食後に胸やけがする…もしかしたら逆流性食道炎なのかも?【ワンポイント予防を解説】
最近下記の症状はありませんか?
その症状は、もしかしたら『逆流性食道炎』かもしれません。
逆流性食道炎は、食欲低下や寝つきの悪さの原因になることがあります。
●食後に胸やけがする
●酸っぱいものがこみ上げてくる
●食後にゲップが頻発する
●慢性的な便秘がある
●うつむいたり、お腹を圧迫するように寝ることが多い
●ストレスで過食することがある
●猫背である
●のどにイガイがした違和感がある
逆流性食道炎は高齢者に多いとされている病気でしたが、最近は若い年齢層にも多い病気として注目されいます。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃の中で消化中の胃液と食べ物が混ざりあったものや胃液そのものが食道に逆流する病気です。
逆流した胃液は強い酸性なので、胃液によって食道の粘膜が荒れたり、潰瘍ができたりします。
逆流性食道炎の主な原因は、ちょうど食道と胃のつなぎめにあたる下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)の筋力低下です。
普段は、この下部食道括約筋が胃液の逆流を防ぐのですが、筋肉が加齢などによってゆるんでくると、胃の中のものが食道に戻るという現象が起こります。
加齢による筋力低下が原因と考えられていたので、これまでは高齢者の病気とされていましたが、最近では若い人にも増えています。
どんな人に多いの?
①食べすぎや、早食いする人
食べすぎたり、早食いをするとゲップが出ることがあります。
それは食べ物と一緒に飲み込んだ空気を出すために食道と胃のつなぎ目にある噴門が開くためです。
そのため空気と一緒に胃酸が逆流しやすくなります。
②脂肪分の多い食事が多い人
脂肪分の多い食事をとると脂肪の消化に関わるホルモンである「コレシストキニン」が分泌されます。
肉類、揚げ物、乳製品、スイーツなどを取りすぎるとホルモンの作用によって噴門が開き、ゲップや胃酸の逆流を引き起こす原因となります。
③飲酒や喫煙する人
飲酒は胃酸の分泌を高め、噴門を緩める作用を持っています。
また、ニコチンにも同様に噴門を緩める作用があります。
さらに、胃の働きが弱まるため、胃酸の逆流をひき起こしやすくなります。
④食べたあとすぐに横になる人
食べてすぐは消化するために胃が活発に動いています。
そのとき横になっていると、逆流した胃酸が重力で戻ることができないので、食道に留まった胃酸によって炎症が発生しやすくなります。
⑤お腹が圧迫されている人
圧迫されて胃に圧力がかかると胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
例えば、姿勢(猫背、前かがみ)体型(肥満体型)服装(お腹を締め付けるような服装)など、外的要因です。
⑥ストレスがたまっている人
人は、リラックスしているとき副交感神経が優位に働き、胃腸の消化吸収が活発になります。
逆にストレスを感じているときは交感神経が優位に働き、食道や胃の活動が弱まります。
食道や胃の活動が弱まると噴門が緩まり胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
どのようなことを注意しなければいけないのか?
まずは食生活、脂っこい食事やスイーツなど甘いもの、香辛料や酸味の強いものなどもとりすぎないように注意しましょう。
あとはお腹を圧迫しないように注意してください。
長時間お腹を締め付けたり、姿勢による圧迫に気を付けましょう。
食後3時間は胃の内容物が逆流しやすくなっています。
すぐに横にならないようにしましょう。
ワンポイント予防!
①下部食道括約筋をゆるめない食事
油分が下部食道括約筋に与える影響を調べた調査では、オリーブオイルは下部食道括約筋をほとんど緩めないという結果があります。
オリーブオイルを使用した料理は食後に胸焼けなどの症状もほとんど出ません。
便秘を改善する効果もあるオリーブオイルは消化に負担もかけないため、積極的に取り入れていきましょう。
②お腹の圧迫
日常生活をおくる中で姿勢に注意しましょう。とくに猫背はお腹を圧迫するので逆流性食道炎になりやすくなってしまいます。
姿勢に注意するだけで血流も良くなります。
深呼吸やストレッチをして意識することで良い姿勢を保つようにしましょう。
また、洋服やコルセットなど外的要因での圧迫もできるだけ避けましょう。
便秘
便秘によるお腹の圧迫も逆流性食道炎の原因になります。
常習性便秘症の約10%の人に逆流性食道炎の症状がみられます。
便秘で常にお腹が張った状態になると若い人でも逆流性食道炎になりやすくなることが分かっています。
食物繊維をしっかり取るなど便秘の改善を心がけましょう。
逆流性食道炎は放置すると潰瘍に進行したり、潰瘍から食道がんになるリスクも高くなります。
「まだ症状がないから大丈夫!」と言わずに、普段の食生活や姿勢を見直してみてはいかがでしょうか?
プロフィール
水野 恵梨香 看護師
現在東京トータル美容クリニックに勤務。
幼少期アトピーで悩まされ肌にコンプレックスを抱き美容業界へ。
元エステティシャンであり社会人経て、東北大震災をキッカケに看護学校へ入学。
消化器内科・腫瘍内科を経て美容クリニックで介助や施術を行っている。
その他、美容や健康のコラムを執筆。
美容を健康面から考え役立たずに立てる情報を発信できるようにします
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