【眼科医にインタビュー】カラーコンタクトは選び方が大事!そのポイントは?
アイメイクの1つとしてカラーコンタクトを使う方も多いですよね。デザインの多様性と同じく品質も多様なようですが、カラーコンタクトを使うことにリスクはあるのでしょうか?
「とだ眼科」院長 箕田宏医師にお話をお伺いしました。
レンズの質が大事!眼科で処方できない粗悪品もある
カラーコンタクトは2つに分かれていると言えます。
1つは眼科で処方される屈折矯正用のコンタクトレンズを作っているメーカーが、きちんと安全性を確認して出している、通常のレンズと同様に目に障害を起こしにくいカラーコンタクトレンズ。
もう1つは安全性をきちんと確認せずに民間で勝手に作っている、量販店や通販、ネットで手に入るカラーコンタクトレンズです。
やはりきちんとしたメーカーが作っていないレンズの場合、目の障害を起こして来院される方がいらっしゃいます。
角膜を傷つけ感染症を引き起こすことも
カラーコンタクトレンズで多く起こる症状は、やはり角膜障害です。
実際角膜の上にコンタクトレンズを乗せますので、酸素不足や乾燥、角膜に傷をつけてしまったりすることがあります。
また傷ついた箇所に炎症を起こし、酷い場合にはばい菌感染してどんどん視力が悪くなるような後遺症を残す角膜炎などの感染症にかかっている方もたまにいらっしゃいます。
異常が出てないか定期的にチェックが必要
眼科で扱っているコンタクトレンズの会社が出しているカラーコンタクトレンズであれば、普通のコンタクトレンズと目にかかる負担は同じ程度だと思います。
市販のレンズなども、使ってすぐに異常がでる人もいれば、大丈夫な人もいます。
使い方でも、かなりいい加減に使い続け何年も眼科に掛からなくてもずっと異常がないという方もいれば、ちょっとしたことで目の障害が起きてしまう方もいますので、その人の目の相性などもあります。
ですのですべて悪いとは言いませんが、市販のレンズを使う時は特に、定期的に目に異常を引き起こしていないかというのはチェックする、というのが必要です。
不安があったら眼科にかかるという選択を
正しく使っているから絶対に安心ということはありません
市販のカラーコンタクトレンズは、正しくきちんと使っていてもトラブルが起きるときはあります。
これは眼科で処方できる安全性の高いレンズでも起こりうることですが、頻度が異なります。やはりきちんとした作りをしていないレンズですと無理のない使用法でもトラブルの頻度が高いのです。
もちろん無理な使い方が原因のトラブルも多いと思いますが、無理をしたときが悪かったのか、正しく使ったときに起きたのかは分からない場合も多いです。
なぜならコンタクトレンズの障害というのは、重症化しないと気付かないことが多く、調子が悪くても多少無理して使ってしまうことが多いためです。
我慢しすぎるとクリニックでは手に負えない事態になることも
目の健康に気を付けている方は少し調子が悪いと感じたらすぐに眼科にかかる為、問題があれば早期に対応ができます。
ですが、なかなか普段時間がなくて眼科に行けないし、コンタクトレンズはしないといけないし、という方は往々にして、しばらく調子が悪いままコンタクトレンズを使い続け、じわじわと悪化して耐えられなくなってからやっと眼科にいらっしゃいます。
しかしその時にはもうかなり重篤な障害を起こしていて、いわゆる町医者では対応できずに、大学病院などで特殊な治療をしないと治らないというような方もいらっしゃいます。
軽くても頻繁に症状が出たら受診をしてください
― ソフトタイプのコンタクトレンズを外す時傷んだら受診すべきですか?
断定はできませんが、コンタクトレンズをされている方は往々にして目がすごく乾いているので、そういった目の渇きが酷くなるとそのような症状が出る可能性があります。
ですので調子が悪い時はコンタクトレンズを外してみて、それで治まるのであればそれ以上の処置が必要ないかと思われます。
逆にもし、コンタクトレンズを外しても症状が改善しない、またはそのようなことが頻繁に起こるようでしたら、眼科を受診して目に異常が起きていないかをチェックすることをおすすめします。
医科歯科ドットコム編集部コメント
つい気軽に使ってしまうコンタクトレンズですが、目に直接入れるものですので、リスクが高いレンズはできるだけ避けていきたいものですね。
また、目がおかしいなと感じたら悪化を待つよりも用事の合間にでも眼科に行かれることがおすすめです。
取材日:2020年1月20日
プロフィール
箕田 宏 医師
<経歴>
東京医科大学卒
北海道大学医学部癌研 ウイルス研究生
市立根室病院 眼科部長
東京医科大学 医学部医学科臨床医学系眼科分野 客員講師
<専門分野>
眼感染症
ぶどう膜炎と網膜硝子体疾患
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