食後30分経ってからはウソ!?虫歯を防ぐには食後はやめの歯磨きを


小さい頃は、お母さんに「ご飯を食べたらすぐ歯を磨きなさい!」といわれ、テレビや雑誌などでは食後30分たってから歯を磨いた方がよいといわれ、実際のところどっちが正しいのでしょうか。
 
虫歯を予防するためには歯磨きをいつおこなうべきなのか歯科医師に聞きました。

目次

  1. いつ歯を磨けばいい?そのベストなタイミングとは?
  2. 寝る前の歯磨きが一日で最も重要!

1.いつ歯を磨けばいい?そのベストなタイミングとは?

歯科医師に以下の質問をしました。

Q:(前略)歯磨きをするといい時間やタイミングがあったら教えてください。

A:基本的には食後磨いてください!
1日2回 朝夕食後がベストです!

もしかして質問は食後30分以内に磨くと歯が溶ける〜と言われているテレビなど見られたのでしょうか?
酸蝕症のデータを元にテレビ番組で面白可笑しく報道された情報で、食後30分はお口の中が酸性になって歯のミネラルが溶け出しているから磨いちゃダメですよ!というものです!
忙しい日々の中で食後30分待ってから磨く時間なんてないでしょうし、夕食後30分待ってる間に寝てしまう。。なんてことをする方が虫歯リスクが上がってしまいます!
(後略)

引用元(一部抜粋):ミライノデンタルクリニック 安岡 大介 歯科医師 回答日:2017/10/24

歯科医師の回答によると、食後30分経ってから磨くというのは、虫歯を予防するためではありません。酸蝕症(さんしょくしょう)といって食べ物や飲み物に含まれる酸によって、歯のエナメル質を溶かしてしまうことを避けるためです。
 
虫歯も歯を溶かしエナメル質を傷つけてしまいますが、虫歯菌のえさとなる糖を分解するときに出す酸で歯を溶かします。
 
「酸蝕症」と「虫歯」の酸の違いは、歯を溶かす酸に虫歯菌が含まれているかいないかの違いです。
 
また、日本小児歯科学会の見解によると、「通常の食事をしたときには早めに歯磨きをして、歯垢とその中の細菌を取り除いてエナメル質の表面が溶け出すのを防ぐ方が重要」としています。
 
つまり、虫歯を予防する意味においては、食後30分経過してから磨くのではなく、虫歯菌が出す酸で歯が溶けないうちに歯磨きをした方がよいということになります。

〈参考ページ〉
日本小児歯科学会

2.寝る前の歯磨きが一日で最も重要!

先程の質問に以下のような回答もあります。

A:まず、絶対にそこだけは外さない方がいい歯磨きのタイミングは寝る前です。就寝中は最も口腔内の唾液の分泌量が減り、虫歯に対する抵抗力が少なくなる時間帯であるため、就寝時に虫歯菌や歯周病菌が口腔内に多いと虫歯や歯周病が進むリスクが高まります。それ以外では原則として食事をとったあと、そんなに時間をおかずに歯磨きを行えれば効果的です。

もちろん虫歯の予防には、毎食後、歯を磨くことに越したことはありませんが、一日のうちで最も重要な歯磨きは「寝る前」です。
 
殺菌作用のあるだ液の分泌量が寝ているときには減ってしまい虫歯のリスクが高まるため、寝る前の歯磨きは欠かさずおこないましょう。
 
もちろん、歯磨きだけでは落としきれない汚れもあるので、定期的に歯医者さんへ行くことも大切です。
 
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金子 諒航(Yoshikazu Kaneko)