【薬剤師に聞く】頭痛のとき、妊婦や子どもが服用できるお薬とは?
頭痛や腰痛、腹痛など、生活の中で生じる様々な痛みを軽減してくれる痛み止めの薬ですが、どのように選んだら良いでしょうか?
特に妊娠中の方やお子さんがいらっしゃる方は、薬の服用について不安を抱えていると思います。
妊娠中や子どもでも服用できる薬の選び方について、「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏にお話を伺いました。
妊婦や子どもが服用できる薬「アセトアミノフェン」
――痛み止めの薬には色々な種類がありますが、どう選んだらいいですか?
「ロキソプロフェン」、「イブプロフェン」、「アセトアミノフェン」などがメジャーな薬です。これらは痛み止めとしての効果が高く、強い頭痛や腰痛などにいいと言われています。
「アセトアミノフェン」の良いところは、妊婦さんや授乳中、お子さんでも安心して使える薬ということです。「ロキソプロフェン」でも、妊娠後期でなければ問題ないと言われていますが、少し心配ですよね。
大丈夫とは言え、妊娠28週目以降は飲んではいけないと言われると、正直怖いと思います。「アセトアミノフェン」の方が安全性は高いので、妊娠中の方には、こちらを勧めることが多いですね。ただし、痛みの程度にもよります。
授乳中に使える薬としては「アセトアミノフェン」、「イブプロフェン」、「ロキソプロフェン」は国立育成医療研究センターの「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」のリストに掲載されています。
そのため、痛みが軽い場合には「アセトアミノフェン」を勧める場合がありますね。
――「アセトアミノフェン」は子どもにも使える薬ですか?
1歳くらいから使える「アセトアミノフェン」のお薬があります。服用のしやすさを考え、飲むタイプの薬のほか、坐薬(ざやく)なども選択肢としてあります。
お子さんだとなかなか飲むことが難しいので、坐薬の方が使いやすいということです。
――病院の院内処方では、坐薬(ざやく)を処方されるケースが多い?
病院では採用薬が決まっていて、町の薬局ほど扱っている品目が少ない場合があります。
例えば、痛み止めは3種類しかなく、その中から選ぶことになるので、飲み薬の中に効かせたい成分がない場合、坐薬を処方することもあります。
薬を選ぶポイントは、患者さんが何を一番気にしているか
――強い痛み止めの薬はありますか?
「アセトアミノフェン」と比べると「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」の効果は強い傾向にあります。ただし、胃障害などのリスクもあるので注意が必要です。
また、薬というものは、プラシーボ効果もあると思いますが、患者さんによって合う、合わないがあります。ご自身に合った薬を探すのも良いことだと思います。
――薬剤師目線で、薬を勧める基準は何ですか?
患者さんが何を一番気にしているかを聞くようにしています。例えば、強い薬がいいのか、副作用を気にしているのか、いつでも飲める薬がいいのかなどです。
痛み止めに限らず、どこを一番重視するかを基準に選んでいます。特に女性の方は、副作用など気にされると思うので、「アセトアミノフェン」を勧めることが多くあります。
また、インフルエンザのときの解熱剤として使える薬は、「アセトアミノフェン」の一択になります。
医科歯科ドットコム編集部コメント
「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏に、薬の選び方について教えていただきました。
「アセトアミノフェン」という薬は、妊娠中や子どもでも服用することができるそうです。薬選びの参考にしてみてください。
また、小さなお子さんへの服用の方法で坐薬(ざやく)が多い理由は、口から飲むことが難しい場合でもしっかり服用できるようにという工夫なのですね。
<参考>プラシーボ効果
取材日:2020年1月31日
プロフィール
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事(https://minacolor.com/)の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画
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