新型コロナウイルスの症状を現役医師が説明!肺炎で呼吸困難に。感染力・致死率が非常に高い可能性
春節を目前にして、中国の武漢市で猛威を振るう「新型コロナウイルス」は、ヒトからヒトへの感染が認められ、今もなお感染拡大が続いています。
新型コロナウイルスによる肺炎で、呼吸困難など重篤な症状を引き起こす危険性もあるようです。
風邪との違いや肺炎について、救命救急の現場で活躍されていた小川智也(おがわともなり)医師にお話を伺いました。
中国の武漢市を中心に猛威を振るう新型コロナウイルス
――コロナウイルスとは?
コロナウイルスは動物やヒトで感染を起こすウイルスの一種で、風邪の原因となるウイルスのうち10~15%がヒトコロナウイルスによるものと考えられています。
――SARSコロナウイルスとはどう違いますか?
SARSコロナウイルスは一般的なコロナウイルスと比較し、高い感染力や致死率、重篤な症状を引き起こす危険性が高い、などの特徴がありました。
今回の新型コロナウイルスはまだ詳細な特徴が判明していないのですが、ウイルスは変異をすることで、その感染力や症状出現の影響度も一気に増すことがあります。
現時点(2020年1月23日)で、新型コロナウイルスは通常のコロナウイルスと比較しても非常に高い感染力・致死率があると考えられているため、注意が必要です。
肺炎により呼吸困難などの重篤な症状に陥る可能性も
――コロナウイルスの症状を教えてください
一般的には、上気道炎症状(発熱・咳・鼻水・鼻つまり・喉の痛み)をはじめとした風邪症状を起こすとお考えください。
しかし、乳幼児や免疫力が弱い方の場合は、肺炎や消化器症状(胃腸炎症状)を併発することもあります。
――肺炎と風邪の違いを教えてください
風邪の場合は、喉・鼻・気管支までの上気道を中心とした感染を示しますが、肺炎は上気道からさらに奥の肺まで感染して、肺で炎症を起こした場合を示します。
そのため、肺炎の方が、発熱・咳・呼吸困難など重篤な症状が長期間続くことが多い、ということが特徴です。
編集部コメント:今後、情報収集に留意し特に免疫力の低い方は注意を
新型コロナウイルスと肺炎のリスクについて、小川智也(おがわともなり)医師に教えていただきました。
一般的なコロナウイルスと比較すると、感染力や致死率が高く、重篤化しやすいのではないかと見られています。
コロナウイルスは熱や咳など、風邪のような症状が起こりますが、肺へ感染してしまうと肺炎というものになります。
今後、小川医師の解説にもあるように、この新型コロナウイルスによる肺炎は、呼吸困難などの重篤な症状に陥る危険性があります。特に免疫力の低い乳幼児や高齢者は注意しましょう。
取材日:2020年1月23日
プロフィール
救急科専門医 MBA
2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。
国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。
2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。
2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画
自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。
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