【医師に聞く!】国民病!?皮膚のカサカサと痒みで悩む… 乾皮症と皮脂欠乏性湿疹について解説
秋冬の乾燥した時期になると発症しやすい皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)や乾皮症(かんぴしょう)。
皮膚のカサカサと痒みに悩まされる人も多いのでは?
日頃の生活で気をつける点や肌ケアの方法について、はなふさ皮膚科クリニック 理事長 花房火月(はなふさひづき)医師に教えていただきます。
皮脂欠乏性湿疹と乾皮症について教えてください
皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)や乾皮症(かんぴしょう)というのは、これは国民病といっていいほどの病気で、若い方にも多いし特に高齢者になると80%、90%という可能性で発症する疾患です。
どういった症状かというと、特に足の脛(ひざ)に多くてカサカサして痒くなってくる、それが乾皮症です。
また、徐々に赤くなって場合によってはブツブツができる、という症状は皮脂欠乏性湿疹です。
乾燥肌から湿疹になってしまった状態といえると思いますね。
あと足だけではなくてズボンが擦れる腰のあたり、腕なんかも比較的多くみられます。
治療法や気をつけるポイントを教えてください
乾燥肌からきていることは明らかなので、とにかく入浴後にしっかり保湿すること、1日の中においてもしばしば保湿することでかなりの部分は避けることができるように思います。
あとは熱いお風呂に入ったりすると症状が悪化しやすいので、少しぬるめのお風呂に入ってゴシゴシ身体をこすったりせずに手で優しく洗うように習慣づける、といったことで防ぐことができます。
最近はかなり知られてきていると思うのですが、泡立てた石鹸で優しく手で触れるか触れないかの強さで洗うだけでじゅうぶんに汚れが落ちることがわかっていますので、それ以上ゴシゴシこすることは無意味である、もしくは有害であると考えてください。
そもそも石鹸というのは泡立てた泡で汚れを落とすようにつくられているものなので、ゴシゴシこする必要はなくて、泡で汚れを浮かせて取ることがもともとの正しい石鹸の使い方になります。
またウールや一部の化学繊維など刺激の強い衣類を避けて、コットンの素材のものを下着として着用していただくと症状が軽減されるでしょうね。
皮脂欠乏性湿疹の治療について教えてください
皮脂欠乏性湿疹は、まず通常であればひたすら保湿を行うことで改善させることができます。
もし症状が強くてはっきりと湿疹になってしまっている、痒みが非常に強くて眠れないという場合は、ステロイドの付け薬(塗り薬)や抗アレルギー薬、痒み止めのお薬を飲んでいただくことがあります。
医科歯科ドットコム編集部コメント
皮脂欠乏性湿疹や乾皮症は「乾燥肌からなることは明らかなので、とにかくしっかり保湿することが大事」と花房火月医師。
お風呂で身体を洗うときにはゴシゴシこすらないように気をつけたいですね。
秋から冬は特に乾燥が気になるので、1日のなかでもマメに保湿して肌ケアしましょう。
取材日:2019年10月4日
▶皮膚科における低侵襲手術について
プロフィール
花房 火月 医師
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗』
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