【あきらめないで!】歯科医師に行く!自分の歯を残すために骨再生治療が受けられなくなる前の相談が大切!
もはや国民病といえるくらい身近な歯周病。歯周病が進行すると、歯と土台の骨も炎症を起こして状態が悪化してしまいますが、場合によっては再生できる可能性があります。
そこで、「骨再生治療」や「歯周組織再生治療」の第一人者である塚原 宏泰先生にお教えいただきました。
重度の歯周病には適用外!そうなる前にまず歯科医師に相談を
初期の歯周病の場合、歯周基本治療と言って、汚れを取ったり、自分でケアすることで歯周組織はほとんど自然に回復していきます。
問題は中等度、重度と歯を支える骨がかなり溶けてしまったり炎症を起こした場合です。
中等度から重度の間の歯周病に関しては、しっかり除菌した後に歯周再生治療が適用できます。
残念ながら更に重度になった場合は、歯周再生治療の適用外となってきます。
歯周病は慢性疾患であり、国民がほとんどかかる感染症のひとつです。悪化すると生命に危険となるような重症例もあります。
そのため、かかりつけの先生をしっかり持って、ケアすることが重要です。
また歯周病は、「Silent Disease(静かなる病気)」といわれており、気が付いた時にはかなり進行しているケースが多いです。ですので、かかりつけの歯科医院で定期的にレントゲンを撮って、歯周病の程度を知ることが大切です。
しかし、その歯科医院で再生療法をやっているとは限らないので、そうでない場合は専門の医療機関を紹介してもらいましょう。
歯を残しそのまま使えるようにする!塚原 宏泰歯科医師の取り組みとは?
骨再生治療を用いて、出来る限り歯を抜かずに保存して再生させることを第一に考えています。
一般的には、根っこの病巣が親指の先くらいになると、歯を抜くということになります。
しかし、根っこの専門の先生と連携して、治療を行った後に病巣を摘出し、その骨欠損部に再生療法を応用することで、歯をそのまま使えるようにしています。その成功確率は90%を越えています。
骨を再生させるというのは手間もかかり大変なことですが、それを行うことで、歯を保存できる確率がぐっと上がります。
また、どうしても抜かないとならない場合には、別の形で骨を再生して、歯を抜いた後の歯周組織ができるだけいい状態を維持できるように心がけています。
医科歯科ドットコム編集部コメント
骨再生治療といっても重度の歯周病では適用外ということなので、そうなる前に歯医者さんに行って定期的に診てもらうことが大切だと改めて気付かされました。
取材日:2019年12月4日
プロフィール
塚原 宏泰 歯科医師
<経歴>
1989年
日本大学松戸歯学部卒業
1989~98年
東京医科歯科大学第2口腔外科勤務
1998年~
東京都千代田区にて開業
2004~15年
東京医科歯科大学顎口腔外科客員臨床教授
2012年〜
日本大学松戸歯学部顎顔面外科兼任講師
神奈川歯科大学補綴科非常勤講師
<専門医・指導医>
1997年
日本口腔外科学会専門医
歯学博士
2002年
日本口腔外科学会指導医
日本顎関節学会専門医・指導医
2009年
日本顎顔面インプラント学会指導医