口臭の原因は舌にこびりついた舌苔(したごけ)にもあった!
口臭は誰もが気にすることですよね。他人の口臭も気になりますが、それよりも自分の口臭は大丈夫だろうかということのほうが気になるでしょう。
時には口を覆って息を吐いて臭いを嗅いでみたり、なんて経験があるのでは?
この口臭ですが、原因は様々です。単純に口の中が汚れていたり、歯周病のせいでひどい口臭がする場合もあります。
しかし、意外と見逃しがちなのが「舌」です。実は口臭の原因は「舌」に潜んでいるかもしれません。
今回は、口臭と舌の関係についてみていきましょう!
口臭の主な原因
口臭が臭う原因は様々です。主に以下のような原因が考えられます。
●口内の乾燥によるもの
緊張して口が渇いたり、寝て起きたときに口が乾燥していたり、タバコを吸ったときなんかも口の中が乾燥しますね。
乾燥してしまうと唾液の分泌がなくなり、口内の汚れが溜まってしまいます。それが原因で口臭に繋がってしまうのです。
●歯垢・虫歯・歯周病によるもの
歯垢は細菌の集まりですから、臭いがする歯垢もあります。
また、虫歯や歯周病などの疾患によっても口臭がひどくなることがあります。細菌がウヨウヨしている状態ですから、においも強烈になります。
●その他病気によるもの
例えば、胃が悪いと息がくさくなったりします。
そうした内臓の疾患によっても口臭がひどくなることがあります。
主にこのような原因がありますが、内臓の疾患以外にも口臭に影響するのが「舌の汚れ」なのです。
舌の表面に注意!?
皆さん、鏡で舌を出してその表面を観察してみてください。
舌の表面に白い苔のようなものがこびりついていませんか?
普段から気になっている方も多いと思います。これは舌苔(ぜったい)と言うものです。
舌の細胞の角質が多くできて、そこに細菌などが溜まって白く見えているのです。細菌のほか、舌自体の皮や口の中の皮が剥がれ、溜まったものが舌苔として白く見えることもあります。
様々なものから変化する舌苔ですから、なんとなく不潔で汚いイメージですよね。この舌苔が口臭の原因になっていることもあります。
舌苔が臭いの元?
舌に着いている白い物の正体は、食べかすと細胞の死骸などですが、それに細菌が繁殖して塊を作ります。
舌の粘膜は乳頭で覆われているので、まるで絨毯のようにザラザラしています。実際に触ってみるとわかりやすいです。
ですから、ツルツルな歯の表面よりも何倍も汚れが付きやすいのです。
舌苔が原因で臭いを発している可能性もありますが、ほとんどの舌苔は取る必要がなく、除去するデメリットもありますので気をつけましょう。
舌苔はどう除去する?
舌苔をいざ除去しようとして、間違った方法で取ってしまうと、逆に舌を痛めたりしてしまいます。
よくやりがちなのが、歯ブラシで直接力強く舌の表面をコスってしまうこと。なんとなく舌苔が取れていくイメージかもしれませんが、これは逆効果ですので避けましょう。
やるのであればそっと優しく磨く程度にしましょう。
ですが、舌専用のブラシもあるので、そちらを使った方がより綺麗にとれますのでそちらをおススメします。
しかし、やりすぎると舌の表面を傷つけてしまいますし、様々な悪影響もあります。まずは味覚がおかしくなる可能性があります。また、舌苔を取り過ぎてしまうのも逆効果です。
なぜかというと、舌苔を取り過ぎることによって、身体が「もっと舌を保護しなきゃ!」と反応してしまい、それまでより早く、より多くの舌苔が作られてしまいます。
ですから、歯ブラシを使うにしろ専用のブラシを使うにしろ力を入れてこすりすぎないようにしましょう。
簡単にできる対策
わざわざブラシを買うのも面倒くさい、という人のために簡単にできる対策も紹介しておきます。
●舌の表面を上顎につけて前後に動かす
こうすることで舌の表面をあまり傷つけずに舌苔のみ取ることができます。
しかし、綺麗さっぱり取れるというわけではないのでこれにばかり頼らないようにしましょう。
舌専用ブラシで時間をかけて磨くのが本当は一番望ましいですが、時間がなくてできないときはこうした簡単で手軽にできる方法もありますので、ぜひ口臭の気になっている方は試してみてくださいね。
監修日:2019年12月25日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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