「急に歯茎が腫れてきた!歯医者に行く時間もないし、どうしよう…」と困ったことはありませんか?
「そのうち腫れもひくだろう…」と、ついつい軽い気持ちで放っておいてしまいがちですが、歯茎の腫れは深刻な問題が隠れている場合が多いのです。
歯医者に行く時間がないにしても、適切な応急処置をせずに放っておいたら、場合によっては重症化してしまう危険性もあるのです。
そういう場合、自分で適切な処置ができれば自分を助けることができます。
そこで今回は、歯茎の腫れる原因と、自分でできる適切な応急処置の方法をご紹介します。
これを機会に知識を知っておいて、万が一のときに備えましょう。
歯茎の腫れる原因
歯茎の腫れる原因は多様ですが、基本的には元々知らぬ間に進行していた虫歯や歯周病等が急性症状を起こしたために起こります。
色々なケースを知っておいて、それぞれに合わせた適切な応急処置ができるように準備しておきましょう。
体調不良による歯茎の腫れ
疲れがたまっていたり、寝不足が続いているなど、体調が悪いときにそのストレスが歯茎の腫れとなって現れることがあります。
また、アルコールを多量に摂取したときも、歯茎が腫れることがあるのです。
歯茎がうずく、歯が浮いたような感じがする場合には休息をしっかりとることが大切です。
歯磨きの仕方が悪い
腫れの原因として一番多いケースが、間違った歯磨きの仕方によるものです。
歯茎が腫れる原因として最も多いのが、口の中に細菌が繁殖することです。口の中を清潔に保っていれば、細菌が繁殖しにくくなります。
正しい歯磨きをしていれば、口の中を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐことができるでしょう。
歯磨きの時間が短い人はいつもより長くやってみたり、正しい歯磨きの方法が分からなければ、歯医者に行って、ブラッシング指導してもらってもよいでしょう。
親しらず
親しらずが原因で歯茎が腫れてしまうこともあります。
親しらずは一番奥に生えてしまうため、その周囲を入念に歯磨きすることが難しいです。
そのため、食べ物のカスなどが残りやすくなってしまいます。
結果的に細菌が繁殖しやすくなり、歯茎が腫れてしまうのです。
親しらずが生えている人は、歯医者でクリーニングしてもらったり、思い切って抜いてもらうのもいいかもしれません。
応急処置
応急処置としてすぐにできることは、「安静にする」ことです。
歯茎の腫れは細菌が原因になっていることが多いです。
疲れているとき、寝不足のときは、細菌を体外に出せずに膿がたまりやすくなります。
これを防ぐため、まずは安静にして体を休め、落ちている抵抗力の回復に努めましょう。
なるべく栄養のあるものを食べるようにしましょう。
場合によっては患部を冷やすことで症状が落ち着くこともあります。
ただ、冷やしすぎるとかえって治りを悪くしてしまうことがありますので、氷などは避け、濡れタオルを当てる程度が無難かもしれません。
痛みで何も食べることができない場合は、すぐに市販の痛み止めを飲みましょう。
痛みを我慢していると食欲なども落ちてしまいがちですから、栄養補給での体力回復もあまり望めないでしょう。
なるべく早く痛みを軽減し、しっかりと栄養を取ることが大切です。
ただし、もしも痛み止めを飲んですんなり痛みが消えても、その腫れ・痛みの根本原因が解決したわけではないですから、油断せずにすぐに歯医者で診てもらうことが大切です。
また細菌が原因の場合は、口の中を清潔にする必要があります。
しかし、腫れがひどいときに固めの歯ブラシでみがくと、痛みを我慢するのもつらいですし、歯茎をさらに傷つけてしまう原因になります。
腫れがあるときはなるべく柔らかめの歯ブラシで優しくみがくようにしてください。
磨くと出血することがありますが、痛みがなければそのまま優しく磨いて血を出していただくと腫れが軽減することもあります。
また、どうしても痛くて歯を磨けない場合は、うがい薬を使って口の中を消毒するのも効果的です。
コンクールなどの、殺菌作用が強く刺激が少ないうがい薬がおススメです。
まとめ
歯茎の腫れの原因、そして応急処置の方法をご紹介しました。
歯は本当に大事な部分であって、歯の健康は体の健康そのものといっても過言ではありません。
歯が不健康だと、食べ物が食べられなかったり、噛みあわせが悪くなったり、それが歯だけでなく体の様々なところの不調を招くこともあります。
歯茎の痛みを軽視せず、変化に気付いたらすぐに歯医者にいくように心がけましょう。
監修日:2020年2月5日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医