【忘年会シーズン必見】歯に着色しやすい飲み物とその対策法とは?
歯に着色しやすい食材や、同時に摂ることで着色を促す成分にはさまざまなものがあります。歯に着色しやすい飲料に限ると、お茶やジュースやお酒など、どれも日常生活から外したくない飲料ばかり。しかし、歯の着色を防ぐ方法を知り、実践すれば、好きな飲み物をやめることなく、きれいな歯を維持できます。
いっそ復活?お歯黒文化の秘密
有名なコーヒー、紅茶、ウーロン茶などは、いずれも「茶渋」成分がカップに付着するのと同じ原理で、歯にも色を残し、やがてステインと呼ばれる歯の着色汚れの原因になります。茶渋の正体であるタンニンは、明治以前の既婚女性の習慣であったお歯黒(鉄漿:かね)の成分として、また柿渋の成分として知られるものです。タンニンには抗菌作用があり、虫歯や歯周病から歯を守るので、お歯黒にはそれなりの効用があったとも言われています。しかし現代社会において、歯に付着したステインは、見た目を悪くするばかりで、良いところは全くありません。
甘ぁ~い飲み物にはご用心!
糖分の入った清涼飲料水や炭酸飲料は、歯の着色を促す可能性があります。糖分が、歯の表面(エナメル質)を溶かして、色素が付着しやすくなるからです。糖分の入った清涼飲料水や炭酸飲料が、歯のエナメル質を溶かして表面を荒らしたところに、カレーやチョコレートなどの着色性食品を摂ると、より着色しやすくなるというわけです。その中でも、コーラはそれ自体の色素が歯に色を付きやすいので、実にダブルの着色作用があり、注意が必要です。
飲み会も気を抜かないで
酒類が歯の着色を促すのは、アルコールの脱水作用によるものです。歯の表面の水分が奪われると、着色しやすくなります。そこに着色性食品がくれば、着色の可能性が高まります。一部のヨード系うがい薬は、アルコール成分が含まれている上に、ヨードの色素が着色しやすいので、使用時は注意が必要です。
健康効果だけでないアントシアニンのパワー
色の濃い飲料、たとえば赤ワインやベリー類の果汁、グレープジュースなどが歯に着色しやすいことは、想像すればお分かりでしょう。ブドウやプルーンなどに含まれるアントシアニンは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種として注目されている成分ですが、濃い赤紫色の色素は衣服などに付着した場合もなかなか落ちないなど、染着力の高さは侮れません。また、レモンやオレンジなど柑橘系果汁の飲料は、酸の成分が多く含まれ、それが歯の表面を溶かして、歯を着色しやすい状態にしてしまうことがあります。その意味では、スポーツドリンクは、酸の成分が多く含まれているので、歯の着色を促す可能性があることを覚えておいてください。
口中をリセットして歯の着色を防ごう
歯への着色をできるだけ防ぎながらこれらの飲料を摂るには、単純ですが「歯に直接ふれさせない」、および「口中を乾燥させない」工夫が必要です。着色性の高い飲料を飲む前後に、口の中をすすぐように水をひと口飲むだけでも違います。アイスコーヒーなら、ストローを使うとコーヒーを歯に付けずに飲むことができます。コーヒーやコーラを長時間口中に含んだ状態にするクセがあれば、やめましょう。
飲食物を口にした後に、強く口をすすぐのも効果があります。もちろん、毎食後に歯磨きをすることが理想的で、一番の予防策です。
監修日:2019年10月9日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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