あくびでアゴが痛くなったら「顎関節症」かも?自分でできる改善法とは?
ランチ後に強烈な睡魔に襲われてあくびをしたら、顎が「ガギッ」と鳴ってビックリしたことありませんか?
もしくは、ご飯を食べるときにアゴが「ポキッ」と鳴ることは? 心当たりがある方は、顎関節症(がくかんせつしょう)かもしれません。
顎関節症の患者が最近急増しており、特に20~30代の若い女性に多く見られている症状だと言われています。
軽度であれば、自然に治ることもありますし、特に生活に支障なく過ごせるので問題はないですが、もし放置して重症化してしまった場合は、めまいや耳鳴り、歯や舌の痛み、最悪の場合、口が開けられずに食物が摂れなくなったりすることもあります。
ここでは、そんな私たちの生活を脅かすかもしれない顎関節症の原因と改善方法についてご紹介いたします。
顎関節症とは?
顎関節症とは、顎の関節周りが何らかの影響で痛みや炎症、可動域の制限などが起きてしまう疾患です。症状として代表的なものは、以下の3つが挙げられます。
・顎が「ガギッ」「ポキッ」と鳴る
・口が大きく開かない
・顎、こめかみ、頬が痛む
該当する方は、顎関節症の疑いがありますので注意が必要です。
顎関節症は生活に支障が出ない軽度のものから、悪化すると食べることすら困難になる危険な疾患です。
もし顎関節症の疑いがあるならば、その原因をつきとめて改善することをおすすめします。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は、少し前まではかみ合わせの問題だと言われていました。
しかし、最近では、かみ合わせだけでなく、いくつかの原因(傾向)があることが分かっています。
特に主な原因として挙げられるのは、関節円板という顎のクッションの役目を果たす組織のずれや、食べ物を咀嚼(そしゃく)するときの「咀嚼筋」という筋肉の障害です。
さらに詳しく掘り下げると、以下のように様々な原因が積み重なっていることで、顎関節症になることが分かっています。
1 歯ぎしり・食いしばり
顎関節症の大きな原因となっているのが、歯ぎしりや食いしばり、歯を上下にカチカチ鳴らすことです。
これらを総じてブラキシズムといい、筋肉を緊張させて顎の関節に大きなダメージを与えます。ブラキシズムは無意識で行っていることが多く、精神的なストレスが大きく関係していると言われています。
2 偏咀嚼
偏咀嚼(へんそしゃく)とは、食べ物を左右のどちらか片方で極端に噛む癖のことを言います。
この癖は、片方の顎だけに大きな負担をかけることになり、顎関節症の原因になります。
3 顎や筋肉に関係する癖や習慣
うつ伏せで寝る、頬づえをつく、猫背などの習慣や癖を持つ場合も注意が必要です。
知らない間に骨盤のゆがみを招き、顎関節症の原因を生み出している可能性があるのです。
このような癖や習慣が積み重なり、最終的にあくびをするだけで「ガギッ」と鳴ってしまう顎関節症の原因となります。
もしかして顎関節症かも? 不安を感じたら即チェック!
顎関節症の疑いがある方は、まず下記の項目に当てはまるものがあるかどうかをチェックしてみてください。
顎関節症チェック
・口を開くと顎がカクカク音がして痛い
・人差し指から薬指の3本をタテに並べて口に入らない
・口を大きく開けると、耳の周りで音が(シャリシャリ)鳴る
・大きなあくびができない
・口がまっすぐ開かない(または左右どちらかに弧を描くように開く)
・固いものを食べた時に顎が痛い
・長時間おしゃべりすると顎が疲れる
こちらの項目のどれか一つでも当てはまった方は、顎関節症の予備軍、もしくはすでに顎関節症になっている可能性があるので注意が必要です。
顎関節症の改善は生活習慣から!
顎関節症になるのは、普段の生活習慣の積み重ねが大きな要因となっています。
そのため、まずは自分で改善したいという場合は、以下のような生活習慣から見直すことをおすすめします。
・食事は左右均等に強く噛まないように心がける
・高い枕や固い枕の使用を避ける
・うつ伏せ寝、極端に片方だけを向いて寝ない
・姿勢を正す
・頬づえをつかない
・長時間の会話を避ける
・ストレスを溜めない
ただし、これらの生活習慣を見直してもまったく改善が見られないとなった場合は、そのまま放置せずに病院でしっかりと診てもらうようにしましょう。
また顎関節を、人差し指から薬指の3本で押さえて口を開け閉めする「顎体操」を行うことも、改善に役立つようです。が、痛みがある場合は無理に行わないで下さい、悪化する可能性もあります。
診察のときに顎関節症は何科にいけばいいの?
顎関節症の疑いがある場合は、歯科か口腔外科にかかるのが一般的ではありますが、繰り返し顎関節症に悩まされる方は、整形外科という選択肢もあります。
ただし、顎関節症の原因は様々あるのでよく分からないという方には、まずは歯科や口腔外科で診てもらうようにしましょう。
また気になる治療費ですが、軽度であれば1万円以下で治療が可能な医院が多いです。
もしあくびで顎関節症のサインに気づいたら自分で改善することだけに執着せず、その症状が悪化する前に専門医へ相談するようにしましょう。
医科歯科ドットコム編集部まとめ
この現状、ちゃんと病名があるなんて知りませんでした。。。
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監修日:2019年12月18日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
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