虫歯治療は必ずしも削るだけじゃない！初期の虫歯は削らなくていい？
みなさんは虫歯治療には大きく分けて削る治療と削らない治療の2種類があるのをご存知ですか？誰もが痛い思いをして歯を削ることはしたくはないと思います。では、どのようにすれば削る必要のない虫歯治療にすることができるのでしょうか。
目次
1．虫歯治療には削る場合と削らない場合がある！初期の虫歯は削らなくていい？
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト：e-ヘルスネットによると虫歯の治療の流れ（一部抜粋）について以下のように記載されています。（※記事末尾に参考ページURL記載）
むし歯が歯の表層に限られる場合は、削らず再石灰化を期待します。むし歯が大きくなると歯を削り、詰め物やかぶせものをつける治療を行います。むし歯がさらに進行して歯髄（しずい）に達すると、歯髄を除去（抜髄（ばつずい））する必要があります。その場合の多くは土台をたててかぶせ物をする治療が必要になります。
1. 削る必要のないむし歯の場合
むし歯（う蝕・う蝕症）は、口の中にいる細菌が酸を出して歯を溶かす現象です。この現象を脱灰と呼んでいます。
むし歯の原因となる菌はミュータンスレンサ球菌と乳酸桿菌がその代表的な菌とされています。ともに砂糖から主として乳酸をつくる能力を持った菌です。またミュータンスレンサ球菌は水に溶けない歯垢（プラーク）を作る能力を持っています。このように細菌によって作られた酸によって歯が溶けてゆきますが、初期の段階では溶けた部分が元にもどることがわかってきました。この現象を再石灰化とよんでいます。
歯が溶け始めるとき、歯の表面ではなく歯の中から溶けてゆきます。この溶けた部分を表層下脱灰層と言います。歯の表面にあるエナメル質は主にカルシウムとリン酸からできていて、このカルシウムが酸によって溶け出します。しかし唾液中にはカルシウムがあるので、そのカルシウムが表層下脱灰層に入り込んで溶けた部分を埋めてゆきます。このように歯は脱灰と再石灰化を常に繰り返しています。
2. 削って詰め物をする必要がある小さなむし歯の場合
砂糖を頻回に摂取したり、歯を磨かないと脱灰が進みます。また表層下脱灰層はある程度以上大きくなると、表面のエナメル質が割れてしまい大きな穴になってしまいます【図1】。
この状態になるともう治ることはありません。大きな穴があいてしまった後は従来の削って詰める治療法になります。むし歯がエナメル質や象牙質までの範囲のときはむし歯の部分を削り取り、その部分にレジンと呼ばれる合成樹脂を詰めます。
レジンは歯とほぼ同じ色ですので、特に前歯で審美性が要求される場合や、むし歯の穴が小さいときには、レジンが多く用いられます。また特殊な光を当てることによってレジンが固まりますので、口の中で直接レジンを詰めて固まらせることができます。つまり型を取るなどの工程が必要ないので、一般的には一回の治療で終了します。
図1: 小さなむし歯
上記の内容をわかりやすくかいつまんでみました。
つまり、虫歯が奥まで進行していない場合には、自然治癒することもあるということです。ですので、虫歯がさらに進行して歯を削る治療を行う必要が出てくる前に、虫歯の早期発見をすることがいかに大切かがわかります。
〈削る必要のない虫歯の場合〉
初期の虫歯では再石灰化（初期の段階では溶けた部分が元にもどる）が起こり、歯を削らなくてもよい。
〈削る必要がある虫歯の場合〉
砂糖を頻繁に摂取したり、歯磨きをしないことで歯が溶け、表面のエナメル質が割れてしまい穴があく。穴があいたら自然治癒は望めないため、削って詰める治療を行う。
自分でお口の中を見たり、感じたりして、歯を削る必要があるのか、ないのかの判断をするのは難しいと思います。ですので、まずは歯医者さんに行き、虫歯がある場合、その虫歯がどの状態なのか確認してもらいましょう。そのためにもまずは、定期的に歯医者さんに通うことが必要です。
2．現役歯科医師が答える！虫歯は自然に治りますか？
しかし、歯科医院で診断される虫歯はそういうミクロのレベルの話ではなく、目でみてわかる大きさの穴です。この虫歯は自然に治ることはありません。
ただし、脱灰といわれる歯の構造がもろくなっているが、穴が開いているほどでは無い場合は、フッ素や清掃により回復を待つ場合があります。
歯科医師の回答を以下にまとめました。
1．基本的には虫歯の自然治癒はない
2．穴があくほどの虫歯ではない場合は、フッ素やクリーニングにより回復を待つ
3．とても軽度な虫歯であれば、歯にも修復力はある
3． 初期の虫歯で済むうちにまずは歯医者さんに受診を
虫歯治療には、削って治す場合と削らなくても治る場合の2種類あることが分かりました。しかし、そのほとんどが削る治療になってしまいます。歯医者さんに定期的に通うことで、削らなくてもよい状態のうちに対処することができます。
そうすることで、痛みを伴う治療をすることもなく、また被せ物による治療を行う、はたまた、歯を失ってしまい入れ歯やインプラントにする必要もなくなります。
歯を失わないためには早期発見、早期治療がいかに大切かということが理解できたと思います。歯医者さんは、風邪を引いたから内科に受診するという事後的なものではなくて、悪くなる前に受診することが重要です。
参考ページ
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
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