このシリーズでは「骨再生治療」や「歯周組織再生治療」というテーマで第一人者である塚原 宏泰先生にお話を伺っています。
なかでも今回は、「歯を抜く場合の対応やセカンドオピニオン」についてお聞きします。
抜歯が必要な場合の対応は?
重度の歯周病や歯根破折(歯の根が割れてしまう)の場合は、骨に大きな病巣を伴うこともあり、抜歯後の骨欠損も大きくなる可能性が高いです。
そうなってしまうと、その後の入れ歯やブリッジ、インプラントといった再建治療が非常に困難になります。
そんな時、抜歯と同時に骨の再生治療を行い、抜歯後の骨を維持することで、再建治療がしやすくなります。
しっかりとした入れ歯やブリッジ、インプラントができて、良く噛めることは、健康にとって大変重要なことです。
再生治療が必要な患者さんが治療を受けるためには?
患者さんのかかりつけ医が再生治療を行っていない場合、治療が行える歯科医院に依頼して、患者さんが治療を受ける場合があります。
また、根っこの治療の専門医や歯周病治療の専門医からの紹介ということも多くあります。
そして、患者さん自身が調べてセカンドオピニオンとして来院される場合もあります。
セカンドオピニオンでいらっしゃる患者さんは、健康になりたいという関心が高く、情報収集能力がある方が多いように思います。
PRGF再生療法は保険適用外だが、保険適用の薬を使った治療も
PRGF再生療法は自費治療になりますが、歯周病に関しては、歯周組織再生療法として「リグロス」という保険適用の薬があります。
インプラント治療になる前に、再生治療に費用をかけて歯周組織を守るという患者さんも多くいます。
自分の歯を残すために。セカンドオピニオンという考え方
今は自分の歯を失わないようにできる治療法が普及しているので、歯が悪くなってあきらめてしまう前に、まずはセカンドオピニオンを検討してみてはいかがでしょうか。
自分の歯を失うかも知れないと思ったら、セカンドオピニオンで歯を残す方法を探してみることも検討されるといいでしょう。
医科歯科ドットコム編集部コメント
骨再生治療について希望のあるお話を伺うことができました。
自身でも情報の検索をすることや、セカンドオピニオンで他の先生のご意見を聞いてみることが大切ですね。
骨再生治療は自費診療となりますが、将来のことも考えつつ検討されてはいかがでしょうか。
取材日:2019年12月4日
プロフィール
塚原 宏泰 歯科医師
<経歴>
1989年
日本大学松戸歯学部卒業
1989~98年
東京医科歯科大学第2口腔外科勤務
1998年~
東京都千代田区にて開業
2004~15年
東京医科歯科大学顎口腔外科客員臨床教授
2012年〜
日本大学松戸歯学部顎顔面外科兼任講師
神奈川歯科大学補綴科非常勤講師
<専門医・指導医>
1997年
日本口腔外科学会専門医
歯学博士
2002年
日本口腔外科学会指導医
日本顎関節学会専門医・指導医
2009年
日本顎顔面インプラント学会指導医