【現役歯科医師に聞く】スマホ依存が歯ぎしりに繋がる?若い人に増える開口癖といびき

 
現役の歯科医師である佐藤 美嘉(さとう みか)歯科医師にインタビューし、スマートフォン依存で起こるお口の中の障害について教えていただきました。
 
若い方でお口を開けたままにしてしまう開口癖(かいこうぐせ)や歯ぎしり、いびきをかく方が増えているようです。

 

スマートフォン依存で起こるお口の中の障害とは?

スマートフォン依存によりお口を常に開けてしまう開口癖の方や歯ぎしりの方が非常に増えてきています。
 
日中の歯ぎしりや睡眠時の歯ぎしりにより、歯が割れてしまう方もいらっしゃいます。歯ぎしりにより割れてしまったという方には、特にボディビルダーやフィジーク選手の方が目立ちます。
 
奥歯にはご自身の体重同等の力がかかりますので、心配な方は歯科医師にご相談ください。また、歯ぎしりにより顎周りの筋肉が発達し、エラが張って顔が大きく見えてしまうこともあります。
 
日中の歯ぎしりの原因として考えられるのは、スマートフォンを下向きに見てしまうため自ずと顎の位置が下がり、上の歯と下の歯がぶつかってしまうことです。本来、安静時には上の歯と下の歯は2ミリほどの隙間ができます。スマートフォンを目線と同じ高さに持っていくなど見る位置に注意しましょう。
 
開口する方にはマスクの使用をおすすめしています。マスクをすることで意識的に口を閉じるようにし、口を開けないようなテープが市販でもありますので、マスクをしながらテープを使用して生活をするなどの指導をしています。そういったもので支障のない程度で生活をしていただくと良いと思います。

 

いびきを改善するにはどうしたら良いか教えてください

いびきで悩まれている方は多いです。年齢もそうですが、色々なストレスや顎の大きさ、舌の動かし方などによっていびきを生じます。ストレスの他に、遺伝、解剖学的構造によりいびきを生じることもあります。
 
マウスピースでいびきを抑えることはできますが、やはり寝づらいと日常生活が困ってしまいますので、まずはいびきの原因を取り除いて、噛み合わせが原因なのか、舌(ぜつ)が原因なのかを追究し、軽減したら他の方法でもアプローチするということを歯科ではしています。

 

食事でせき込むのは嚥下障害(えんげしょうがい)ですか?

意識の欠落によるもので、若い方に関しては嚥下障害(えんげしょうがい)ということではないと思います。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:歯ぎしりやいびきの悩みは歯医者さんへ相談しましょう

佐藤 美嘉 歯科医師に、スマートフォン依存で起こるお口の中の障害について紹介していただきました。スマートフォンの見方が歯ぎしりと関係しているとは意外ですね。歯ぎしりが原因で歯が割れたり、顎周りの筋肉が発達し顔が大きく見えてしまったりと色々な弊害があるようです。
 
また、開口癖によりお口で呼吸してしまう癖を改善しないと、細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。乾燥する季節は尚更、マスクの利用と口を閉じるテープでお口の中を大切にしてほしいと思います。歯ぎしりやいびきなどで悩まれている方は一度歯医者さんで相談してみましょう。

 
取材日:2019年11月14日
 

プロフィール

佐藤 美嘉 歯科医師

・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)

特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。

オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。

・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催