歯を失う2大原因は歯周病と虫歯!!噛み合わせの悪さが歯を失う原因になる!?

 
「噛み合わせが悪い」とは、上下の歯がうまく噛み合わず、あごの関節や特定の歯に過度な負担がかかってしまっている状態のことです。
元々の歯並びが悪いことが原因の場合もありますが、歯並びはきれいなのに、噛み癖や歯ぎしりなどが原因で噛み合わせのバランスが崩れてしまっていることも少なくありません。
 
噛み合わせが悪いと、顎関節症(がくかんせつしょう)になりやすい、肩こり・頭痛が起こりやすいなどの弊害があるだけではなく、歯を失う原因にもなりかねないので注意が必要です。
でも、なぜ噛み合わせが悪いと歯を失うことになるのでしょうか?

 

歯を失う2大原因は歯周病と虫歯

厚生労働省の「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」によると、1人の人が歯を失った本数の平均は、60~64歳で4.6本、65~69歳で6.7本、70~74歳で8.6本、75~79歳で10.3本です(2016年時点)。
歯の喪失本数自体は、過去の調査に比べると徐々に少なくはなっているものの、年齢を重ねるに伴い歯を失う本数が多くなっていることがわかります。

<参考>
厚生労働省 「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」

 
では、歯を失うおもな原因は何かというと、歯周病と虫歯です。
8020推進財団が2005年に行った「永久歯の抜歯原因調査」によると、歯科医院で抜歯した理由のうち、第1位は歯周病で全体の42%、2位は虫歯で32%、次いで3位は破損で11%となります(大半が親知らずの抜歯である「その他」13%を除く)。
実に歯を失う原因の70%以上が、1~2位の歯周病か虫歯なのです。

 

噛み合わせが悪いと、虫歯・歯周病になりやすくなる

噛み合わせの悪さが歯を失う原因につながる大きな理由は、噛み合わせが悪いと虫歯や歯周病にかかるリスクが高まってしまうことにあります。
噛み合わせの悪さから特定の歯に強い力がかかり続けることになり、これによって歯を支える周辺組織がダメージを受け、歯周病の進行が早まります。
 
また、歯に強い力がかかり続けることは、歯のそのものの寿命を縮めることにもつながります。
噛み合わせが悪く、一部の歯だけに強い力がかかり続けると、耐え切れなくなった歯が折れたり割れたりすることもあり、これも歯を失う原因のひとつとなります。
 
噛み合わせの悪さは、すぐに治療しなければ命に関わるというものではないので、治療はついつい後回しになりがちです。
しかし、長いあいだ放っておくと、歯を失う原因にもなってしまいます。噛み合わせの悪さが気になる場合は、自分の状態を正確に知るという意味でも、一度歯科医院を訪れて相談してみると良いでしょう。
すぐに治療するかどうかはさておき、リスクや治療法についてアドバイスをもらうことは、きっと役に立つはずです。

<参考>
平成23年歯科疾患実態調査|厚生労働省
永久歯の抜歯原因調査|8020推進財団

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

噛みあわせがここまで影響するとは驚きですね。医科歯科.comからクリニックをさがしてみてください。

 
監修日:2019年11月13日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医