【歯科医師が回答】歯の予防にはクリーニングや歯茎のメラニン除去も大切!

 
自宅で行ういつもの歯磨きでは6割程度しか磨けていないと言われていますが、歯医者さんで行う歯のクリーニングとはどのようなものなのでしょうか?
歯のクリーニングで歯石を取ることは歯周病の予防になり、メタボリック症候群や糖尿病など全身の病気の予防・改善に役立つようです。
 
また、歯茎の黒ずみを改善するメラニン除去というものがあるようです。
現役の歯科医師である佐藤美嘉(さとうみか)先生にインタビューし、歯のクリーニングと歯茎のメラニン除去について教えていただきました。
 

 

歯医者さんで行う「歯のクリーニング」とは、どのようなものですか?

歯のクリーニングにはPMTCやジェットクリーニングなど色々ありますが、私どもの医院では、まず超音波スケーラーで歯石を除去したあと、ジェットクリーニング、PMTCなどを行っています。
 
ほとんどの場合、ジェットクリーニングで全体的に落とすことができます。
 
ジェットクリーニングについては、あるクリニックとないクリニックがあるかと思います。
 
歯の着色以上に歯石を取ることはとても重要で、歯石を放っておくと歯周病になり、歯周病は全身の病気へと繋がります。
 
歯周病になると血糖値コントロールが難しくなり、メタボリック症候群になりやすく、糖尿病へと繋がるとされています。
 
全世界の方の永遠のテーマでもあるダイエットですが、食事や運動を頑張ったとしても、血糖値コントロールがうまくできなければ、成功することは困難になります。
 
そのため、歯石を取ることはダイエットや糖尿病などの全身疾患には重要な処置だと考えています。
 
そして、ジェットクリーニングの後にPMTCをしています。
 
簡単に言うと電動歯ブラシのようなもので、研磨剤のない色素沈着を落とせる薬剤を使用して患者さんの歯をきれいにします。
 
その後ブラシを付け替えて、ゴムのラバーカップを付けて歯面をコーティングしていきます。
 
最後に一番小さなラバーチップで歯と歯の隙間をコーティングして終了です。
 
PMTCの中には、患者さんへの歯磨き指導が含まれています。どのような歯磨きをしているか問診し、歯科衛生士の方から歯の清掃・指導を行っています。
 
今は、電動歯ブラシとスマートフォンを使用して歯の記録を付けていたりもしますので、磨けていないところを重点的に磨き方の指導をしています。

 

「ジェットクリーニング」とは、どのようなものですか?

ジェットクリーニングのイメージとしては、頑固な汚れを強い水圧で落とすような感じです。
 
細かなパウダー状の粒子を水圧で飛ばし、歯に付着した汚れを落としていきます。
 
患者さんによっては、この水圧で飛ばされる粒子がお口の中でパチパチと跳ねるため、痛みが出る方もいらっしゃいます。

 

「メラニン除去(歯茎の黒ずみ改善)」について教えてください

歯茎のメラニン除去については2つの方法があります。
 
薬剤を使用する場合とレーザーを使用する場合とがあり、薬剤で落ちない場合にレーザーを使用しています。
 
レーザーには組織再生能力があるので、メラニン部分に照射すると正常な細胞を作ることができます。
 
加齢変化による歯茎の黒ずみや喫煙される方の色素沈着なども、レーザーで大まかに取ることができます。
 
しかし、喫煙される方については生活習慣を変える必要がありますので、そういったところも指導させていだたいています。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:定期的な歯のクリーニングは歯周病の予防に繋がります

佐藤美嘉先生に、歯のクリーニングと歯茎のメラニン除去について紹介していただきました。
歯医者さんに通うと自分が磨けていない部分に気付くことができます。
 
定期的な歯のクリーニングは歯周病の予防になり、さらにメタボリック症候群や糖尿病などの全身の病気を予防・改善することに繋がります。
 
虫歯予防にはもちろん、国民病とも言われる歯周病を予防し身体の健康を守るためにも、定期的に歯のクリーニングに通ってほしいと思います。
 
また、歯茎の黒ずみで悩まれている方はメラニン除去というものがあります。ぜひ歯医者さんで相談してみましょう。

 
取材日:2019年11月14日
 

プロフィール

佐藤 美嘉 歯科医師

・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)

特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。

オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。

・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催