2020-02-27 掲載

歯磨きの効果倍増のPMTCって具体的になにをするの？実際の効果や値段は？

一生懸命ケアしているのに虫歯になったり、歯周病になったりしてしまうのは、細菌を付着・定着させ増殖させる「バイオフィルム」が口の中に残っているからです。

ケアの効果を高めるには、いったんすべての汚れを完全に取り除かなければなりません。

通常の歯磨きでもバイオフィルムを除去することはできますが、おすすめなのがバイオフィルム除去に有効な「専門家による機械での歯の清掃：PMTC」です。
歯磨きの効果倍増のPMTC

よく耳にするけど、結局「PMTC」って何なの？

「虫歯になったら行くところ」「歯が痛くなったら行くところ」だった歯科医院も、近年では「痛くなる前に行くところ」に変わり、日本にも欧米の予防歯科の考えが浸透しつつあります。

虫歯や歯周病の予防のため、歯の治療が終わった後も定期的なメンテナンスのための来院をすすめる歯医者さんが増えてきました。「何の症状もないのに、歯医者さんに行かなきゃならないの？」とちょっと面倒に思う人もいるかもしれませんが、治療後にきれいに落としてもらっても、虫歯菌や歯周病菌が少なくなりますが、再び増殖していきます。

細菌の塊である歯垢（プラーク）を放置しておくと「歯石」という固い物質に変わり、通常の歯磨きでは落とせなくなってしまうのです。どんなに気を付けて磨いていても、セルフケアだけで歯垢を落とし切るのは難しいもの。だからこそ、プロによる定期的なメンテナンスを受け、虫歯や歯周病の芽をしっかり摘んでおくことが重要なのです。

「PMTC」は、定期メンテナンスで推奨される「専門家による歯の清掃」のこと。
特別な機械を使って徹底的に歯垢を除去し、磨いているつもりで磨けていない歯周ポケットや歯の根の部分もきれいに磨き上げてくれる上、歯についた汚れも1本1本丁寧に落としてくれるので、「歯のエステ」とも呼ばれています。

PMTCではどんなことをするの？

気になるPMTCの手順についてまとめてみました。

1. プラーク（歯垢）の染め出し

染め出し剤（食用色素）を使ってプラークが多く付着しているところを赤色などで見つけます。
これにより歯磨きの行き届いていない部分、磨きにくい部分を確認することができます。
あわせて、磨き残しをなくすためにはどんな器具を使ってどう磨くべきか、ブラッシング指導を行います。

2. クリーニング

微粒子研磨ペーストを使用して、歯の表面や根元の部分を磨き上げていきます。
歯の表面を磨くポリッシングブラシ、歯と歯茎の境目の汚れを落とすラバーカップなどを使い、歯ブラシでは落とすことのできない汚れや着色をひとつひとつきれいに落とします。

3. 歯と歯の間を磨く

歯と歯の間の汚れを落とすラバーチップやフロスを駆使して、歯と歯の間の汚れを取り除きます。

PMTCの効果って？

汚れを取って磨くだけなら、普段の歯磨きと大差ないように思えますが、歯周病や虫歯の温床となるバイオフィルムを除去できるというのがPMTCを行う最大のメリットです。
PMTCによって完全にバイオフィルムを取り除いてからフッ素でコーティングすれば、歯磨きの効果が増し、虫歯をしっかり予防することができるでしょう。また、口臭の原因となる細菌を除去することもできます。
歯の表面に付いている汚れや着色物を取り除くことで、歯の白さや輝きを取り戻せるのも魅力です。

PMTCの費用はどれくらい？

保険診療の場合

糖尿病や骨粗鬆症など歯周病が大きな影響を及ぼす持病がある方、歯茎に外科的な処置を行った方、またそれ以外でも歯科通院中の治療の一環としてPMTCを受診することができます。
この場合、初診料やそのほかの処置費用などを含め3,000円前後で受けることができます。

自費診療の場合

自費診療であれば、期間を問わずいつでもPMTCを受けることができます。
ただし、費用は5,000円～20,000円まで幅広く、保険診療に比べると高額になることは否めません。
定期的にPMTCを行えば、虫歯や歯周病のリスクを早い段階で取り除き、口腔内をお良好な状態に保つことができます。
長く、健康な歯で暮らすために、予防の一環としてぜひPMTCを取り入れてみてください。