【現役歯科医師が回答】歯列矯正で後悔しないために気を付けたいこと!矯正中の虫歯と矯正後の後戻りのリスクと対策

 
矯正をしていると歯磨きのしづらさから虫歯になってしまったり、矯正終了後に元に戻ってしまうことが心配になります。子どもの歯列矯正で気を付けるべきことについて、子どもの健康的な歯並び作りに力を入れている「中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師にお話を伺いました。
 

 

矯正中に虫歯にならないための対策

――矯正中の歯磨きで気を付けるべきことを教えてください
 
マウスピース矯正については、金具などがないので普段通り仕上げ磨きとフッ素を付けていただくのがいいと思います。
 
ブラケット矯正に関しては、金具やワイヤーが付いているので、どうしても虫歯になりやすくなるというリスクがあります。従ってより丁寧に、場合によっては歯ブラシの種類を変えるなどしながら、フッ素なども使って出来る限り虫歯にならないような対策をしていく必要があります。

 

矯正終了後に後戻りさせないための対策

――矯正終了後に元に戻ってしまうことはありますか?
 
子どもの矯正に関しては、お口周りの筋肉の使い方の悪い癖を治すことが大事です。元々人間は健康的な歯並びになる遺伝子で、健康な状態に機能すれば戻りづらいと言われています。
 
ただし、矯正が終わった後に来ていただくと、新たな癖ができて悪くなっていることもまれにあります。それに対しては、4か月に1度の歯科検診の時に確認しています。
 
ブラケット矯正に関しては、歯並びが悪くなる原因である癖や機能にアプローチしきれないところがあると思いますので、より物理的にマウスピースやワイヤーで固定するなど、後戻りしないような対策をする必要があると思います。
 
――子どもでも前歯だけの部分矯正はありますか?
 
そのように前歯の部分矯正をご希望される親御さんもいらっしゃいます。なぜ歯並びが悪くなったのか、原因をしっかりお話させていただいて、そちらに対する色々な治療法の中に、前歯だけを治すという治療法も出てくることがあると思います。
 
そういった場合は、歯を治すメリットとデメリットをしっかりお伝えしています。並びだけを直した場合では、やはり同じように歯が元に戻ろうとします。戻らないような工夫をお話させてもらって、ご本人と親御さんに選んでもらう形になります。

 

編集部コメント:虫歯になりやすいブラケット矯正は、丁寧な歯磨きが大切

中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師に、矯正中の虫歯や後戻りのリスクと対策について教えていただきました。せっかく矯正をしているのに虫歯になってしまったらとても残念ですよね。
 
ブラケット矯正の場合は、特に汚れを溜めないよう歯ブラシを選んでしっかりとしたお手入れを心がけください。
子どものうちにしっかりお口の癖や機能を治せば、後戻りするリスクは少なくなるようです。ぜひ、子どものうちに矯正治療を検討してみてはいかがでしょうか。

 
取材日:2019年11月28日
 

プロフィール

中村歯科クリニック 院長
中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師
 
<経歴>
平成11年3月 神奈川大学附属高等学校卒業
平成11年4月 日本歯科大学歯学部入学(剣道部に所属)
平成17年3月 日本歯科大学歯学部卒業(学術優秀賞)
平成17年4月~平成22年7月 医療法人社団歯愛会 須貝歯科医院 勤務
平成22年7月~ 医療法人社団健歯会 中村歯科クリニックでの診療開始
 
<資格>
日本歯周病学会 認定医