歯磨きをしてたら出血!!もしかしたら歯周病やホルモンバランスが原因かも?

 
歯磨きをしているときに出血したことはありませんか?
実は、健康な歯茎はブラッシングをしたぐらいではほとんど出血しません。
もしも軽く歯を磨いただけで血がダラダラと出てしまう場合、歯茎に何らかの異常が発生している可能性があります。
「血が出ている場所はなるべくそっとしておいたほうがいいのでは?」と思いがちですが、歯茎の場合、逆に触らないでおくことで悪化してしまう恐れがあるのです!

 

どうして歯茎から出血するの?

歯茎は非常にデリケートな部位ですが、同じ口内にある舌や頬の粘膜などと比べて、別段弱いというわけではありません。
歯ブラシで多少刺激した程度で血が出てしまうという場合、以下のような原因が考えられます。

 

●歯周病が原因

もっとも可能性が高いのが「歯周病」です。
 
歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)で細菌が増殖して、炎症が起こるという病気で、歯を失う原因の1位となっています。
ブラッシングによってプラーク(歯垢)を取り除くことができれば治まりますが、歯石になってしまっている場合は歯科医院でなければ除去できません。
 
また、次の①~③は同じ歯周病を原因として出血してしまう場合です。

 

①虫歯で歯周病が併発

虫歯が歯茎の近くで進行している場合、空いてしまった穴に汚れがたまり歯肉の炎症を起こして歯茎から出血することがあります。
自然治癒することはないので、早期に治療する必要があります。

 

②物が詰まることで歯周病が発生

歯と歯の間に何かが挟まっている場合、そこを中心に細菌が増えて炎症を起こすことがあります。
もしもブラシやフロスなどでは取れないときは、歯科医院で除去してもらいましょう。
そのまま放置していると虫歯や歯周病に発展する恐れがあるので、なるべく早めに対処してください。

 

③疲れやストレスから歯周病に発展

歯茎は体のコンディションが表れやすいデリケートな場所です。
疲れやストレスが溜まっていると体の免疫力が弱まって、歯茎に炎症が起こりやすくなります。
ただし、これは一時的なもので、体調が戻れば出血も治まります。
特に心配する必要はありません。

 

●ホルモンバランスの変化が原因

思春期や生理、妊娠などホルモンバランスが変化する時期は、特に女性ホルモン(エストロゲン)を好む細菌の働きが活発になり、歯肉に炎症が起こりやすくなります。
妊娠期間中は胎児への影響を考えて治療方法が限定されてしまうため、普段よりもブラッシングをしっかりと行うなど、予防歯科の考えが重要になります。

 

●オーバーブラッシングが原因

オーバーブラッシングとは「歯を磨きすぎてしまう」ことです。
 
硬い歯ブラシで歯をゴシゴシと磨いてしまうと、歯茎にキズがついてしまい、血が出てしまうことがあります。
キズが付くほど磨くと歯茎がどんどん減ってしまい、やがては歯の根元が露出してしまいます。
歯が抜けてしまう原因にもなるので気を付けてください。
 
他にも白血病などの血液疾患や、口腔がんによって出血することもあります。
ホルモンバランスやオーバーブラッシングなどのように時間が経つにつれて治ることもありますが、同じ場所から血が出続ける場合、何らかの異常があると考えられます。

 

血が出るときは早めに歯医者へ!

一般的にケガをしたときはなるべく傷口に触らないようにすることが大事です。
 
しかし、歯周病が原因で歯茎から出血した場合は「血を出したほうがいい」と言われています。
なぜなら出血を恐れて該当部分の歯磨きを避けていると、炎症の原因となっている細菌がどんどん増えてしまって、さらに症状が悪化してしまうからです。
 
出血した際は、重度の歯周病か、それ以外の病気である可能性があります。
命に係わる重大な病気が潜んでいることもあるので、なるべく早めに診察を受けるようにしてください。

 

医科歯科ドットコム編集部まとめ

どうやら歯茎の出血は口内トラブルのサインのようです。
歯磨きのたびに続けて血が出てしまうようであれば、一度歯医者さんに早めに診てもらったほうがいいのかもしれません。

 
監修日:2019年10月10日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医