歯の詰め物=銀歯になってませんか?自分に合う詰め物を選ぶときの基準は?予算…見た目…アレルギー…機能…?

 
虫歯治療の歯の詰め物として、一般的なものといえば「銀歯」と呼ばれる「メタルインレー(銀の詰め物)」です。
 
こちらは一般的な治療法ですので気軽に治療ができますが、口を開けたときに銀歯がキラリと見えてしまい、美しさを求める方にはあまりおすすめできない場合があります。他にもさまざまな詰め物がありますが、すべての詰め物が保険を適用できるとは限りません。
 
審美性の高い詰め物にしたいと、歯医者さんに行って治療したあと、「実は保険適用外の値段で驚いた」、なんて苦い経験はしたくありませんよね。
 
ここでは、保険適用または保険適用外の歯の詰め物から、その違い・特徴・値段についてご紹介していきます。ぜひ、自身の希望にあった詰め物を見つけてみてくださいね。

 

虫歯治療の詰め物で保険適用の原則がある?

歯の詰め物における保険適用・適用外の違いは、詰め物(インレー)の材料によって変わります。
どの治療でもそうですが、保険適用と適用外では支払い料金がかなり変わってきますので、まずはその治療素材が保険適用なのか適用外なのかをしっかり確認するようにしましょう。

 

保険適用(材料)

・金・銀・パラジウム などの合金
・プラスチック

 

保険適用外(材料)

・セラミック・ゴールド など
 
原則として、耐久性や審美性が低いものですと、保険適用が可能。耐久性や審美性が優れたものですと、自費治療(保険適用外)になる傾向があります。

 

詰め物(インレー)の種類別のメリット・デメリットとその値段

 
次に詰め物(インレー)の種類や特徴、値段を見ていきましょう。
 

保険適用

 

■メタルインレー

さまざまな金属を混ぜ合わせて作られた合金の詰め物。一番多い詰め物で、いわゆる「銀歯」。

値段:
約1500~3000円
メリット:
安価、強度に優れている
デメリット:
金属アレルギーのリスクが高い、歯のかみ合わせなどの適合性に劣る

 

■コンポジットレジン

プラスチック素材でできた白い詰め物。色は、天然の歯に合わせることができる。

値段:
約700~1000円
メリット:
安価、歯を削る量が少なくて済む、審美性が高い、修理が簡単
デメリット:
時間が経過すると変色してくる、耐久性が低い

 

保険適用外

 

■ゴールドインレー

金合金(18Kなど)で作られた詰め物。歯と馴染みが良い材料。特に奥歯の詰め物におすすめ。

値段:
約30,000~60,000円
メリット:
耐久性が高い、虫歯になりにくい、金属アレルギーのリスクが少ない
デメリット:
高値、審美性が低い

 

■セラミックインレー

金属類を一切使用せず、陶材で作られた詰め物。白い透明感が特徴的。

値段:
約30,000~60,000円
メリット:
審美性が高い、歯垢が付きにくい、金属アレルギーのリスクがない
デメリット:
高値、割れやすい、歯を削る量が多い

 

■ハイブリッドセラミックインレー

金属を使用せず、陶材とプラスチックの素材でできた詰め物。セラミックインレーより多少安価。

値段:
約30,000~50,000円
メリット:
審美性が高い、ちょうどいい硬さで歯に優しい、金属アレルギーのリスクがない
デメリット:
高値、多少変色する、すり減りやすい

詰め物(インレー)の種類は、歯科医院にもよりますが、大きく分けるとこのような種類が存在します。しかし、数ある詰め物(インレー)の中から、自分に最適な詰め物を選択するのは難しいでしょう。
 
そこで、次に自分に合う詰め物(インレー)の選び方をご紹介します。

 

自分に合った詰め物を選ぶ方法とは?

歯は一生ものと言われているほど、大切な身体の一部です。
詰め物一つで、
 
・かみ合わせが変わってきてしまった
・金属アレルギーになってしまった
・再度治療が必要になってしまった
 
などということになり、結果、健康的な歯から遠のいてしまうこともあるでしょう。
 
ここでは、自分に合った詰め物を選ぶときの基準について、ご紹介します。以下の項目を考えて、自分なりの希望を決めてから歯医者さんに相談するようにしましょう。

 

【1】予算

ここで、保険適用か適用外か選ぶ範囲を決めます。

 

【2】見た目にこだわるか

銀歯や金歯は、やはり審美性が劣るものです。奥歯なら気にしないなど、治療の場所から決めるのも良いでしょう。

 

【3】素材やアレルギーのリスクはどうか

金属を使用するものは、必ずアレルギーのリスクが出てきます。金属を選ぶ場合は、歯医者さんに必ずリスクについて確認しましょう。

 

【4】機能性は納得できるか

耐久性などを加味した上で、その機能性で納得できるのか、譲れない点を決めましょう。
以上の4つの項目をもとに、歯医者さんに希望を伝えながら相談すると決めやすくなります。

 

総合的にセラミックインレーが良い!?

機能性や審美性へのこだわりが強ければ、金属製の詰め物を選ぶより、セラミックの方が希望と合致していることが多いでしょう。
 
こちらの治療は基本的に、一般歯科や審美歯科で受けることができます。しかし、セラミックインレーは保険適用外ですので、一般歯科では扱っていない場合があります。
 
もし、一般歯科で治療を受けたい場合は、必ず問い合わせをしてから受信するようにしましょう。また、その歯科医院に専用機器の「セレック」があれば、当日に詰め物を作ることも可能です。お急ぎの方は、問い合わせをしてみると良いでしょう。

 

最適な詰め物を選択するために……

虫歯治療で何万円も出すのは論外という方も、詰め物も身体の一部であり長年使うものだと考えると、質の良い安全な素材で作っても損はないと思っていただけたのではないでしょうか。
 
まずは、ご自身のこだわりと予算をしっかり決めて、歯医者さんに問い合わせをしてみてください。

 

医科歯科ドットコム編集部まとめ

値段を抑えて見た目を犠牲にするのか、はたまた見た目を重視して高額な支払をするのか、つめものをどうするかは非常に悩ましい問題です。
 
加えて機能性の面でもこういった違いがあるとは、つめもの選びは大変だと改めて認識させられました。つめもの選びで悩んだら、ぜひお近くの歯医者さんで相談してみてください。

 
監修日:2019年10月9日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医