歯科医師が答える!口臭・臭いの元の舌汚れの舌苔とその除去方法とは?
年齢を重ねれば重ねるほど誰もが気にする口臭。
その口臭の原因の多くは口の中、特に舌の汚れであるというのはご存知でしょうか?
歯を磨く際に気をつけることによって大きな口臭予防の効果が得られるのです。
今回は舌の汚れの正体と対策について紹介していきます。
口臭の原因「舌苔」
口臭にはいろいろな要因がありますが、その主な成分の1つは硫化水素と言われています。
硫化水素は食べものの残りかすや剥がれ落ちた細胞が細菌によって腐敗されることによって発生します。
このような環境が舌苔にあるため、口臭の主な原因とされます。
舌の汚れの正体はこの舌苔なのですが、これができるのは病気ではなく自然なことです。
他の記事でも紹介いたしましたが、細菌は乾燥した環境で繁殖することが多いです。
すなわち口呼吸などで唾液が少ない状態や歯を磨かず食べかすの多い状態を口内で作ってしまった場合は、細菌にとって格好の環境となってしまうのです。
また風邪や体調不良などのときや消化器系に病気があるとき舌苔の量が多くなってしまうと言われています。
正しい舌苔の取り除き方
よくある絶対にやってはいけないことは歯ブラシで取り除くことです。
舌はとても繊細な器官ですので、強い力でゴシゴシと洗ってはいけません。
歯ブラシを使うと舌の表面が傷ついてしまいかえって汚れが溜まりやすくなったり、味蕾細胞という味を感じる細胞が壊され味覚障害を引き起こす危険性まであります。
絶対に歯ブラシを使うのは避けましょう。代わりに使うといいのは舌ブラシというものです。これは舌専用のブラシであり、歯ブラシよりも毛先が繊細で柔らかくなっています。
睡眠時は一般に唾液の分泌量が減りますので起床後に舌をブラッシングすることをおすすめします。また食事後のうがいも効果的です。
細菌のエサとなる食べカスをうがいで流してしまいましょう。食後のお茶も抗菌効果のあるカテキンが含まれているため効果的です。
気をつけてほしいのは正常な舌苔まで取り除ぞいてしまうことです。
正常な舌苔とは、舌の湿りを一定に保つ働きがあるほか、味蕾細胞を保護する舌苔のことです。あまりにも強く舌を磨いてしまうと正常な舌苔をも排除してしまいます。
また上皮細胞まで剥がすことになれば細胞のエサを増やす=新たな口臭の原因になってしまいます。
あくまでもデリケートな器官ということを忘れずに適切にケアしましょう。
監修日:2019年12月25日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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