってギラギラしていると、非常にもったいないです。
私はファッションを、外見の身だしなみを基本としつつも、内面が表れる顔や会話をする口元までを含めるべきだと思います。
しかし、服装やメイクなどを主体とするファッション雑誌は多く出回っていますが、口元の話まで記載されていることはありません。
おしゃれには口元も大事なんですよ、ということが教えられていないのです。
きれいな歯や口元の美しさは、おしゃれと密接に関係している
なぜ、私がおしゃれのポイントに「きれいな歯と口元」を挙げるのか?
その理由をもう少し詳しく説明しましょう。
以前、欧米の歯科医師とお話ししたときに、こんなことを言われました。
「私には少し理解しがたい、日本人の習性がある。どうして日本は裕福な国民であるのに、歯並びの悪い人が多く、歯の治療を十分にしない人が多いのか、不思議でならない」と。
彼が言うには、「経営の神様」といわれた日本の企業経営者が、欧米で発行されている有名なビジネス雑誌の表紙に掲載されたことがあったそうです。
ニコッと笑った写真には、口の中に銀歯が見えたのだとか。欧米の歯科医はその表紙を見て、「日本の歯科医療レベルはどうなっているんだ!?世界トップクラスの経営者の口元がこのレベルなのか」と驚いたそうです。
私が出会ってきた欧米人たち、特にビジネスの世界で成功している人たちは、歯に対する意識が高く、歯並びもきれいで、素敵なスマイルの持ち主ばかりでした。
欧米では子供を、虫歯や歯の病気でなくても、定期検診や歯の衛生管理のために歯科へ通わせています。
そのため、虫歯になる人は、日本人に比べて非常に少ないのが現状です。
ですから彼らの感覚からすると、雑誌の表紙を飾るようなビジネスの成功者にとって、歯や口元を美しく整えることは、身だしなみを整える以上に当然のことだという認識なのです。
肥満と歯の手入れは、自己管理の対象
「太っていると出世できない」といわれる欧米では、歯の状態も自己管理の対象です。
歯並びが悪く、汚れていることで、仕事の能力が疑われてしまうのです。
欧米では日本よりも、自己管理についてきびしい目が向けられます。
「デキるビジネスマンはなぜ歯がきれいなのか?」(吉野敏明/ディスカバー携書)によると、以下の点が欧米では社会的ステータスの基準になっているようです。
・歯周病をきちんと予防している
・信頼できる、かかりつけの歯科医がいる
・虫歯や歯周病、顎関節症に大きく影響する歯並びを幼少期に矯正で治している
欧米では、親が子育ての一環として子供の歯や口元をきれいに整えるのが基本であって、大人になってから歯を治そうということは話題にも上りません。
成人してから虫歯や歯周病の治療をする人は、日本人に較べて非常に少ないのです。
しかし日本では、歯科に行く時間が作れないという理由で、歯科治療や定期検診を後回しにしている人が多く見受けられます。
虫歯を何本も作って、歯根しか残っていない歯が何本もある人もいます。虫歯ばかりの口の中は、歯が溶けて体調不良になったり、口臭も発生したりしています。
そんな口の中の状態を見ると、「この人は自己管理ができているのか?」と疑問を覚えます。
もし、あなたにそんな部下がいたら、仕事の能力を疑ってしまいませんか?
