歯の「ホワイトスポット」って何かご存知でしょうか?
一見良さそうな感じがしますが、実はこれが見つかると歯にとって良くない状態なのです。
もしかしたらあなたの歯にもホワイトスポットがあるかもしれません。
今回はホワイトスポットについて原因、対処法などを詳しく見ていきましょう。
ホワイトスポットとは
ホワイトスポット(白斑)とは、いわゆる歯の表面にできる白いシミのような斑点です。
これはエナメル質形成不全の一種で、エナメル質石灰化不全症とも呼ばれています。
加えてもう一つのパターンがあり、歯垢中の細菌が作り出す酸によりホワイトスポットが生じるパターンがあります。
原因
先天性の原因と後天性の原因の2種類があります。
先天性の原因では、遺伝性のものが考えられます。
後天性の原因では、外傷や、永久歯の初期虫歯や、乳歯の虫歯の炎症などが考えられます。
歯の表面のエナメル質が酸性になる ことによって、エナメル質のカルシウム成分が少なくなり、脱灰という虫歯の初期症状を 起こして、白くなるなどの例が挙げられます。
治療・対処法
脱灰している場合は、再石灰化させることで、治癒することができます。
再石灰化促進の歯磨剤等を使う方法もあります。
少しでも目立たなくする方法には、以下のようなものがあります。
歯のマニキュア
一時的に目立たなくさせたい場合は、爪のマニキュアのように歯の表面に白いコーティング剤を塗布する方法もあります。
この効果は、市販のマニキュアの場合は1日、歯科医院で行ってもらう場合は約1か月間持続します。
ラミネートべニア
歯の表面全体をごく薄く削り、セラミックの人工歯(これもごく薄い)を強力に接着する方法です。
ホワイトスポットはきれいに見えなくなります。
レジン充填
虫歯の治療で使う、歯と同じ色調の合成樹脂を少し削って、詰める方法です。
この他に、レジン充填の一種ですが、削らずにつける、シーラントに代わる平滑面の予防充填材料低粘度の光重合型レジン「アイコン」というものもあります。
これは、エナメル質における初期脱灰部(ホワイトスポット)に浸潤しミネラルの溶出を防止することができます。
MIペースト
カルシウムとリンのミネラルを豊富に含む 薬用ペーストで、これにより、歯の再石灰化を促進させ、歯を強化する働きがあります。
監修日:2020年2月4日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医