虫歯は重症化すると死に至る病に移行する可能性も!歯科医師が警告!
「虫歯は痛みこそ耐えるのがつらいものの、重症化しても治療すれば大丈夫だろう」と虫歯を安易に考えている人はいませんか?
忙しくて時間がない、お金がないなどといって、虫歯が重症化するまで放っておくと、実は死につながる危険性があるのです。
虫歯はひどいけど痛みはあまり感じないし、このままでいいと思っていたら大間違いです。
それは神経が細菌に犯されて、神経が痛みを感じなくなっているだけかもしれません。
今回は、重症化した虫歯の恐ろしさについて学びましょう。
骨髄炎
虫歯が進行し、歯の内部の神経が死んでしまうと、やがて細菌は顎の骨を蝕み始めます。
そしてじきに炎症を起こし、歯茎や歯肉から出血や化膿した膿が出るようになります。
さらに虫歯が進行すると顎の骨髄に細菌が感染して「骨髄炎」を引き起こします。
骨髄炎の症状としては、高熱や嘔吐、全身倦怠などの症状が続き、治療が遅れれば、骨が壊死してしまう場合があります。
その場合は、それらを取り除く外科手術を行う場合があり、骨の変形など後遺症が残ることもあります。
この状態になっても放置していると、最悪の場合死に至るケースもあります。
心筋梗塞・脳卒中
歯の内側の死んだ神経をそのままにしていると、細菌は血液中に入り込み全身へ巡っていってしまいます。
細菌が心臓に入ってしまうと、血管を硬くさせる動脈硬化を進行させます。
やがて血流が悪くなる狭心症を引き起こし、そこからさらに症状が進行すると心筋組織が壊死し心筋梗塞を引き起こします。
心臓の激しい痛みや心臓の停止が起こり、最悪の場合突然死の原因となります。
以上と同様に、細菌が血液を巡り脳にまで達した場合、脳卒中で突然死というケースも考えられます。
敗血症
骨髄炎が進行すると細菌が血液を巡って全身に運ばれて行きます。
通常、免疫機能が正常であれば細菌に負けることはありません。
しかし虫歯が原因の場合は話が違ってきます。治療を行わないで放置していると、常に虫歯菌が血流に乗って全身を巡り続けることになります。
この状態が長期間継続すると、血液が腐敗する敗血症を発症し、多臓器不全を引き起こし死亡する危険があります。
まとめ
虫歯が引き起こす重大な病気について理解していただけたでしょうか。
上に挙げた症例の他にも、疾患を抱えていると、血液を巡ってきた細菌の影響で疾患が重症化したり、合併症を引き起こす原因にもなりえます。
虫歯だからと甘く見ず、重症化する前に早期治療を心がけましょう!
監修日:2020年2月5日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
人気記事
-
1
-
2
-
3
-
4
-
5