MENU
CLOSE
  • 医科
    • 医師インタビュー
    • 医師コラム
    • 医師アンケート
    • 医師監修コラム
    • ネット予約できる医院一覧
  • 歯科
    • 医師インタビュー
    • 医師コラム
    • 医師アンケート
    • 医師監修コラム
    • ネット予約できる医院一覧
2020-03-19 掲載

【内分泌内科医に聞く】妊娠と「バセドウ病」妊娠する前と妊娠中に気をつけることはありますか?

 
若い女性に多いといわれる「バセドウ病」。
 
妊娠に影響することはあるのでしょうか?
 
聖路加国際病院や表参道の伊藤病院内科に在籍していた、専門医である小菅 由果(こすが ゆか)医師に解説をしていただきました。
 
小菅由果医師

 

バセドウ病と妊娠について。気をつけることはありますか?

まず、バセドウ病の診断を既にされていて薬で治療をしている人については、大前提として甲状腺のホルモンがものすごく高い状態で妊娠しないように、妊娠する前に甲状腺のホルモンを安定させることが大事になります。
 
基本的には、妊娠中はバセドウ病が落ち着いてくることが多いです。
甲状腺のホルモンの抗体が下がってきて病気として妊娠中は落ち着き、そして出産のあとで、特に半年前後を境にまた再発してくる、そういった経過をとるかたが非常に多くいます。
 
妊娠中は基本的にはバゼドウ病が落ち着いてくる方向にはなるのですが、もともと妊娠したときに甲状腺のホルモンが非常に高い状態だと流産などの原因にもなるので、これから妊娠を希望するかたは、まず甲状腺のホルモンを安定させることを目標にしていただきたいと思います。

 

妊娠の超初期は特に気をつけましょう

また日本や世界のデータでもあるのですが、甲状腺の薬のうちメルカゾールというごく一般的に使われている薬ですが、これを妊娠のいわゆる超初期である5週から9週のあたりで内服していると、胎児に対して奇形や障害が及ぶ可能性が高くなるといわれています。
 
なので、メルカゾールという一般的な薬で治療していて、かつ妊娠を希望しているかたに関しては、主治医の先生と相談してチウラジールやプロパジールという、両方とも同じ成分の薬になりますが、それらの薬へ変更していくことを相談してみてください。

 

チウラジールやプロパジールの胎児への影響について

メルカゾールに比べればチウラジールやプロパジールのほうが胎児への影響が出にくい、というデータがでていますので、特に妊娠の初期に関してはチウラジールやプロパジールへの変更が必要になります。
ただ、妊娠検査薬で分かる頃、という時期はすでに妊娠5週から9週を過ぎていることもあるので、もともと妊娠を希望した時点で、妊娠の可能性がでてくる前に薬を変更することが非常に重要になります。
 
また、妊娠中は基本的には病気が安定して良くなり落ち着く方向にいくかたが多いのですが、それでもTRAbという抗体が高い値になると、その抗体が今度はお腹の赤ちゃんに影響して新生児バセドウ病といって、出産したときに赤ちゃんにバセドウ病の症状がみられてしまうということもあります。
 
どんなに症状が落ち着いていても妊娠中はしっかり掛かりつけ医を受診して、抗体の値やホルモンの値をチェックしてもらったほうがいいと思います。
 
結論として特に注意していただきたいことは、既にバセドウ病の治療をしているかたは、まずはホルモンの値を安定させてから妊娠していただくということと、薬を事前に変更するということですね。
これが非常に重要になると思います。

 

妊娠してから初めてバセドウ病と診断される場合はありますか?

妊娠したあとにバセドウ病と診断されたかたに関してですが、じつは妊娠初期の場合は、どんなに正常な妊娠であっても、甲状腺のホルモンが一時的に高くなることがあるんですね。
 
これは正常な妊娠でも起こるのですが、甲状腺ホルモンが一時的に高くなることで、バセドウ病と間違って診断されてしまい、薬が処方されてしまうこともあるので、産婦人科などで甲状腺のホルモンが高いと言われたら専門医を受診して、それが本当にバセドウ病なのか、それとも正常な妊娠の過程の一部なのか、というところをしっかり診断してもらったほうがいいと思います。
 
もしそれで本当にバセドウ病と診断がついた場合には、妊娠に影響のない薬を用いてバセドウ病の治療をしていくことになります。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

既にバセドウ病の治療をされているかた方は、ホルモンの値を安定させてから妊娠に望むことが大切だと教えていただきました。
また、「妊娠がわかる頃というのは、既に妊娠5週~9週であることが多いので、妊娠を希望した時点で、妊娠する前に薬を検討することも重要です。」と小菅医師。
 
今回は7回に渡って、バセドウ病について専門医の小菅由果医師に教えていただきました。

 
取材日:2019年10月17日
 

プロフィール

小菅 由果医師
元聖路加国際病院内分泌代謝科
元伊藤病院内科
日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本甲状腺学会甲状腺専門医
医科医師医師取材小菅 由果 医師バセドウ病コラム
  • トップ
  • 医科
  • 【内分泌内科医に聞く】妊娠と「バセドウ病」妊娠する前と妊娠中に気をつけることはありますか?

