デンタルリンス「液体歯磨き」と「洗口剤」は用途も使い方も全く違う!
爽快な味と香りがするデンタルリンス。口に含んでブクブクとゆすぐだけで口腔内がキレイになるイメージがあります。
ところで、このデンタルリンスには「液体歯磨き」と「洗口剤」の2種類があって、用途も使い方もまったく違うということをご存じですか?
液体歯磨きと洗口剤の違いや使い分けについて知り、正しいオーラルケアに役立てましょう。
液体歯磨きって……?
「液体歯磨き」という名称からなんとなく想像できるように、液体歯磨きは練り歯磨き粉の代わりに使用するものです。
歯磨き粉のような粘りがありませんから、歯ブラシにつけるのではなく、直接口に含んでから30秒程度ブクブクと口をゆすぎ、液体を口腔内全体に行き渡らせたあとでブラッシングしましょう。
あまり多くの量を口に含むと歯が磨きにくくなります。かといって少ないと口のなかに十分行き渡らせることができない……。
そういう場合は、いったん口の中の液体歯磨きを吐き出してからブラッシングしてもかまいません(製品に使い方の指示がある場合はそれに従ってください)。
液体歯磨きが歯磨き粉より優れている点としては、液体なので口腔内の隅々まで浸透しやすいため洗浄しやすいことや、歯磨きの成分が歯茎に浸透しやすいため炎症を抑える効果が高いことなどが挙げられます。
ただし、液体歯磨きには歯磨き粉と違って研磨成分が含まれていないため、歯の表面の汚れをしっかり落とす効果は一般的な歯磨き粉のほうが高いでしょう。
液体歯磨きだけではワインや紅茶などの着色汚れ(ステイン)、タバコのヤニなどを落とす力が不足するかもしれません。
もっとも、製品によっては、ステインを多く含む飲み物を飲む前に使用することでステインを歯に付着しにくくし、着色汚れ防止に役立つとされているものもあります。
歯を磨き終えたら、水でしっかり口をすすぎましょう。なお、製品によっては口をすすがず、そのまま放置したほうが効果的なものもあります。
アルコール配合タイプとノンアルコールタイプ
液体歯磨きにはミントなど爽快感のある香味がつけられていることが多いのですが、そのほかにアルコールを配合したものとノンアルコールタイプのものとに大別できます。
アルコール配合タイプはアルコールによって口のなかがピリリと刺激され、強い爽快感が得られます。
ただし「刺激が強すぎる」と感じる人や、口の粘膜が弱い人などは避けた方がいいでしょう。
メーカーの説明によれば、アルコールの有無による効果の違いは特にないとのことです。
洗口剤の用途とは?
洗口剤とは、ブラッシングをせずに口の中を洗浄するための液体です。
デンタルケアというよりは口腔内全体のオーラルケアを目的としたもので、歯の汚れや歯垢を取る成分は含まれていませんから、歯磨き粉や液体歯磨きの代わりにはなりません。
ただし、虫歯や歯周病の原因菌を除菌してくれるタイプのものはありますから、歯磨きやデンタルフロスの補助としてデンタルケアに役立てることは可能です。
また、洗口剤は寝る前に使用することで、就寝中の口腔内の細菌の働きを抑えて、翌朝の口の中の粘つきや口臭などを抑える効果が期待できます。
どうしても歯磨きできない時の一時的なオーラルケアに使ったり、日中の口臭防止に使ったり、いろんなシーンで口をさっぱりさせることに役立つでしょう。
注意!デンタルリンスは喉のうがいには適していません!!
どちらのタイプのデンタルリンスも、口に含んで歯のすき間や口の隅々まで液が行き渡るように口をゆすいで使います。
時々、デンタルリンスの使い方で「口に含んで、うがいをして……」などという表現を見かけますが、デンタルリンスには風邪の予防や喉の痛みなどをケアする「うがい薬」のような効果はありません。
ですから、あまりのどの奥深くまで液を行き渡らせる必要もありませんし、上を向いてガラガラとうがいをする必要もありません。
そんなことをすると、製品によっては大量の泡が出てたいへんなことになってしまう可能性もあります。
どうぞご注意を!
まとめ
このように「デンタルリンス」とひと言でまとめても、目的や使い方が異なる場合もあります。
しっかりと必要に応じて使い分けることで、正しいオーラルケアに活用してみてはいかがでしょうか。
<参考>
SUNSTAR ガム・デンタルリンス
医科歯科ドットコム編集部まとめ
私はデンタルリンスを「液体歯磨き」と「洗口剤」の二種類があることを知らずに使用していました。これからは用途に合わせて使用したいと思います。
詳しい使い方が気になった方は、医科歯科.comで予約をして、歯医者さんに相談してみてください。
監修日:2019年12月18日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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