【歯科医師が回答】保険診療でできる白い詰め物・被せ物の治療について教えていただきました

 
白い歯の詰め物でレジンという材料が保険診療であるということをご存知ですか?
しかし、レジンは欠けやすいと聞いたこともありますが実際はどうなのでしょうか?
 
また、「CAD/CAM(キャドキャム)」というものがあり、治療する歯の場所によってはセラミックが保険適用になる場合があるようです。
 
現役の歯科医師である佐藤 美嘉(さとう みか)歯科医師にインタビューし、保険診療でできる白い詰め物・被せ物の治療について教えていただきました。

 

保険診療でできる白い詰め物「レジン」は実際あまり良くないですか?

保険の白い材料であるレジンはすごく良くなっているので、特にレジンが悪いと思ったことはありません。
レジンで治療した方が全体的な歯の保存が良くなると感じています。

 

治療する歯の場所によって保険が適用される「CAD/CAM(キャドキャム)」とは?

今の被せ物は印象材(型を取る材料)を練って、患者さんのお口に型を入れ時間を置き、それを基にして石膏を流して型を作製するのが一般的です。
 
CAD/CAMはそういった作業がなく、レーザーでスキャンして型を取り、パソコンに取り込んで白いセラミックから型を作製するという方法です。
 
現在、CAD/CAMで保険適用は、小臼歯の4番5番です。
見えにくいとはいえ少し見えてしまう小臼歯部ですので、できればこちらの材料をおすすめしています。
 
また、条件付き(医科ドクターの診断で金属アレルギーと診断された方)で大臼歯も保険の適用が認められます。
 
CAD/CAMで使用する材料はハイブリッドセラミックレジンで、耐久性は保険適用の白い詰め物のレジンよりも低くなり、咬合力(噛む力)が強い方には不向きとされています。

 

歯科医師の目線では、総合的に何の修復物がおすすめですか?

治療する箇所にもよりますが、私はハイブリッドセラミックレジン(通常は自費診療)がおすすめだと思います。
あとは患者さんのニーズにもよりますが、レジンで対応できるならレジンの方がおすすめです。
 
将来的に歯を残していく為には、歯を削る量をいかに減らすかが大事です。
ご自身の歯以上に大事なものはありませんので、削る量を抑えられるレジンが良いと感じています。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:「CAD/CAM」の利用で小臼歯の4番5番が保険適用に!

佐藤美嘉歯科医師に、保険診療でできる白い詰め物・被せ物の治療について紹介していただきました。CAD/CAMを利用した白い歯にする虫歯治療(ハイブリッドセラミックレジン)は、小臼歯の4番5番が保険適用になるようです。
 
金属アレルギーの方はさらに大臼歯(奥歯)も保険適用になることがありますので、歯医者さんで相談してみてはいかがでしょうか。治療について歯科医師とよく話し合い、大切な歯を長く保存していって欲しいと思います。

 
取材日:2019年11月14日
 

プロフィール

佐藤美嘉(さとうみか)歯科医師
 
・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)
 
特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。
 
オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。
 
・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催