歯科医師が警告!歯の食いしばりはこんなに悪影響をおよぼす!

 
ホッキョクグマは800キロ、カバは1000キロ、ナイルワニになると2000~2300キロ。
「いきなり何?」と思われた方もいるかもしれませんね。実は、これは噛む力上位の動物です。
では、人間の噛む力はどれくらいなのでしょうか?
今回は人間の噛む力&くいしばりにかかる力についてご紹介します。

 

人の噛む力は体重と同じくらい

人の噛む力は、その人の体重程度だと言われています。体重40キロの女性の噛む力は、大体40キロということになります(瞬時にはそれ以上の力もかかります)。
 
しかし、いつでもこの力がかかっているわけではなく、食事の際には20%~30%程度の力で噛んでいます。
当然ですが、硬い食べ物を食べる際にはそれ以上の力が必要になるので、いつまでも食べたいものを食べ続けるためには、健康な歯と歯茎を保つ必要があるといえますね。

 

くいしばると更なる力が!

健康な成人男性42名を対象に、噛みしめた際に奥歯にかかる力を測定した研究によると、最小で27.5キロ、最大で100キロの値を計測したという結果が得られたそうです。
 
しかし、人の噛む力は生活環境によって違い、硬い食べ物ばかり噛んでいるエスキモーの人たちは、日本人の3倍もの噛む力があるともいわれています。

 

歯のくいしばりはよくない?

虫歯でもないのに、歯をかみ合わせると痛むことはありませんか?もしかしたらその痛みは歯のくいしばりが強いせいかもしれません。
 
歯のくいしばりは、歯と歯茎に大きなダメージがかかってしまいます。通常、食事をするとき以外の時間は、上下の歯は離れている状態です。
 
しかし、歯をくいしばる癖のある人は、一日に1~2時間ほど無意識で食いしばる時間があるため、歯と歯茎を傷めてしまっているのです。
 
歯をくいしばる癖は、ストレスによっておこることが多いため、意識的に直していかなければいけません。
気にし過ぎるのもよくありませんが、普段から少し気を付けることで、夜の歯ぎしりの軽減にもつながります。また、夜マウスピースをつけて寝るのも対処法として効果的です。

 

まとめ

いかがでしたか?動物には劣りますが、人間の噛む力、食いしばる力も相当ですね。
歯・歯茎の健康を考えると、歯を強く酷使することはよくありません。
なぜか歯が痛むという人は、自分のくいしばり癖にも注目してみてはいかがでしょうか?

 

<参考>
歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020|日本歯科医師会

 
監修日:2020年2月26日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医