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2019-12-30 掲載

森本稀哲元プロ野球選手と現役歯科医師対談「プロ野球選手がマウスピースを使う理由とは?森本稀哲がエピソードを語る」

森本稀哲×歯科医師
元プロ野球選手の森本稀哲(もりもとひちょり)さんと現役歯科医師である藤本俊輝(ふじもととしき)先生の対談の第一弾。

テーマは「スポーツとマウスピースの関係」。対談の中でストレスをモチベーションに変えることも可能だとのことで、森本さんは「マウスピースがないとちょっと不安というか、噛み合わせの部分で不安感すらあります。」ともおっしゃってます。

現役でスポーツされる方やお子様をお持ちの親御様にもとても参考になる対談です。

マウスピースを使い始めた意図や経緯を教えてください

森本さん
マウスピースは僕も現役のときにつけていて、今はけっこうプロ野球選手もつけているんですけど、僕がつけ始めたのはたしか引退する10年くらい前で、あの当時はマウスピースをつけている選手はほぼいなかったんですよ。

で、僕がマウスピースをつけるきっかけになったのは腰痛です。腰を痛めてから歯の噛み合わせがすごく大事だということを何かで聞いたのですが、マウスピースをすると怪我の予防になる、ということがきっかけになりました。

だから僕はホームランを打ちたいとか、喰いしばって打つからではなくて、まずは怪我を予防するということが第一歩だったんです。

藤本先生の前で言うのはなんですけど、歯の噛み合わせが悪いと軸がずれて、軸がずれると中心がずれるので全身に負担がかかってくると聞いて、それだったらまず噛み合わせをしっかりしないといけないなと思い、けっこう早い段階でマウスピースに着目しました。

藤本歯科医師
素晴らしいですね。人間というのは二足歩行じゃないですか。で、自動車は四輪で安定して走りますけど、バイクや自転車はやっぱりふらつきますよね。人間も基本的には二本足で立っているので、あんまりバランスのいい動物ではないから、噛みしめてバランスをとるのです。

関節はいろいろありますけど、下顎というのは顎関節のところから筋肉で吊るされているだけの状態なので、自由に動こうと思えば動いてしまうんですよ。で、それがどこで規制されるかというと歯のかたちで規制されます。奥歯がかちっと噛む位置で規制されてしまう。

だから顎の位置というよりは歯の位置で勝手に下顎が規制されてしまいます。たとえば全ての歯を作り物にして変な位置で作ってしまうとすると、噛み合わせがずれてしまい顎もずれてしまうということがあるんです。

そして、人間はだいたい左右対称にできていますので、顎の位置というのも上顎のところに入るスポットがあるんですけど、これがおおよその位置に入っておかないと、やっぱり左右のバランスというものが狂ってきてしまいます。

特にトップアスリートですと、ちょっとしたことでも全身のバランスになんらかの支障がでたりするのではないかと。森本さんはかなり先駆的ですね。

森本さん
2000年くらいにプロに入ってから2年かそこらで親知らずを抜いたんですけど、1本だけ抜いたんです。そうしたら、それまで何ともなかったのに、なぜか口が開かなくなってきてしまったんですよ。たぶん噛み合わせが悪くなったからだと思うのですが、それで顎が動かなくなってきたと。なので焦って全部の親知らずを抜いたのですが、顎の位置が戻らなかったんです。

で、ある歯医者さんに行ったときに、もう顎がずれてしまっていて1点だけにすごくストレスがかかっているからそこを削ってもらったら口が開くようになったんです。もう衝撃的で。本当にびっくりしたんですけど、噛み合わせが合わなくなるとほんの少ししか口が開かなくなるんですよね。

それがちょっと削っただけで口が開くようになって、それが何年かぶりに口がよく開くようになったものだから、噛み合わせってすごく大事だなってそのときに気づいたんです。

そして噛み合わせ的にはそこまで無理がない感じだったのですが、腰を痛めてからマウスピースを使うようになり、寝るときにも歯をものすごく喰いしばるようになると聞いて、野球選手は寝るときに休めなかったらすごい疲れが溜まってしまうので、寝るときにもマウスピースをつけるようになりました。そのおかげで、野球にも集中できるようになったと感じています。

ただ、ラグビーのワールドカップやボクシングを見ていて思うのは、ぶつかるときに歯を喰いしばったりすることで、削れたりするのでマウスピースをつけますが、野球ってぶつかり合わないですよね。

どちらかと言うと力を抜いたほうがいいし、スポーツのなかで力を発揮するために歯を喰いしばるという考え方がいいのかどうか、最近はちょっと疑問に思っているのですが、先生はどう思われますか?

