【歯科医師に聞く】若い人こそ受けたい!20年後のお口を考えて「インプラント」をすすめる理由とは?
インプラントという治療法は近年どんどん周知が進み、言葉だけは見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
実際のところ、どのように行うのか、インプラントの何がいいのか、など基本的なことからインプラント治療専門クリニックを持つ、医療法人Imamiya Medical Alliance理事長、今宮克明先生にお話を伺いました。
QOLの意識の向上からインプラントを選択する患者さんは増加傾向!
近年、QOL(生活の質)の意識が非常に高まり、特にお食事に関しては入れ歯ではなかなか満足されない患者さんも多くなってきている傾向にあるように思います。
取り外し式の入れ歯に対して、インプラントはもともと歯を固定している歯槽骨(しそうこつ)の中に埋入して人工歯根とするため、非常に天然歯に近い状態で食べ物をかんだり、飲み込んだりが可能になってきます。
そのためQOLの維持改善という意味では、入れ歯に対してインプラントは大きな優位性を持っていると考えます。
また、固定性のブリッジは、その支えになる歯が強い圧力を受けたり、ダミー部分(歯がないところの上に橋掛けをしている部分)の下には汚れがつきやすくなります。
そのため歯周組織が炎症を起こすことがあるので、ブリッジの支えとなる歯に負担がかかることがあります。
そのため、ブリッジに対してもインプラントは、支えになる歯に負担をかけないという点において、優位性を持っていると考えます。
インプラントは隣り合う歯に悪影響を与えず負担が少ない!
両隣りの歯がご自身の天然歯の場合、ブリッジを行うためには、全面的に一定の量を削ってしまうことが多いです。
それに対して、インプラントは欠損部だけで独立した固定源をもつため、両側の歯を削ることなく、補綴(ほてつ)をすることができます。
もちろんインプラント部にかかる噛む圧力も分散されるため、ブリッジのように土台となる歯に負担が大きくかかるということは少なくなります。
若い人こそインプラントがおすすめ!若いうちから歯に負担をかけることはお口に悪影響
若い方でもお口の中の状況は様々です。20代の方でも抜歯をしなければならない場合や、不慮にして歯根が割れてしまうこともあり、誰にでも歯を失う可能性はあります。
若い方であればなおさらですが、隣の歯を削ったり、噛む圧力に対する負担が大きくなるブリッジや、また入れ歯のバネによって、固定源となる天然歯に負担をかけるような治療ではなく、インプラント治療を行うことによって、長い間にわたって総合的なお口の中のレベルが全く違ってくると思います。
若くして失った歯に対しては、インプラントで対応するということは大きな意義を持つことだと考えます。
持病のある方もあきらめずにまずは歯科医師に相談を
全身疾患のある方もまずはあきらめずに歯科医師にご相談いただければと思います。また、インプラント治療をする上で、骨の量が足りないなど条件が悪いとされている方も、「骨再生治療」によって骨の量を増やすこともできますので、まずはご相談ください。
医科歯科ドットコム編集部コメント
インプラント治療は若い方にも将来のお口の環境を考えると、むしろおススメということを知ることができました。
インプラントは見た目重視の自由診療だと思っていましたが、自分の将来を守る選択にもなりそうですね。持病のある方も含めて、まずは相談してはいかがでしょうか。次回は具体的な治療内容もお伺いします。
取材日:2019年12月19日
プロフィール
歯学博士
北海道医療大学 臨床教授
厚生労働省認可 歯科指導歯科医
東京ミッドタウンデンタルクリニック顧問
青山学院大学大学院・修士課程修了(MBA取得)
国際口腔インプラント学会(ICOI) 専門医
日本口腔インプラント学会(JSOI) 専門医
NPO法人 近未来オステオインプラント学会(IPOI)指導医
公益社団法人 日本歯科先端技術研究所 フェロー
京セラメディカルPOIインプラント公認インストラクター
日本顎咬合学会所属
ミシガン大学インプラント審美歯周外科サーティフィケィト取得
北日本インプラント研究会 理事
北海道医療大学歯学部卒