歯科医師監修!犬歯と八重歯の違いとは?とがった歯は八重歯ではない!
近年「つけ八重歯」なるものが人気になるほど、日本には八重歯を可愛いとする文化がありますよね。
しかし、ここで確認しておきたいのが、多くの人が八重歯のことを勘違いしていないか?ということです。
みなさん、尖った歯のことを八重歯だと思っていませんか?それは間違いなんです。今回は犬歯と八重歯の違いと、八重歯ができる理由についてご紹介しましょう。
歯は大きく分けて3種類!
歯は大きく3種類あります。前歯にあたる「切歯」、奥歯にあたる「臼歯」、その中間にある「犬歯」です。これらはそれぞれ違う役割を果たしています。
切歯・・・食物を噛み切ったり、発音をよくする役割。
臼歯・・・切歯が噛み切った食物をすりつぶしたり、細かくする役割。
犬歯・・・食物を切り裂く役割。
犬歯とは?
ひし形のような形をしている犬歯は、食べ物を切り裂く「牙」です。よく映画等で、吸血鬼が人に噛みつく時に出てくる一番長い歯もこの犬歯です。
この歯は、全ての歯の中で根が最も長く、強度があります。そのため、歳を重ねて最後まで残るのはこの歯であることが多くなります。
また、犬歯は噛み合わせを正常な位置に保ち、顎の働きを支えている大切な歯なのです。
八重歯とは?
八重歯は、正式には「上顎犬歯の低位唇側転位」といいます。犬歯の部分が八重歯になりやすいことから、このような名称で呼ばれるようになったと考えられています。
なんだか難しい名前ですが、つまり上顎の犬歯が歯列より前に出ている場合、その歯を八重歯というのです。
八重歯ができる理由
人によって八重歯になる人とならない人がいますが、それは「顎の骨の大きさ」が大きく影響しています。
前提として乳歯から永久歯に生え変わるとき上顎は最初に乳切歯、次に乳臼歯、最後に乳犬歯が抜け落ちます。
そして顎の大きさが小さい人、十分な大きさに成長しなかった人の場合、正常な位置に犬歯が生えるスペースがなくなり、あとから生えた犬歯が外側に押し出されてしまうことがあります。
この歯を八重歯というのです。現代の子供たちは特に、食生活の変化などに伴い顎が細くなり、永久歯が生える十分なスペースがなくなったことで歯が正しい位置に生えづらくなっているようです。
監修日:2019年12月18日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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