現役の歯科医師である佐藤 美嘉(さとう みか)歯科医師にインタビューし、子どもの虫歯予防について教えていただきました。
乳歯は永久歯と比べて柔らかく虫歯が進行しやすいと言われています。
歯磨きを嫌がるお子さんへの対処やおすすめのおやつについても伺っています。
乳幼児の⻭磨きで気を付けることはありますか?
お子さんの歯磨きに関しては、歯磨き粉は使用した方が良いと思います。
歯磨きを嫌がってしまうお子さんは、うがいもうまくできないと思いますので、歯磨き粉が残留して仕上げ磨きが疎かになっても薬効で虫歯になりにくくなります。
よくある質問で「フッ素(フッ化物)は悪いものですか?」というお話もあります。
フッ素(フッ化物)に関しては研究者によって考えは分かれますが、私はそこまで身体に害があるとは思わないです。
歯磨きを嫌がるお子さんに対しては、なだめて歯磨きをするしかないと思います。
仕上げ磨きをしないとどうしても虫歯になりやすいため、必ず大人の方が仕上げ磨きをしてあげてください。
もしできないようであれば、寝る前にキシリトール入りタブレットを舐めていただくと良いと思います。
乳幼児の⻭科検診はどれくらいの頻度で⾏くべきですか?
歯医者さんに通う頻度は乳幼児であれば半年に1回で良いという意見もありますが、心配であれば3ヶ月に1回診ていただくのが良いと思います。
もし、少しでも気になることがあれば、特に歯が生えだした頃というのは歯茎から痛みや炎症も起きやすいので、気になったらすぐに歯医者さんへ行っていただくのが良いと思います。
おやつの頻度や内容は⾍⻭に影響しますか?
おやつの虫歯への影響はとってもあります。回数というよりは特におやつの質が大切です。
今はお母さまの意識が高いのでキシリトールの入っているものを与えたり、あまりチョコレートを食べさせないなど工夫されていると思います。
比較的ショ糖の少ないものを食べさせてあげたり、小魚チップスなどもありますので、そういったものが良いと思います。
虫歯菌の餌はショ糖であるため、代用甘味料や糖アルコールなどでは虫歯になることはありません。ショ糖以外のものがおやつに良いと思います。
子どもへのおやつは具体的に何がおすすめですか?
柔らかい食べ物が増えているので噛む力が弱ってきています。噛む力を付けるためにも、キシリトール入りガムなどを噛んでいただくのが良いと思います。
噛む力も付きますし唾液も良く出てきます。
唾液を良く出すことは一つの生活習慣で、唾液を出す癖というのが大事になります。
歯が生えそろってからになりますが、お子さん用のガムを食べることが良いと思います。
寝る前の⽢い薬(シロップ剤やトローチ剤など)は良くないですか?
シロップ剤やトローチ剤は基本的に砂糖が入っていないので大丈夫です。
基本的にお薬に関しては、代用甘味料を使用しているかと思いますので、大丈夫だと思います。
医科歯科ドットコム編集部コメント:お砂糖を含むおやつに注意!歯磨きは必ずしましょう
佐藤 美嘉 歯科医師に、子どもの虫歯予防について紹介していただきました。
お菓子を何でも与えてしまうと虫歯になってしまいますので、お砂糖が入っているものには注意しましょう。
小さなお子さんは歯磨きを嫌がってしまうことが多いかと思いますが、食事をした後は必ず歯磨きする習慣を身に付けましょう。
取材日:2019年11月14日
プロフィール
・岩手医科大学卒業、2010年に歯科医師免許取得し、研修医終了後、都内医療法人に勤務
・現在は医療法人社団 高輪会、常勤医として外来、総合病院の病棟、ターミナル施設を担当
・一般的な歯科、美容診療の他に歯科口腔外科(摂食嚥下、ターミナル治療を含む)
特に摂食嚥下治療に関しては、高齢による機能低下、器質的変化により、食べることが今後難しいと言われた患者様の摂食のリハビリをしております。さらに、認知機能を摂食により改善させています。
オーラルケア(リハビリも含めた専門家による口腔周囲の衛生管理、および機能向上)の重要性が日本では欧米に比べると認知が低く、認知症改善、嚥下機能改善、生活習慣病に効果があることを広める活動をしております。
・大手生命保険会社生命保険加入者様向けセカンドオピニオンドクターを担当
・大手生命保険会社主催のセミナーで、看護師や保育士の方向けに、小児の予防医療、発育セミナーを開催