歯科医師が答える!効果的ないびきの治療法「マウスピース治療」って?

 
いびきが厄介なのは、何といっても直接自分で聞いてみるわけにはいかないところです。
「家族に指摘されてから、恥ずかしくて友人と旅行に行けなくなった」という人もいれば、「家族のいびきに気がついてから、自分も夜いびきをかいているんじゃないかと心配」という人もいるでしょう。
しかし、いびきが不安な時、いびきの治療をしたい時は一体何科を受診すればよいのでしょうか?
今回は、意外と知られていないいびきの治療法について紹介します。

 

そもそも、なぜいびきは起きるのか?

いびきの正体は、狭い気道を空気が通ろうとした時に喉の周囲の粘膜が震えることで出る振動音です。
気道とは、鼻から肺へと続く空気の通り道のこと。
その道が睡眠中に何らかの原因で狭くなった結果、空気が通る度に喉がふるえて出る音がいびきだというわけです。
では、気道はなぜ狭くなってしまうのでしょうか?
およそ次のようなものが原因になります。

 

①鼻づまり

通常、人間は眠っていても鼻呼吸をしていますが、鼻がつまっていると口呼吸を行います。
口呼吸は鼻呼吸に比べて軟口蓋という口の奥の天井部分や下顎、舌の付け根部分が気道に落ち込みやすく、気道を塞いでしまうことが多いのです。

 

②首周りに脂肪が多い

これも気道を狭める原因の1つです。
舌にも脂肪がつき重くなるので、喉の奥に落ち込みやすくなります。

 

③扁桃腺が腫れている

喉の両奥にあるリンパ組織が扁桃腺ウイルスや細菌などの原因で腫れ、気道を狭くしていることがあります。

 

④顎が小さい

顎の小さい人または顎の位置が後方にある人は、舌の位置が喉に近かったり舌をしまうスペースが不十分だったりすることもあります。
そのため、睡眠時に舌が喉の奥に落ち込んで気道を塞いでしまうことがあるのです。

 

⑤生活習慣

このほか、寝る姿勢や就寝前の飲酒、喫煙、強いストレスなどもいびきに関わっている場合があります。

 

ひどいいびきは、睡眠時無呼吸症候群の可能性も

気道が狭くなっている原因が鼻づまりや扁桃腺の腫れだと思われる場合は、耳鼻咽喉科を受診して治療すればいびきがおさまる可能性が高いです。
生活習慣に思い当たる節があれば、改善することでいびきが消えることもあります。
いびきを録音してくれるアプリもありますので、まずはセルフチェックしてみるのもよいでしょう。
しかし、原因がよくわからない場合やいびきがひどい場合、また長期間に渡っていびきが続いている場合は、一度耳鼻咽喉科や呼吸器内科などとともに「睡眠外来」を開設しているクリニックを受診することがおすすめです。
なぜなら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)である可能性があるからです。
 
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に突然10秒以上に渡って呼吸が止まった状態「無呼吸」が起こる病気です。
または呼吸が完全には止まらないが、喉を通る空気の量が半分以下になった「低呼吸」状態が起こるという場合もあります。
それまで「ぐお~」と大きないびきをかいていたのが、「ぐっ」と突然止まり、10秒以上経ってから轟音のようないびきが再開される、というようなリズムのいびきをかくようなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮した方がいいでしょう。
 
また睡眠時無呼吸症候群の問題は、いびきの音がうるさいことだけではありません。
無呼吸や低呼吸は体が酸欠状態になるということであり、深い眠りがとれなくなります。
その結果、自律神経のバランスがくずれ、昼間に強烈な眠気に襲われる、集中力や免疫力が低下する、長く続けば高血圧や心筋梗塞を引き起こしやすくするなど、体にとってさまざまな悪影響を及ぼしてしまうのです。

 

軽度のいびきは「マウスピース治療」+「生活習慣改善」の併用で改善!

睡眠時無呼吸症候群をはじめ、いびきの治療には症状の程度により
「マウスピース治療」
「CPAP治療」
「外科的手術」
「生活習慣の改善」
の4つがあり、これらを組み合わせて行います。
重度のいびきは「CPAP治療」「外科的手術」で改善を目指します。

 

①マウスピース治療

就寝時に特殊なマウスピースを入れることで顎が下がるのを防ぎ、気道を確保する方法で、いびきの症状が軽度な場合の治療によく使われます。
多くの場合透明で目立ちにくいのが特徴。
のどの奥に脂肪がついている、元々下顎が小さいことなどがいびきの原因である場合のほか、口呼吸の癖があることが原因である場合にも効果が出ることが多いです。
マウスピースは医師からの紹介をもとに歯科医院で作ってもらいます。
専門の医療機関から出された睡眠時無呼吸症候群の確定診断に基づいて作った場合は保険適用となり、費用は約13,000円~20,000円ほど。保険適用でない場合は、40,000~5,5000円ほどになります。

 

②CPAP治療

睡眠時に酸素マスクのようなものを鼻にあて、空気の圧力によって気道を広げる方法で、おもに重度の睡眠時無呼吸症候群の治療に使われます。
使用初日から効果が期待でますが、装置が必要なためにどうしても「治療中」であることがわかってしまいます。
同居の家族や恋人に心配をかけないよう治療することができないという点がデメリットになります。
費用は保険適用の場合(無呼吸の頻度が一定数以上の場合)は月約5000円、保険適用外の場合は月約1万5000円です。
 
以上の2つは対症療法なので、いびきの症状を緩和することはできますが、いびきの原因を取り除くことはできません。
そこでこれらと並行して、「生活習慣の改善」や「外科的手術」でいびきを引き起こしている根本原因をなくすことが大切になります。
ダイエットや眠る姿勢の改善(仰向けではなく横向きに寝る)、アルコール量を減らす、喫煙を控えることなどでいびきがおさまることも珍しくないのです。
このように、いびきの治療は原因をしっかり見極めた上でそれにあった治療をすることが何より大切です。
気になるようなら、まずは睡眠外来や耳鼻咽喉科を受診することからはじめてみてください。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

私も家族にいびきがうるさいと良く怒られてしまいます、、、この記事でおススメされていた睡眠外来や耳鼻咽喉科を受診してみようと思います。
歯科へ行きたい場合には、ぜひ医科歯科.comをご利用くださいね!

 
監修日:2020年2月4日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医