【現役医師に聞く】慢性じんましんがアレルギーの可能性は10%!ほとんどの場合が原因不明
あるとき突然、皮膚が赤く膨れてかゆみを伴う「じんましん」ができて驚いたことはありませんか?
じんましんを繰り返す場合は慢性じんましんです。
現役の皮膚科専門医である「はなふさ皮膚科」理事長の花房火月(はなふさひづき)医師に、慢性じんましんについて教えていただきました。
「慢性じんましん」はどのような病気?
慢性じんましんは若い方にも多い疾患で、ランダムに虫に刺されたように赤く皮膚が盛り上がり、全身に広がることもあれば一部に留まることもあります。
最大の特徴としては、その皮疹(ひしん)自体はだいたい30分から数時間程度で跡形もなく消えるのですが、また他のところや数時間後にできるというのを繰り返すことがあげられます。
発汗刺激で起こる「コリン性じんましん」
慢性じんましんの中で、発汗刺激によって起こるものをコリン性じんましんと言います。
コリン性じんましんの場合、1つ1つのじんましんが小さくて、ぶつぶつのように見えるのが特徴です。
慢性じんましんの80%は原因不明!アレルギーの可能性は10%以下
慢性じんましんの場合は、全身検査をしても原因がわかる可能性は20%以下、論文によっては10%以下と言われており、ほとんどが原因不明です。
アレルギーの飲み薬である抗アレルギー薬で治療しますので、じんましん=アレルギーと思われる方も多いのですが、実際はアレルギーである可能性は10%以下、ほとんどが原因不明のままです。
治療法は「自分に合う薬」を探すこと
治療法は、抗アレルギー薬の内服が第一選択になります。
抗アレルギー薬を飲んで、ご自身に合う薬を探すことがポイントです。
抗アレルギー薬は無数にありますので、相談しながらそれを探すのが大事かと思います。
最初に処方されたものがご自身に合わない、効果がでないということがあるかもしれませんが、その場合は、その薬を増やす、他の薬を追加する、薬を変更するという選択肢が考えられますので、担当医と相談していただければと思います。
また、一般的に生活習慣の乱れが悪化を招くと言われていますので、強いストレスや暴飲暴食、睡眠不足などがないよう、なるべく生活習慣を整えるのが重要となってきます。
医科歯科ドットコム編集部コメント:食事や睡眠をしっかり摂り、生活習慣を整えましょう
慢性じんましんは、原因を特定できる割合が10~20%ということに驚きました。
しかし、諦めずに自分に合う薬を探すことが大事です。
また、リラックスする時間を設けたり、食事や睡眠などをしっかり摂ることで、症状が改善される可能性もあります。
生活習慣を整え、自分に合った治療法を見つけていきましょう。
取材日:2019年10月4日
プロフィール
花房 火月 医師
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗』
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