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2019-12-05 掲載

治りかけても自己判断はNG!アトピー性皮膚炎の治療継続の重要性

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎 継続治療の重要性

専門的で詳細なアトピー性皮膚炎の病態などは、専門書など医師による記事を参照して頂ければと思いますが、大前提として、アトピー性皮膚炎は、医師の診察と治療を継続することが非常に重要です。
しかし、アトピー性皮膚炎は、未だ完全に治る病気ではありません。そのため、治療のゴールは、アトピー性皮膚炎の症状を落ち着かせて、その状態をいかに長期間維持していけるかになります。そのため、強調したいことは、診察、治療をずっと継続して欲しいということです。
 
理由は、きちんと治療をすれば、早く症状を落ち着かせることは比較的簡単です。しかし、それで治ったということではなく、その状態を維持することがなかなか難しいからです。維持が難しい原因はいくつかあるのですが、比較的多い原因に、症状が良くなると、患者さんが自己判断で診察に来なくなってしまうことがあります。症状が悪くなると診察に来られますが、そうなってしまうとまた1から治療を始めていかなければなりませんし、最初の症状よりも悪くなっている場合も多いので、治療が難しくなっていくこともあります。症状が良くなっても、必ず、定期的な診察を受け、治療を継続してください。それが、必ず、アトピー性皮膚炎の患者さんのためになると考えます。
それでは、治療に使用するステロイド外用剤、皮膚保護剤、皮膚保湿剤の重要性について、説明していきます。
 

ステロイド外用剤・皮膚保湿剤の重要性

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能(簡単に言うと、皮膚を外部の刺激から守ってくれて、良い状態を保ってくれる機能。)が障害されるため、炎症やかゆみが出てきます。同時に、皮膚の水分量が減るため、十分な保湿が出来ず、乾燥した状態にもなります。乾燥した状態がさらにかゆみを助長し、かゆいと皮膚を引っ掻くという行動が起こります。この皮膚を引っ掻いて傷つける行為が、さらに、皮膚のバリア機能を傷害し、乾燥させ、新たなかゆみを引き起こします。この悪循環を断ち切らなければ、いくら治療をしても、アトピー性皮膚炎はなかなか良い方向には向いていきません。
 
治療は、炎症を抑えて、かゆみを軽減するステロイド外用剤、タクロリムス外用剤(免疫調整作用)が中心になります。しかし、患者さんの中には、副作用を心配されて、長期間はステロイド外用剤を使いたくないと思われている方も多くいらっしゃいます。そのため、ステロイド外用剤を医師の指導通りに塗っていなかったり、塗る日数を減らしたりしている方も少なくありません。
 
なぜ、ステロイド外用剤のイメージがそこまで悪くなったかは分かりませんが、現在のところ、アトピー性皮膚炎の症状の悪循環を断ち切れる最も有効な薬は、ステロイド外用剤になります。定期的な診察を受けることで副作用の管理もできますので、心配なさらずに、医師と二人三脚で治療していきましょう。 
それが結果として、ステロイド外用剤の使用期間を短くでき、長期間使用することになっても、使用量を減らすことにつながりますので、副作用のリスクも減らすことができます。
 
しっかりと治療することで、症状が落ち着けば、ステロイド外用剤を使用しなくても、皮膚保護と保湿だけを十分に行うだけでよい状態を維持することは可能です。皮膚の保護と保湿に関しては、治療を始めた時から行っていきますが、ステロイド外用剤同様、症状を落ち着かせるためには欠かせません。
保湿剤の重要性は、皮膚が乾燥してしまうと、かゆみを助長し、悪循環から抜け出すのが難しくなってきますので、十分な保湿を行って、乾燥を防ぐことは非常に重要です。保湿が不十分だと症状もなかなか良くなってきません。
 

皮膚保護剤の重要性

皮膚保護剤は、角質のバリア機能の回復を補助する作用があります。アトピー性皮膚炎は、角質のバリア機能が障害されているので、外部の刺激に過敏になっています。症状を良くするためには、外部の刺激を軽減し、角質のバリア機能を回復させる必要がありますので、皮膚を保護することも非常に重要なことになります。
 
皮膚を保護する主な外用剤は白色ワセリンやプロペトになります。しかし、これらはほとんどが油分でできていますので、広範囲に塗るとベタベタする、洋服が汚れる、伸びが悪いなどの理由でなかなかきちんと塗れないといったことを、よく患者さんから聞きます。十分に塗れないと、不十分な皮膚保護作用しか発揮できず、角質のバリア機能をなかなか回復させることができず、症状もなかなか良くなりません。
スキンケアでは、皮膚保護剤と保湿剤の両方を全身に十分にきっちり塗ることが症状を良くするためには重要です。
 
しかし、処方薬で、皮膚保護と保湿を両立させるとなると、最初に保湿剤を塗布して、その後、皮膚保護剤を塗布することになり、面倒でなかなかきっちり塗れないとか、上述したように、ベタベタするし、伸びないから上手に塗れないなどの声を聞くことがあります。
治療のステロイド外用剤も皮膚保護剤も保湿剤も必要な部分に、必要なだけ、しっかりと塗れていなければ効果的ではありません。
 
皮膚保護剤の塗りにくさと2種類(保護剤と保湿剤)の外用剤を別々に塗らなくてはいけない煩わしさがどうしても嫌という方は、医薬品ではありませんが、市販でもあります。
これは1つで、皮膚保護と保湿の両方ができること、また塗った後はべたつかず、伸びも良いのでしっかりと全身に塗れますので、試しても良いと思います。
 

まとめ

最後に、アトピー性皮膚炎はきちんと治療に取り組めば、必ず、良くなってきますので、医師との二人三脚で治療していき、患者さん自身も自宅でしっかりと外用剤を塗る、皮膚保護、保湿をしっかりと面倒くさがらずに行ってください。
 

プロフィール

 
松田 就人 医師
 
慶應義塾大学病院 麻酔科勤務を経て、その後、慶應義塾大学病院 形成外科勤務。
在院中に慶應義塾大学大学院にて医学博士取得。
その後、米ハーバード大学医学部ブリガム&ウィーメンズ病院 形成外科に留学。
現在、医療法人社団 松慶会 理事長兼総院長として、
赤坂メディカルMクリニック(美容皮膚科、皮膚科、形成外科)、
赤坂一ツ木通りクリニック(内科、循環器内科)にて、診療に従事。
医科医師執筆松田 就人 医師
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