藤本歯科医師
スポーツでも何でもそうですけど、オンとオフがありますよね。静と動があって、マラソンなどはずっと動きっぱなしかもしれませんが、野球はインパクトの瞬間や投げる瞬間などに何かしら力が入るかたが多いと思います。

そのときまでにずっと噛んでいたら、やはり力の波がずっと一定なので瞬間的なパワーが出ないんですよ。そこでなるべく瞬間的な力を使う前は脱力しておいて、一気にどーんと力を発揮するということがやはり必要なんじゃないかなと。

森本さん
やはりマウスピースはしていたほうがいいんですか?
藤本歯科医師
マウスピースには2点のメリットがありまして、歯や歯の周りの組織を守るというのがまずひとつで、最初はそれですよね。

それにふたつ目は、噛み合わせが悪い人でもしっかり調整したマウスピースをつけると誰でもちゃんとした噛み合わせになれるわけで、マウスピースを入れた瞬間にしっかり噛める位置の噛み合わせになる、ということがマウスピースを入れることのメリットなのではないかなと思います。

森本さん
僕は、仙台の球場での試合でレフトを守っていたときにサードとレフトのあいだのギリギリのところを取って、そのまま柵にぶつかって歯を折ったんですよ。マウスピースをしていたら、たぶん怪我の予防にもなっていましたよね?
藤本歯科医師
野球は基本的にはそれほどコンタクトスポーツのようにぶつかることはないですけど、意外と小中学生のバスケではぶつかることが多いんですよね。身長差がけっこうあるので肘が入ったりとか。野球がそうですよね。

イレギュラーのボールが当たるなど、考えてみると意外と外傷があるんだなと。外傷の危険性というものは格闘技やラグビー、アメフトのイメージがあると思うのですが、ボールが当たるスポーツでも危険性はいつもあると思うんですよね。

森本さん
そう考えるとマウスピースをしていても、そこまでデメリットはないんですかね。
藤本歯科医師
日常生活までずっとマウスピースをつけているのはどうかなというところはあるのですが、今まで使用していなかった人にとっては、なんだか息苦しいと感じて外したがる人もいますし、装着して当たり前になってくれればいいのですが。デメリットはそれくらいですかね。
森本さん
僕は、全く息苦しさなんかないですし、逆に言えばマウスピースがないとちょっと不安というか、噛み合わせの部分で不安感すらあります。僕は寝るときにはマウスピースを絶対につけたほうがいいと思うんですよ。

一度マウスピースをちゃんとつけて寝るようになると、たまに忘れてつけなかった次の日の朝に、ジワーっと踏ん張った形跡というか痕跡が残るので、すごく踏ん張っていたんだなあと。

藤本歯科医師
先ほどオンとオフの話をしましたが、パワーを使うとき以外はなるべくは力を抜いておいたほうがいいんです。寝るときも本当はリラックスしたいわけなので、力を抜いて噛まないほうがいいんです。
森本さん
じゃあどうしたらいいんですかね。無意識でぐーっと踏ん張っちゃうじゃないですか。
藤本歯科医師
無意識に噛みしめてしまうので、そのときのためにマウスピースを入れてもらうことはやはり大切です。ただ自分の意識としては、いつもマウスピースをつけていると常に噛みたくなってしまうというのはあるかもしれない。それだけはマウスピースのデメリットというか怖い部分であるかもしれない。
森本さん
じゃあ、ワサビ爆弾かなにかを両サイドの頬に入れておいて踏ん張ったらワサビが飛び出るみたいなのはどうですか(笑)
藤本歯科医師
そうですね。(笑)
森本さん
寝られないですね。(笑)でも踏ん張らないようにして寝られることが一番いいんですよね?
藤本歯科医師
なるべく頭のなかでは無意識に噛まないと思っておいて、でも寝ながら噛んじゃったらそれは仕方がないし、だからマウスピースを入れておきましょうね、というかたちでお話をしたんですよ。
森本さん
僕は力を出す目的というよりも怪我の予防で普段は歩いたり運動もしていて、野球に関しては、いろいろな動きがあるので、どこかを怪我したときにも負担ができるだけかからないようにマウスピースで噛み合わせを補助できればいいかなあ、というくらいの感じだったのですが。
藤本歯科医師
ちょっと前ですが、シニアゴルフのときにですね。プロゴルファーの方がマウスピースをつけてコースをまわった後に、これを入れると実はよく飛ぶんだよ、と言ったそうなんですよ。

