【歯の治療で悩んでいる方へ】歯医者におけるセカンドオピニオン事情

 
あなたは「セカンドオピニオン」を利用したことはありますか?
 
セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師に意見を求めることです。
 
診断に誤りはないか、提示された治療方法以外に選択肢はないかなどを確認するために活用します。
 
海外、特に発祥の地であるアメリカでは一般的です。そんなセカンドオピニオンは、もちろん歯科でも受けられます。
 
とはいえ、「主治医の先生に申し訳なくて、なかなか言い出しにくい」という方も多いことでしょう。
 
しかし自分の健康は、かけがえのないもの。勇気を出して行動することが状況を変えることもあります。
 
ここでは、そんな歯科におけるセカンドオピニオン事情をご紹介します。歯の治療で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

セカンドオピニオンは本当に必要?どんなメリットがあるの?

セカンドオピニオンを受けるメリットは、大きくわけて2つあります。

 

●メリット① 納得して治療を受けられる

セカンドオピニオンを受ける最大のメリットは、やはり主治医以外の意見を聞き、判断材料を増やせることにあります。
 
その内容が主治医と異なる意見であれば、多様な見方やリスクを知ることができ、同一の意見であればより安心して治療に臨めることでしょう。
 
特に自費診療、例えばインプラントやセラミックなどの審美治療 、矯正などは、歯科医師によって見解が変わることも多くあります。
 
治療費用が高い上に、インプラントや矯正では抜歯などの大掛かりな処置も必要となるため、セカンドオピニオンを受けることで得られるメリットも大きくなるはずです。

 

●メリット② 相性の良い歯医者さんを見つけられる

「良い歯医者さん」の定義は、人によって異なります。
 
どんなに口コミで評判が良い歯医者さんでも、自分には合わないこともあるでしょう。
 
セカンドオピニオンを受けることは、すなわち歯医者さんとの出会いの機会が増えるということです。
 
治療方法だけでなく、歯医者さんの選択肢も増えるのです。
「今かかっている歯医者さんの説明はわかりにくい」
「歯医者さんが怖くて通院が苦痛」
など、主治医に不満を感じている方にとっても、セカンドオピニオンは有効な手段といえます。

 

セカンドオピニオンを受けるまでの流れや注意点

セカンドオピニオンを受けるには、まず歯医者さんに提出する資料を用意する必要があります。
 
具体的には、レントゲンやCTなどの検査データや、診断内容について書かれた診断書です。
 
これがないと正しい診断ができず、セカンドオピニオンを受けた意味が薄くなってしまいます。
 
気まずくても勇気を出して主治医に依頼し、必ず用意しましょう。
 
次に、セカンドオピニオンを受ける先を探します。歯医者さんによっては、セカンドオピニオンの相談を対応していない場合もあるので、必ず電話やホームページで確認してください。
 
また、おすすめは「自分が受診する科目の専門医や認定医がいる歯科医院」を選ぶことです。
 
特に矯正などは、歯科治療の中でも専門性が高い分野として知られています。矯正専門の歯科医院も多くあるので、その中から選ぶと安心でしょう。
 
なお、セカンドオピニオンを受ける際は、聞きたいことをきちんとまとめておくと効率的です。
 
不安や疑問、聞きたいことを予め整理しておき、後になって「これも聞いておけば良かった!」などということのないようにしましょう。

 

セカンドオピニオンは保険適用外! 気になる費用はどれくらい?

セカンドオピニオンの相談には、残念ながら保険が適用されません。

全額自己負担となるため、費用は高めです。30分ほどで15,000円程度かかると考えておきましょう。

大学病院や歯科大学附属病院になるとさらに高く、15,000〜20,000円になります。

なお一般の歯科医院の中には、患者さんを集めるために相談を無料で受け付けていることもあります。

注意したいのは、無料なのは相談のみで検査は費用別途という場合もあります。事前に金額の目安を確認しておくといいでしょう。
 
歯は、豊かな食生活を支える一生のパートナーです。大きな治療をする際は多少の出費は仕方のないものと受け入れて、質の高さを重視して選ぶようにしたいもの。
 
セカンドオピニオンはあくまでひとつの「意見」であり、主治医の診断自体を覆すものではありませんが、最適な治療方法を探すのに有効な手段です。
 
「歯の1本や2本で大げさかな?」などと思わず、少しでも悩んだら積極的に利用してみてください。
 
なお、セカンドオピニオンはあくまでも医学的に見て最も良い方法を探すためのものです。
「痛い治療はしたくない」などという理由で、自分に都合の良い診断をしてくれる歯医者さんを探すことは後でより痛い目にあう可能性があります。
 
正しいタイミング・目的でセカンドオピニオンを利用して、大切な歯を守っていきましょう。

 

医科歯科ドットコム編集部まとめ

少しでも疑問に思うことや、決めかねていることがある場合には、セカンドオピニオンが役に立つんですね。
 
ですがその依頼先が信頼できる医者でなければ意味がありません。
 
値段も高いセカンドオピニオン、せっかく行うなら安心してお願いできる歯医者さんがいいですね。

 
監修日:2019年10月16日
 

監修医 プロフィール

藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医