かみ合わせは顔がゆがみの原因にも!歯科医師が語るかみ合わせについて
ふと鏡を覗いたとき「昔に比べて、顔の形が変わった…?」と感じたことはないでしょうか。
それはもしかしたら、歯の噛み合わせが悪いせいかもしれません。
顔の形や大きさは、ある程度までは生まれ持った骨格で決まりますが、実は後天的な要素も大きく関係しているものです。
「噛み合わせ」はその代表格で、これが悪いと顔が左右にゆがむなど、顔の輪郭にさまざまな影響を与えることが知られています。
ただ逆もまた然りで、噛み合わせを改善することで小顔になったという人も少なからず存在します。
いったいなぜ、噛み合わせの良し悪しが、顔の形や大きさに影響を与えるのでしょうか?
シャープなフェイスラインを作るためにも、知っておきたい両者の関係を紹介します。
噛み合わせは筋肉と骨に影響を与える
私たちの顔の形や大きさは、頭蓋骨とその表面についた筋肉によって決まります。
そんな顔の輪郭に噛み合わせが影響を及ぼす理由は、簡単に言うと「噛み合わせの良し悪しが、下顎の骨とその周りの筋肉に大きな影響を与えるから」です。
ただ、これだけではわかりにくいので、もう少し詳しく説明しましょう。
「噛み合わせが良い」とは、あごの関節や周囲の筋肉が一番リラックスする場所で噛んだとき、前歯も奥歯もバランス良く噛み合っている状態のことです。
噛む力は左右均等にかかっているので、周辺の筋肉もバランスよく発達します。
一方、「噛み合わせが悪い」とは、あごの関節や周囲の筋肉が一番リラックスする場所では上下の歯がうまく噛み合わず、あごの関節や周辺の筋肉に負担がかかっている状態です。
当然、かかる力が強い場所の筋肉は大きくなる一方、かかる力が弱い場所の筋肉は衰えますし、無理な力がかかり続けたせいで骨がずれたり変形したりしてしまうこともあります。
その結果が、エラが張って見えたり、筋肉のたるみとなって顔の表面に表れてくるのです。
噛み合わせが悪いと顔が歪むことも!
噛み合わせの悪さが影響することとしては、例えば次のようなものがあります。
左右の歪み
片方だけで噛む癖がある場合や、噛み合わせが悪く左右どちらかの歯に力が偏っている場合、左右の筋肉の鍛えられ方が変わってくるため、顔に歪みが生じてきます。
軽度の場合は噛み方に気を付けるだけで治る場合もありますが、多くは矯正などで噛み合わせのずれを修正する治療が必要となります。
エラが張る
噛み合わせが悪く、下顎角部周辺の筋肉(咬筋)に過大な力がかかり続けた結果、その部分の筋肉が発達して硬くなっている場合です。
就寝中の歯ぎしりや無意識の食いしばりがある人にも、同じような症状が多く見られます。
矯正治療や奥歯の高さを調整する治療を行い、筋肉に余計な力がかからなくなると、エラが消えてシャープなフェイスラインになることがあります。
あごが出ている(三日月顔)
上顎に対して下顎が前に出ている状態で「受け口」とも呼ばれています。遺伝の場合もしくは後天性の場合は、舌の癖などが原因のことが多いです。成人になってからの治療は、状態にもよりますが、あごの位置を修正するための外科手術が必要となります。
二重あご
「二重あご」というと、真っ先に思い浮かぶのは太りすぎですが、実はそうとも限りません。
噛み合わせの悪さや下あごの位置や大きさが原因の場合もあります。
これらに加え、一部のしわやほうれい線も噛み合わせが影響していることが知られています。
もし、これらの症状が気になるようなら、一度歯科医院を受診してみると良いでしょう。
噛み合わせの良し悪しは、ただの歯並びの見た目の問題ではなく、全身の美容・健康とも密接に関係しています。
噛み合わせ治療を受けたら小顔になれたというケースもあります。
美容に意識の高い方は、噛み合わせもぜひ気にかけてみてください。
医科歯科ドットコム編集部コメント
マッサージでなかなか歪みが治らない!という方、一度歯科医院を受診してみるのもアリですね!
ご予約は医科歯科.comから!
監修日:2020年1月21日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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