【現役歯科医師に聞く】歯ブラシだけでは65%しか汚れが落とせない!歯がないと認知症のリスクが高まる?
現役の歯科医師である佐藤 美嘉(さとう みか)歯科医師にインタビューし、毎日の口腔ケアについて教えていただきました。
毎日誰もが何気なくしている歯磨きですが、その口腔ケアのやり方次第で将来歯が残るか残らないか、そして全身の健康にも影響を及ぼしてしまいます。
おすすめの歯磨きの方法についても伺っています。
デンタルフロスや⻭間ブラシについて教えてください
デンタルフロスとは歯と歯の間を通すものです。
歯ブラシや歯間ブラシが通らないので、歯と歯の間を通してきれいにします。
歯間ブラシは、歯と歯の下の隙間を通すものです。
歯間ブラシが通らない方はデンタルフロスだけで大丈夫ですが、歯間ブラシが通る方は絶対にどちらも使用してください。
歯と歯の接着面から虫歯になりやすいので、デンタルフロスと歯間ブラシをしっかり通してください。
ワックス・ノンワックスに関しては、特に差はないのでお好みで良いと思います。
とにかくきれいにすることが大事です。
デンタルフロスや歯間ブラシは毎日の使用がおすすめですか?
毎日、毎回使用した方が良いです。使用するかしないかで汚れの除去率は全然違います。
歯ブラシだけでは65%しか取れないと言われています。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用しても25%、残りの10%はうがいにかかっています。
ワンタフトブラシや洗口液は使用した方が良いですか?
特に奥歯はカーブしているのでワンタフトブラシの使用はおすすめです。
歯茎の溝もきれいに磨きやすいです。
順序のおすすめは、デンタルフロスをして歯間ブラシをします。
そして、歯ブラシをした後にワンタフトブラシをして、最後に洗口液を使用するのが、一番効率が良いと思います。
どうしても歯ブラシしてからデンタルフロスや歯間ブラシを使用してしまうと、汚れが出た分また歯磨きが必要になりますので、先にデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると良いと思います。
洗口液は市販のもので良いです。
ただし、一点気を付けていただきたいのは、洗口液のアルコール濃度が高いと運転されている際に、間違って「警官に捕まった」ということもあるようです。
その際は、「洗口液です」と言っていただければ良いと思いますが、アルコール濃度には気を付けた方が良いと思います。
エアーフロス(歯間洗浄器)はおすすめしますか?
エアーフロスは、歯茎を傷つけずにジェットで流してくれるので私はおすすめしています。
持っていない方へのおすすめの方法は、お風呂のシャワーで汚れを落とすことです。
水圧の強いシャワーにすれば、エアーフロスまでとは及びませんが、普通にうがいするよりも効果が期待されると思います。
将来、認知症にならない為にオーラルケアは重要ですか?
オーラルケアは本当に大事で、今は人生100年時代と言われていますので、いかにご自身の歯を保たせるかが認知症に大きく関わります。
だいたい歯の本数が10本以下の方は85歳を過ぎると確実に認知症になっているケースが多いです。
ご自身の歯が残るかは10代、20代、30代の頃の口腔ケアの仕方で変わってきます。
面倒くさがらずに毎日、1日1回でもいいので夜だけでも必ずしっかり歯を磨くことが大切です。
80歳で20本の歯を残すことを目標とする「8020」については、歯医者さんに通われてケアされている方は実感としてほぼ達成していると思います。
いつか「9020」になる日が来るのではないでしょうか。
医科歯科ドットコム編集部コメント:若い頃のケアで歯を守ることが認知症予防に繋がる!
佐藤 美嘉 歯科医師に、毎日の口腔ケアについて紹介していただきました。
高齢になっても自分の歯で食事を楽しむことが認知症予防に繋がります。
また、歯ブラシだけではなんと65%しか磨けていないというから驚きです。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用したことが無い方は、今すぐ毎日の歯磨きを見直して欲しいと思います。
取材日:2019年11月14日
プロフィール
・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)
特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。
オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。
・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催
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