【形成外科医に聞く】いかにもやってそうな『ヒアルロン酸顔』にならないために知っておきたい5つのコト
芸能人などがよく受けているという「ヒアルロン酸」注射。
しわの改善など、アンチエイジングに効果があると聞きますが、不自然な印象になったりしないか心配・・・と思う方もいるでしょう。
今回は、ヒアルロン酸を使った治療の内容や受けるタイミングについて「あらおクリニック」院長 荒尾直樹先生にインタビューしました。
1.いわゆる『ヒアルロン酸顔』にならないためには。自然に見せるポイントとは?
ヒアルロン酸を入れる際に見た目が不自然になってしまうパターンは2つあります。
1つは入れ過ぎ、もう1つは入れる場所を間違えている、ということです。
ヒアルロン酸を入れると見た目が良くなるので、患者さんから「もっと入れてほしい!」というご要望が出てきますが、そこでちゃんと医師が「これ以上入れると変になりますよ!」と止められるかが重要です。
そのまま止められないと、『ヒアルロン酸顔』と言われるようなちょっと入り過ぎた、ボリュームの出過ぎたお顔立ちになってしまいます。
またヒアルロン酸を入れて良くなる場所は決まっているので、適切な量を適切な部位に入れる医師のセンスとテクニックがないとおかしくなっていきます。
2.自分に合ったヒアルロン酸を選んでもらうことが大切!
現在、日本国内にはヒアルロン酸は非常に多くの種類があります。
私もその中から自分で良いと思うものを選りすぐって使用しています。
ヒアルロン酸にはそれぞれ特徴があり、鼻や顎には、すごく硬くて鼻筋が太くならないようなもの、ボリュームを出すのが得意な持ち上げる力が強いものや、また細かいしわには滑らかでなじみやすいものなどがあります。これらを考えていくと、私は数多くある中から20種類くらいを使い分けています。
そのため、カウンセリングの際に医師に見極めてもらうことが大事になります。患者さん自身に合ったヒアルロン酸を適切に使っていくということが非常に重要になってきます。
3.主な治療の流れとは?
①問診
まず患者さんに問診をして診察室に入ってこられたら、問診表を見ながらどこがお悩みなのかというのを改めて伺います。
「ここのほうれい線が気になる!」「しわが気になる」あるいは「たるみが気になる」などいろんな心配事があると思いますが、ヒアルロン酸以外でも、糸の治療や機械の治療もあるので、どの治療が適切かも含めて問診をしていきます。
②治療箇所の決定
患者さんの希望をしっかり受け止めながら、ヒアルロン酸を入れるのはここがいいでしょう、もしくはこの手技がいいでしょうとお話をして、具体的な場所や本数を決めていきます。
③麻酔
②で治療箇所を決めてから治療の部屋に移動しまして、まずは麻酔をします。
主にヒアルロン酸は、当院ではカニューラという先のとがっていない針を使って治療していますので、これの入るだけの穴を片側に1~2箇所あけます。そしてそこからヒアルロン酸を注入します。
麻酔をするのは痛み止めの意味と、他に血管を収縮させる成分が入っていますので、内出血を少なくすることができます。
カニューラも同じく先がとがっていない針なので血管を傷つけるリスクが非常に低く、また何回も刺さずに1つの穴から色んなところへ皮膚の下を通って注入ができる為、内出血や痛みを少なくできるメリットがあります。
④施術
ヒアルロン酸をある程度入れ終わったら鏡を見ていただいて、患者さんが満足されたかというのを確認してもらい終了となります。
この時点で、良くなっているけど他ももう少しやってみたい、という方には追加も可能になります。
4.ダウンタイムは出血の有無で決まる!気になったら自分で揉みほぐさず診察へ
出血が施術の時点でなければ、ダウンタイムはありません。
ダウンタイムがでるのは針穴を開けるときに出血がある場合です。
また表面的なしわを消したい場合はカニューラを使わず普通の針で皮膚の中にさしていくので、この場合は内出血のリスクが高まります。
内出血が出た場合は、だいたい1週間くらいかけて徐々に消えていきますので、女性であればお化粧で隠していただく、あるいはマスクで隠していただくようになります。お化粧は次の日からできます。
気を付けなければいけない点は、通常ヒアルロン酸の位置が何かをして大きく動くということはありませんが、使用した部位を無理にご自身で揉みほぐすなどはしないで、何か気になることがあったらすぐにクリニックへ診察に行くというのが一番です。
特におでこの横ジワにヒアルロン酸を入れた場合、たまに1日~2日ミミズ腫れのようにでこぼこすることがあります。
それは馴染ませて消すことができますので、来ていただければと思います。
5.施術のタイミングはイベントのある2週間前に受けるのがベスト!
ヒアルロン酸治療は、大事なイベントの2週間前までに終わらせておくのがベストです。
それは、もし内出血を起こした場合に目の周りは意外と長引くことがあるので余裕をもって2週間が良いです。
またヒアルロン酸を入れた直後、若干身体の中の水分を吸ってボリュームアップするタイプのヒアルロン酸も中にはあるので、それが落ち着くのも1週間です。
そのため、余裕を持ったスケジュールで受けていただくのがいいかと思います。
医科歯科ドットコム編集部コメント
ヒアルロン酸注射でシワを改善して自然に見せるポイントや実際の治療の流れについて、荒尾直樹先生に教えていただきました。
また、カウンセリングでしっかり自分にあったヒアルロン酸を医師に選んでもらうことも大切だそうです。
「ヒアルロン酸注射」について詳しくご説明いただき、荒尾先生、ありがとうございました。
取材日:2019年11月28日
前回のヒアルロン酸治療のリンクをここに貼る
プロフィール
<資格>
医学博士
日本形成外科学会認定 形成外科専門医
昭和大学藤が丘病院形成外科 兼任講師
美容レーザー適正認定医(日本美容医療協会認定)
日本抗加齢美容医療学会(MBF)
<略歴>
1996年 鹿児島ラ・サール学園高等学校卒業
2002年 昭和大学医学部卒業
2002年 昭和大学藤が丘病院形成外科入局
2006年 昭和大学大学院医学研究科卒業、医学博士号取得
2007年 佐賀大学医学部附属病院形成外科 助教・外来医長 (文部教官)
2008年 昭和大学藤が丘病院形成外科
2009年 青山ラジュボークリニック院長就任
2012年 横浜市青葉区にて、あらおクリニック開業
<所属学会>
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本美容医療協会
国際美容外科学会(ISAPS)
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