人気記事

  • 1
    ロキソニンとお酒との組み合わせは胃粘膜へダメージ【薬剤師から注意】
    医科薬剤師成田 理恵薬剤師ロキソニン痛み止め
    2020-03-30
  • 2
    【薬剤師に質問】「スギ花粉症」の薬で太ることはありますか?持病が悪化する場合とは?
    医科薬剤師児玉 亮二 薬剤師抗ヒスタミン薬スギ花粉症花粉症
    2020-02-29
  • 3
    【内分泌内科医に聞く】多くの芸能人やスポーツ選手が公表している「バセドウ病」とは?
    医科医師女医医師取材小菅 由果 医師バセドウ病コラム
    2020-03-09
  • 4
    【薬剤師に聞く】「高血圧」風邪薬でさらに血圧が上がるリスク!?葛根湯なら大丈夫?
    医科薬剤師成田 理恵薬剤師市販薬漢方薬風邪薬高血圧コラム
    2020-03-08
  • 5
    【薬剤師が解説】風邪薬で便秘になることがある!
    医科薬剤師成田 理恵薬剤師便秘風邪薬鼻炎
    2020-03-14
もっと見る

医師インタビュー

  • 顔のホクロ・シミを除去する方法とは?レーザーで除去する時代【皮膚科医に聞く】
    医科医師女医医師取材吉田 貴子 医師シミホクロコラム
    2020-03-31
  • 花粉症シーズン後半戦!薬はずっと服用するべきか?【耳鼻科医が解説】
    医科医師医師取材國井 直樹医師耳鼻咽喉科花粉症アレルギー
    2020-03-31
  • 気持ちを健康に保つ5つの行動【英国NHSの提唱を産業医が解説】
    医科医師医師取材津田 健司 医師メンタルヘルス新型コロナウイルスコラム
    2020-03-31
  • これは病気です!胃の不調「機能性ディスペプシア」【医師が解説】
    医科医師医師取材間嶋 崇 医師機能性ディスペプシア
    2020-03-30
  • ピアスのトラブルとは?自分で開ける場合と医院で開ける場合【皮膚科医に聞く】
    医科医師女医医師取材吉田 貴子 医師ピアスコラム
    2020-03-30
もっと見る

医師コラム

  • 【現役医師が教える!】スキー&スノボで日焼けして後悔したことないですか?将来の健康のため日焼け止めクリームの正しい選び方&塗り方
    医科医師医師執筆松田 就人 医師
    2020-01-20
  • 【つめのトラブルで悩んでますか?】現役医師が爪のトラブル対策を教えます
    医科医師医師執筆松田 就人 医師
    2019-12-06
  • 治りかけても自己判断はNG!アトピー性皮膚炎の治療継続の重要性
    医科医師執筆松田 就人 医師
    2019-12-05
もっと見る

医師監修コラム

  • 【第6話】嵐を呼ぶ?関西天然娘!
    歯科歯医者医師監修歯科マンガ歯医者マンガ漫画マンガコラム
    2020-03-02
もっと見る
今すぐ病院を探す
ネット受付(24時間受付中)
電話問合せ(無料通話)
今すぐ歯医者を予約
ネット予約(24時間受付中)
電話予約(無料通話)
医科 カテゴリー 一覧
部位
科目
症状
病名
医療従事者インタビュー
医師監修コラム
医師コラム
医師インタビュー
医師アンケート
人気記事
ネット予約できる医院一覧
歯科 カテゴリー 一覧
部位
科目
症状
病名
医師監修コラム
医師コラム
医師インタビュー
医師アンケート
人気記事
ネット予約できる医院一覧
  • お問合せ
  • よくある質問
  • 掲載ガイドライン
  • 利用規約
  • 個人情報保護方針
  • 個人情報の取扱い
  • サイトポリシー
  • 会社概要
  • 病院・クリニックを探す
  • 歯医者・歯科医院を探す
CopyRight Icashica.com Co. Ltd. All Rights Reserved.