歯並びが悪いと頭痛・歪みの原因に…歯列不正放置の怖いシナリオ!
皆さん、自分の歯並びの状態はどうなっていますか?多少歯並びが悪くても、もう慣れてしまったから特に矯正とかは考えていない、という方も中にはいるでしょう。
しかし、歯並びの悪さを放置しておくと後々で悪い影響が出てくる可能性があります。歯並びというのは身体の健康を保つうえで非常に大事な要素の一つで、これを放置することは好ましくありません。
具体的にはどのような悪影響が考えられるのでしょうか?今回は、歯列不正放置の悪影響についてご紹介します。今後治療をするかどうかの参考にしていただければと思います。
●虫歯・歯周病になりやすくなる
歯がきれいに生えそろっていると、歯の間にもきちんと歯ブラシがしっかり清潔にお掃除できます。
ところが、歯並びが悪いとその状態によっては歯と歯の間ないし歯と歯茎の間に歯ブラシが入りにくくなってしまうことがあるのです。
そうなってくると磨き残しが多くなり、やがて歯垢が蓄積されます。
その歯垢は時間が経つと歯石という細菌の固まりへと変わり、虫歯や歯周病の発症を促してしまう恐れがあります。細かいところのケアがしにくいという点が一つの悪影響です。
●顔の歪み
心当たりがある、もしくは今まさに自分の状態がそうだという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば上の歯が出ていると上唇も前に突き出てしまったり……。噛み合わせ・歯並びの悪さは顔の形にも影響を及ぼします。口元のしまりがなくあまり見た目が良くないので、自分の印象が悪くなってしまいます。
また口元だけでなく、だんだんと顔全体のバランスが整わなくなってくる場合もあり、左右の歪みが出てくるケースもあります。
これに関連して、心理的な影響も考えられます。自分の顔の形がコンプレックスになってしまい自信が持てなくなってしまうほか、対人関係にも悪影響が出てくることが考えられます。
●食べ物がよく噛めない
歯並びが悪いと噛み合わせが合わなくなります。噛み合わせが悪いときちんと咀嚼できないことに繋がります。咀嚼が上手くできないと、例えば硬い物を噛み切るのに苦労したり、十分に噛めないまま胃に食べ物が落ちていくので消化に負担がかかったりします。
食べるのが普通の人に比べて遅くなるということも考えられます。噛むことがうまくいかないのであまり噛まずに食べるようになってくると、満腹中枢への刺激が足りなくなるので食べ過ぎてしまって、結果肥満に繋がってしまったり……。
食べ物がよく噛めないと、身体への悪影響がたくさんあるのです。
●運動能力への悪影響も
「スポーツ選手は歯が命」とよく言われますが、これはあながち間違いではありません。
噛み合わせが悪いと、奥歯で噛み締めたときに、揃っている人に比べて力が入りにくくなります。また、顎の関節のすぐ近くに体の平衡感覚を担う三半規管があります。
噛み合わせに違和感があると、身体のバランスや重心移動にも悪影響を及ぼすのです。
トップレベルのスポーツ選手達の多くが歯にとても気を遣っていて、歯並びが悪かったり、歯が抜けて一部がない人は歯列矯正やインプラント治療を盛んに行っています。それだけ歯並びは運動においても重要なものなのです。
●頭痛や肩こりなどになりやすい
噛み合わせの悪さは、身体全体のバランスにも関係すると前述しました。
バランスが悪いと、当然姿勢が悪くなります。姿勢が悪いと、やがて頭痛や腰痛、肩こりやめまいなどが起こりやすくなります。また、身体の疲れもとれにくくなってしまいます。
このように、身体のいたるところに悪影響が及んでしまう可能性があるのです。逆に、姿勢の悪さが歯並びの悪さに繋がる可能性もあるのです。
そもそも、矯正治療でなぜ歯が正しい場所に動いていくのでしょうか?
人間の骨というのは、持続的に力が加わると、わずかな力でも細胞のはたらきで歯槽骨という骨の形態を変え、 歯の位置を移動させていくのです。
ゆえに、歯に長時間悪い方向の力をかけていれば、 歯列は悪い形へ徐々に変わっていってしまうのです。
その悪い力がかかってしまうのが、悪い姿勢のせいである場合があります。猫背、頬杖などが癖になっている人は要注意です。
●発音が悪くなる
歯並びの悪さは舌の動きにも影響します。舌の動きが悪くなり、発音の悪さに繋がることがあります。日本語ではサ行やタ行が特に言いにくくなってしまい、英語ではsやzなどの発音が言いにくくなるといわれています。
母音に比べて、子音の方が影響されやすいようです。発音が悪いと、コミュニケーションの際が困難になってしまう恐れがあるほか、コンプレックスになって喋るのが嫌になってしまうケースもあります。こ
のように、いろいろなところに悪い影響が及んでしまいます。
以上に挙げた中に気になる症状があれば、歯列矯正をぜひしていただきたいと思います。長年のコンプレックスが歯列矯正で解消するかもしれません。また小さい子供さんについても、これからそのようなことにならないためにも早めに矯正に取り掛かっていただきたいと思います。
監修日:2019年12月12日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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