歯の見た目が悪くても食事ができればOKの日本
きれいな歯と口元がおしゃれにおいて重要な理由がもうひとつあります。
先に挙げた欧米と異なり、日本では歯科治療の目的のひとつに「食べられるようにすること」があります。
ただ、「食べる」という人体の機能を重視した場合、ある程度どんな材料の詰め物や被せ物でも機能回復は果たせてしまいます。
以前は日本でも、見た目を気にせず前歯に金属の被せ物を使用していた時代もありました。
むしろ、お金持ちの中には「金の前歯にしてほしい」といった要望も多くあったくらいです。
一方で、最近の歯科治療では、歯をきれいに見せる「審美性」を重視しています。
例えば、前歯の隣にある小臼歯の場合は、保険治療でも歯と同じように白く見せる被せ物「ハイブリッドセラミックレジン(CAD/CAM装置使用)」の適用が認められています。
また、自費治療であれば「セラミック」と呼ばれる強度がある材料の使用が一般的です。
本物の歯に近い白色と独特の透明感を再現した材料であるため、近くでも見分けがつかないくらいの完成度です。
ある女性が、数年前に治療した金属の被せ物を「セラミック」へ変えたことがありました。
被せ物自体に不自由はなかったのですが、歯を長持ちさせるために古くて銀色で目立つ金属のクラウンを交換したわけです。
すると、本人は見た目の変わりように驚いたそうです。
金属で作られていた歯が、真っ白な歯に変化したのです。
その後、女性は気さくに笑ったり、話しかけたりすることが増えたといいます。
以前は、本人も気付かないうちに人前で口を開けること、金属の歯が見えてしまうことを避けていたようなのです。
笑顔がきれいな人は、相手にも自信や明るさが伝わり、より魅力的であると感じさせます。
ブランド品で身を固め、エステに通って外見を飾るより、笑顔の良さを磨くほうが、よほど素敵に自分を演出できるはずです。
笑顔は自分を魅力的に見せる最高の武器となります。
そして、笑顔の価値を高めることに、「きれいな歯と口元」は少なからず影響を与えているのです。
人間は見た目じゃないというけれど…
おしゃれにおいて、きれいな歯と口元は欠かせないという私の考えがご理解いただけたでしょうか?
最後に、歯を健康に保つことの「副産物」についても簡単にご紹介しておきます。
健康な歯でよく噛んで食べることは、脳を活性化させるだけではなく健康面で役立ち、精神的な豊かさを得られるという優れた効果もあります。この事実は、咀嚼筋と隣接している表情筋という筋肉が関係してきます。
表情筋は、文字どおり人間の表情の変化をコントロールして、精神状態を表現します。
表情筋と咀嚼筋はつながっているため、噛むことによって咀嚼筋がよく動いて活性化されると、それが表情筋の活性化につながり、表情が豊かになるのです。
精神的に安定していると表情が良くなるのは当然のことですが、実はその逆もまた成り立つといわれています。
つまり、表情を豊かに保つことで精神的にも豊かになれるということです。
普段から表情筋を動かしている人は気分も明るく精神的にも安定しますが、無表情な人は表情筋の働きが徐々に衰えてしまいます。表情を豊かにするためには、仕事や趣味、旬のおいしい食事、家族や仲間との団欒を楽しむことが重要です。
自然体で、喜怒哀楽を感じながら生きる。こういうシンプルなことが、精神的な豊かさにもつながります。
口元を健康に保ち、おしゃれに人生を整えてみてはいかがでしょうか。
<参考>
「なぜ日本人は歯を大切にしないのか」(領木誠一・釣部人裕/ダイナミックセラーズ出版)
「デキるビジネスマンはなぜ歯がきれいなのか?」(吉野敏明/ディスカバー携書)
「日本歯科衛生士会」
<医療ジャーナリスト 釣部人裕 著作>
「歯医者に行く前に読む 決定版 歯の本 いい歯医者の見分け方」(ダイナミックセラーズ出版)
「歯科難民」という言葉を初めて使った、歯医者に行くまえに読むべき本。コンビニエンスストアよりも歯科医院が多い時代、歯を治したくてもどこに行けばいいのかわからない患者のために、歯の健康を歯科医任せにしない方法としてまとめた一冊です。知らないと怖い歯科医の裏事情、上手な歯医者の選び方や治療の受け方、避けたい歯医者などを独自の視点で解説しています。
「口の中に毒がある その安全な除去方法と健康回復」(ダイナミックセラーズ出版)
これまで、原因のわからなかったさまざまな病気の原因のひとつとして、水銀が入っている歯科金属(アマルガム)にある可能性が高いことを紹介した本です。アマルガムは現在あまり使用されなくなっていますが、30歳以下でも20%の人の口の中に入っているといわれています。そのほか、気を付けたい毒性の歯科金属についても解説しています。
医科歯科ドットコム編集部コメント
虫歯や歯周病がなくても定期的に診てもらうことが大切なんですね。歯医者のお探しの方は、医科歯科.comから!
監修日:2019年12月10日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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