で、本当は歯を保護するために入れているぶんにはいいのですが、ゴルフだとパワーを出すためにマウスピースを入れているとなると問題があって、失格になってしまったらしいのです。実際にそれくらい、インパクトの瞬間にパワーがでるということがあるみたいです。

森本さん
マウスピースで噛み合わせがしっかりするなら、使い方によってはすごくプラスになりますよね。
藤本歯科医師
本当はマウスピースをつけていないときにもしっかり噛めているかどうかで、アスリートの方は歯もしっかりお手入れしていると思うのですが、ひと昔前のプロ野球選手はみんな奥歯がガチャガチャだよという話もよく聞いていたので、やはり歯をしっかり作ってちゃんと噛み合わせを治すことは非常に大事です。

親知らずの話でもそうですが、たぶん親知らずがあると歯が押されていたところが解き放たれて変なところに当たりだしたんじゃないかなと思うんです。

しっかり全体的に噛めること、左右がバランス良く噛めているということが、アスリートが力を発揮するためには大事なんじゃないかと思いますね。

森本さん
吉田輝星投手が、高校の甲子園の時に、白いマウスピースをつけていて注目を浴びていましたね。最近では、高校野球でもマウスピースが浸透し始めているし、下手すると小中学生でも着用したりして意識がものすごく高くなってきていますよね。
藤本歯科医師
吉田投手でマウスピースがすごく広まりましたよね。あの白さが。
森本さん
僕もけっこうつけていたのに、全然広まらなかったんですけどね(笑)
藤本歯科医師
何色をつけていたんですか?
森本さん
僕は透明のマウスピースです。
藤本歯科医師
高校野球は白か透明かのどちらかだそうです。ただ透明だと分からないですものね(笑)

編集部まとめ

怪我の経験からご自身の噛み合わせに気を遣い、マウスピースを使用するようになった森本稀哲さん。歯科医師である藤本俊輝先生は、マウスピースをつける意義や重要性についてスポーツと絡めながら語ってくださいました。

次回は『森本稀哲元プロ野球選手と現役歯科医師対談「子どもにマウスピースは使うべき?マウスピースの普及について」』引き続きお二人に対談していただきます。
 
取材日:2019年11月1日
 

プロフィール

藤本 俊輝 歯科医師
 
<略歴>​
千葉県出身​
日本大学歯学部卒業​
日本大学大学院歯学研究科歯科臨床系卒業​
千葉大学医学部附属病院歯科・顎・口腔外科研修プログラム修了​
​ 
<資格及び所属>​
歯科医師・歯学博士​
医療法人社団輝 理事/藤本歯科長洲医院副院長(千葉県千葉市)​
​
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師​
日本補綴歯科学会専門医・指導医​
日本顎咬合学会かみ合わせ認定医​
日本口腔インプラント学会専修医​
日本磁気歯科学会認定医​

 

プロフィール

森本稀哲(もりもと ひちょり)
 
CKPLAT所属
元プロ野球選手、講演家、野球解説者高校野球の名門・帝京高校の主将として甲子園に出場。
1999年ドラフト4位で日本ハムファイターズ
(現北海道日本ハムファイターズ)に入団。
2006年には1番レフトとして活躍、チームを日本一へと導く。
その後、2011年横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。
2014年、埼玉西武ライオンズへテスト入団。
2015年9月、17年間にわたるプロ野球人生を終え、現役を引退。通算成績は、1272試合、3497打数904安打、33本塁打、521得点、267打点、106盗塁、打率.259。
2006年、2007年はパ・リーグ最多得点。
2006年から2008年まで3年連続ゴールデングラブ賞を受賞し、2007年ベストナインに選ばれる。現在は、経営コンサルティングを手掛ける『CKPLAT』に所属。
野球解説やタレントとしてテレビ・ラジオ出演のほか、講演活動も行っている。著書『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』(ダイヤモンド社)
森本稀哲オフィシャルサイト
歯科歯科医師医師取材藤本 俊輝 歯科医師森本稀哲対談
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