【現役歯科医師が回答】できれば中学生までに歯列矯正するのがいい理由!受け口が気になる場合は3歳頃に相談がおすすめ

 
健康的な歯並びを作る為に、骨格やあごの成長段階に合わせた歯列矯正の進め方が大事なようです。大人になってからだと外科手術が必要になるケースや、治療期間や費用負担が大きくなることもあります。
 
では、どれくらいの年齢で矯正治療の相談をすればいいのでしょうか?子どもの健康的な歯並び作りに力を入れている「中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師にお話を伺いました。適切なタイミングは症状によって異なるようです。

 

矯正治療をするには、お子さんがお話しを理解できるようになる必要があります

――何歳から矯正の相談ができますか?
 
親御さんは、大切なお子さんの歯並びを少しでも早く見てほしいとお考えかと思います。気になった場合には、すぐに相談していただいて良いと思います。しかしながら、実際に矯正治療をするとなると、お子さん自身がそれなりにお話できる必要が出てきます。
 
受け口(反対咬合・下顎前突)の子に関しては顔の成長が歪んできやすいので、早めの3歳くらいからが多いです。しかし、歯が重なっていたり、出っ歯(上顎前突)の子に関しては、5歳~6歳くらいに相談を受け、治療をスタートすることが多いと思います。
 
――矯正を始めるのに一番いい年齢はありますか?
 
特にお顔の成長に関しては、目から口元までの成長のピークが7歳から8歳と言われています。だいたいその前の6歳くらいから始めるといいのではないかと思います。
 
特に6歳は小学校に通い始めて教師の言うことを聞けるようになったり、宿題だよと言われたらそれができるようになるお年頃です。それくらいの年齢の方が親御さんにとっても始めやすい時期かなと思います。

 

できれば中学生までに治療を終えたい、受け口と出っ歯で異なるタイミング

――受け口(反対咬合・下顎前突)の場合のタイミングは?
 
歯並びが悪いということで同じように考えられがちですが、実は受け口(反対咬合・下顎前突)の子に関しては、どうしてもお顔の形が歪みやすいので、できるだけ早い時期にご相談いただいた方がいいかなと思います。
 
特に中学生くらいが下あごの成長のピークですので、そのくらいまでには治療の終了をしたいと考えています。受け口の子に関しては3歳から治療をすることもあります。
 
もうすでに顔つきが変わられてからですと、顔つきまで変える、戻すというのはなかなか難しくなります。受け口の場合は、少し気になるなと感じたら早めに相談していただいた方がいいかと思います。
 
――出っ歯(上顎前突)の場合のタイミングは?
 
逆に出っ歯(上顎前突)の子に関しては、ある程度大きくなった9歳くらいから始めても大丈夫です。下あごの成長が中学生くらいまでありますので、上の歯が成長して出てしまっているというのは実は少なく、下あごの成長が弱いことによって相対的に上が出て見えるということがあります。あごの成長に合わせて治療を進めていきます。

 

編集部コメント:受け口が気になる場合は、あごが成長する前に相談しましょう

中村歯科クリニック」院長の中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師に、子どもの矯正を始めるタイミングについて教えていただきました。受け口においては、あごが成長する前の早いタイミングで相談した方がいいとのことでした。
 
矯正治療を進めていくにあたり、お子さん自身もある程度お話ができて理解できることが理想です。受け口の場合を除いて、矯正治療はお話ができるようになる6歳頃がタイミングとしてはいいようです。
 
また、下あごの成長が中学生くらいまでなので、中学生くらいで治療を終えられると良いそうです。あごの成長を活かした治療ができますので、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

 
取材日:2019年11月28日
 

プロフィール

中村歯科クリニック 院長
中村貴則(なかむらたかのり)歯科医師
 
<経歴>
平成11年3月 神奈川大学附属高等学校卒業
平成11年4月 日本歯科大学歯学部入学(剣道部に所属)
平成17年3月 日本歯科大学歯学部卒業(学術優秀賞)
平成17年4月~平成22年7月 医療法人社団歯愛会 須貝歯科医院 勤務
平成22年7月~ 医療法人社団健歯会 中村歯科クリニックでの診療開始
 
<資格>
日本歯周病学会 認定医