【薬剤師が解説!】 薬局で買える「花粉症の薬」って効果あるの?子供も服用できますか?
―薬のことなら薬剤師に聞け!「花粉症の薬」について教えてもらいました
春は悩ましい花粉症の季節です。薬に頼る方も多いと思いますが、花粉症の薬とはどのようなものでしょうか?
また、ドラッグストアなどの薬局で買える薬はどんなものがあるでしょうか。
やっぱり薬のことを聞くなら薬剤師さんでしょう~、ということで 今回は㈱ミナカラ 薬剤師 児玉亮二さんに教えていただきました。
Q:そもそも花粉によるアレルギー症状とは何ですか?
アレルギー症状というのは、アレルゲンという刺激物への反応ですが、身体を守ろうとして鼻水やくしゃみなどを過度に出してしまうことです。免疫が過度に働き過ぎてしまって症状が出てしまう状態になります。
Q:花粉症によく使われる薬には、どんなものがありますか?
一般的に花粉症に対して使われている飲み薬の多くは、「抗ヒスタミン薬」というものです。
くしゃみや鼻水が出る引き金(トリガー)になる化学伝達物質のひとつを”ヒスタミン”といいますが、そのヒスタミンの受け皿になる部分にヒスタミンがくっついてしまうと、アレルギー反応が起こってしまいます。
つまり、抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの受け皿にふたをする役割をします。
Q:市販薬ではどんな薬がありますか?また、眠くなりにくい薬についても教えてください
「抗ヒスタミン薬」には第2世代といって眠くなりにくいと言われるものがあるのですが、市販薬ですと「アレグラ」や「アレジオン」、「クラリチン」などがあります。
市販薬がなくて処方薬しかないものだと、オロパタジン、レボセチリジンなどが入っているお薬が該当します。花粉が飛びはじめる前から慣らし運転として飲みはじめるとよいでしょう。
花粉が少し飛びはじめてからでも全く効果がないわけではないですが、なるべく早く飲みはじめる方が良いです。
【参考】薬局で購入できる病院処方と同じ成分の薬
Q:どうして薬を飲むと鼻水やくしゃみが治まるのでしょうか?
花粉が体内に入ってくると様々な化学物質が体内で作られます。それを受け取る場所は全身にあるのですが、抗ヒスタミン薬というのは、その伝達物質を途中でブロックする役割を果たしています。その結果として、鼻水やくしゃみが出なくなります。
●鼻や目、皮膚にもヒスタミンの受け皿はあります
ヒスタミンの受け皿は受容体といって全身にあります。特に多いところは脳のほかに、鼻や目といった症状が出やすいところです。肌がかゆくなるという方は、皮膚にある受容体にヒスタミンがくっついてしまうことで蕁麻疹の症状が出るので、これも抗ヒスタミン薬を服用することで症状が治まるでしょう。
Q:子供でも服用できる薬はありますか?
お子さんが使える抗ヒスタミン薬もあります。たとえば、アレグラの成分であるフェキソフェナジンが入っている薬でジュニア用として市販されているものなど、7歳から使える花粉症薬もあります。
しかし7歳未満の小さいお子さんの場合は、まずは病院を受診されたほうがいいと思います。
本当にそれが花粉症なのかが分かりませんし、うまく鼻がかめずに細菌が増殖して副鼻腔炎や蓄膿症になってしまうこともあります。ですので、その前に小児科を受診することをおすすめします。
Q:小児科ではどのような薬が処方されますか
レボセチリジンという成分のシロップがありますが、これは小学生くらいのお子さんに処方されることが多いと思います。第2世代の眠くなりにくいお薬です。
小学生未満のお子さんですと、あえて眠くなりやすいものが処方される場合もあります。その理由としては、眠くなることのデメリットが少ないためです。
お子さんは眠ったほうが落ち着いたり、症状が良くなるということが多いので、就学前でウトウト眠くなってもお昼寝ができるような年齢の子の場合は、あえて医師が眠くなりやすい薬を選ぶこともあるようです。
医科歯科ドットコム編集部コメント
「抗ヒスタミン薬というのはアレルギーの引き金となる伝達物質をブロックすることで、花粉症に対して効果がでる」と薬剤師である児玉亮二さんに教えていただきました。
アレグラのように市販で購入できる薬もいくつかあるとのことです。病院に行く時間がないときは、賢く利用してみてはいかがでしょうか。
次回は花粉症の薬につきものだと思われている服用後の眠気について、引き続き教えていただきたいと思います。
取材日:2020年1月31日
プロフィール
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中。
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う。
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画。
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