【歯科医師に聞く】あごの成長に応じた歯列矯正!小学生以下はマウスピース矯正、中学生以上は金属を使った一般的な矯正が多い!
歯列矯正は子どものあごの成長によって治療法が異なり、小学生以下であればマウスピースを用いた矯正が多いようです。また、抜歯をするかしないかの選択も成長段階に応じて異なります。子どもの健康的な歯並び作りに力を入れている「中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師にお話を伺いました。
子どもの歯列矯正では、マウスピース矯正が多くなっています
――子どもの矯正はどのような治療法がありますか?
子どもの矯正に関しては、ブラケットやワイヤーなどの金属を用いた矯正は、実はあまり多くありません。マウスピースを使ったり、お口周りの筋肉の使い方を訓練して、子どものお口周りの成長を誘導させるという治療法が出てきています。
メリットとしては、大人の歯をできるだけ抜かないで治療をおこなえることです。あごを大きく成長させることによって歯が並ぶようになるので、そういうメリットがあると思っています。
中学生くらいになるとあごの成長がある程度終了しますので、成長したあごに合わせて歯を並べていきます。ブラケット矯正が一般的で、ブラケットという金具を歯に貼り付け、ワイヤーを使って矯正する方法を提案しています。
ブラケット矯正のメリットは、理想的な形に歯を並べることができる点です。デメリットとしては、あごの大きさに歯を並べないといけないので、どうしても歯を抜かなければいけない場合もあります。
また、後戻りを防止する為に、矯正装置を外した後もしばらく安定するまで保定装置を入れないといけないという点です。
小学生以下はマウスピース矯正
――小学生であればマウスピースを使うことが多いですか?
歯科医師によって目標となるものや治療法は変わってくるかと思います。健康的な大人、健康的な歯並びに育てることを目標にしていますので、マウスピース矯正とお口周りのトレーニングをすることで、矯正を進めていくことが多いです。
――マウスピースは毎日付けないと効果がないですか?
マウスピース矯正のデメリットは、付けなければその効果が出ないことにあります。うちで扱っているマウスピースのような装置は、起きているときに1~2時間付けてもらい、後は寝るときの装着を必須にしています。これも歯医者さんや歯科医師ごと、それぞれのシステムによっても違ってきます。
――トータルとしてマウスピースは何年くらい使いますか?
マウスピース矯正については、早い子ですと2年弱~2年くらいである程度歯並びが改善して、後戻りしないお口周りの筋肉の使い方をトレーニングで習得してもらっています。
中学生以降はブラケット矯正
――中学生以降はブラケットやワイヤーを使った治療ですか?
中学生と言っても個人差があるので、まだ成長の余地がある子に関してはマウスピースを用いた矯正もおこなっています。あごの成長がある程度終わった子は、ブラケットとワイヤーを使った矯正方法や、歯並びを動かすための透明なマウスピースを使って矯正しています。
――中学生以降は歯を抜くことも多いですか?
歯を抜くか抜かないかですが、それは親御さんやご本人の考えをできるだけ尊重しています。できるだけ抜かないで歯並びを治したいという人に関しては、できるだけそのようにこちらもプランニングしています。
ただ、全ての場合で、歯を抜かなければいいというわけではありません。きちんと健康的に食事ができる歯並びにするために、あえて歯を抜くという選択をすることもあります。
歯を抜くということはそんなに多くはありませんが、抜かないといけない場合もあるということです。
編集部コメント:子どもの成長段階に応じてアプローチ方法が異なります
「中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師に、子どもの成長段階に応じた歯列矯正の治療法について教えていただきました。
あごなどのお口周りの成長によりアプローチ方法が大きく変わるようです。違いがある分きちんと比較して、いつどのように治療を受けるのかをしっかり考えてから治療へと進んで欲しいと思います。
取材日:2019年11月28日
プロフィール
中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師
<経歴>
平成11年3月 神奈川大学附属高等学校卒業
平成11年4月 日本歯科大学歯学部入学(剣道部に所属)
平成17年3月 日本歯科大学歯学部卒業(学術優秀賞)
平成17年4月~平成22年7月 医療法人社団歯愛会 須貝歯科医院 勤務
平成22年7月~ 医療法人社団健歯会 中村歯科クリニックでの診療開始
<資格>
日本歯周病学会 認定医
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