【歯科医師が回答】銀歯から卒業!保険でできる白い詰め物とセラミックの違いとは?

 
芸能人はみんな歯が白くてきれいですよね。その秘密は、歯を薬剤で漂白させる「ホワイトニング」ではなく、「セラミック」という白い歯の被せ物で美しく整えていると言われています。
 
しかし、セラミックは艶やかな白さが魅力ですが割れやすいというデメリットもあります。現役の歯科医師である佐藤美嘉(さとうみか)歯科医師にインタビューし、白い材料の詰め物・被せ物について伺いました。
 
現在では、保険診療でできる白い詰め物もあります。こちらのメリット・デメリットについても詳しく教えていただきました。
 

白い材料の修復物について、耐久年数やメリット・デメリットを教えてください

歯を削る量を抑えられるのが一番の魅力の「レジン」:保険診療

耐久年数は人それぞれなので一概には言えないですが、まず保険でできるレジンという白い材料についてご説明します。メリットとしては、レジンの材料はすごく良くなってきているので、そこまで削らなくても少量の削合(さくごう)で詰めることができます。
 
そして、柔らかい材料で歯に馴染みやすいので、噛む際に痛みを伴わないという特徴があります。歯との親和性がすごく良く、伸びもあり噛んで痛いということがありません。
 
デメリットとしては、水分を吸い込んでしまうのでコーヒーやお茶を飲まれている方には、着色の原因になってしまいます。
 
耐久年数は人によって違いますが、咬合力(噛む力)が普通の方よりも強い方は早いです。5年以内に詰め治さないといけない可能性はあります。

 

自然な白さで美しいが割れやすい「オールセラミック」:自費診療

オールセラミックはすごく審美的にも良くきれいで、コーヒーなどで色素沈着がほとんどない材料です。しかしセラミックなので、陶器のお茶碗と同じですごく割れやすいのが特徴です。
 
男性の方で特に見た目を気にされているボディビルダーの方は、「オールセラミックにしたい!」という方が多いですが、あれぐらい歯に強く力が掛かるとすぐに割れてしまいます。

 

すごく白くてきれいな「ジルコニアセラミック」:自費診療

ジルコニアセラミックとオールセラミックはだいたい同じです。すごく白くてきれいな材料ですが、どちらもすごく割れやすいのが特徴です。噛む力の強い方や臼歯部(奥歯)には使えません。

 

セラミックとレジンの混合「ハイブリッドセラミックレジン」:自費診療

ハイブリッドセラミックレジンは、オールセラミックやジルコニアセラミックより柔らかくて、レジンよりは柔らかくないですがとても良い材料です。デメリットはあまりないので、レジンの次におすすめの材料です。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:治療箇所に合わせた選択をしましょう

佐藤美嘉歯科医師に、白い材料の修復物についてメリット・デメリットを分かりやすく紹介していただきました。
 
詰め物・被せ物の材料は治療する箇所によって向き不向きがありますので、特徴をよく理解して選択しましょう。

 
取材日:2019年11月14日
 

プロフィール

佐藤 美嘉 歯科医師

・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)

特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。

オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。

・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催