お風呂での歯磨きで分泌される若返りホルモン「パロチン」のヒミツ

温かいお湯にゆっくり浸かり、1日の疲れを癒すバスタイム。
読書やマッサージをするのもいいけれど、時間の節約も兼ねて歯磨きをしているという人は、結構多いのではないでしょうか。
この「お風呂で歯磨き」には、実は意外な効果が隠されています。
面倒な日々の歯磨きを効率化できるのはもちろんですが、若返りホルモンが多く分泌されるなど、数々のメリットがあると言われているのです。
普通に歯を磨くのとは一体何が違うのでしょうか?
その効果とメカニズムを紹介していきます。

 

「お風呂で歯磨き」で若返りホルモンの分泌量が増える

入浴中の歯磨きと鏡の前に立って行う普通の歯磨きとの一番の違いは、体がリラックス状態にあることです。
その結果として何が起きるのでしょうか?
多くの人が「緊張して口の中がカラカラになる」という経験をしたことがあると思いますが、リラックス状態というのはその反対で、サラサラの唾液がたくさん出やすい状態です。
注目したいのは、この唾液の中には、成長ホルモンの一種である「パロチン」という物質が含まれているということです。
パロチンは、口の中で歯や骨の再石灰化を助けたり、新陳代謝を促し肌や髪の毛を健康に保ったりする働きがあり、別名「若返りホルモン」とも呼ばれています。
お風呂で歯磨きをすることにより唾液の分泌が盛んになり、歯や骨を丈夫にできるばかりか、髪や肌をつやつやにする効果が期待できるというわけです。

 

まだまだある「お風呂で歯磨き」のメリット

お風呂で歯磨きをするメリットは、唾液の質の向上と増量により、若返りホルモンが多く分泌されることだけに留まりません。
お湯に浸かって温まることで歯茎の血行がよくなり、歯茎が緩んで歯垢が落ちやすくなるのもお風呂で歯磨きをするからこそのメリットです。
一緒に歯茎のマッサージも行えば歯周病予防にもなります。
 
また、飽きっぽい人でも、お風呂に入って時間をかけてじっくり丁寧に磨けることも見過ごせません。
虫歯や歯周病の細菌は、人が眠っている間、口内の唾液が減っているときに最も活動するので、特に寝る前に時間をかけてブラッシングすることは虫歯予防にとって非常に役立ちます。
さらに、歯磨きに集中し長時間湯船で体を温めることで、老廃物を流す汗腺が開きやすくなるため、デトックス効果も期待できます。
唾液には抗菌作用もあるので、新陳代謝が活性化し唾液量が増えることは、口臭の予防にも役立ちます。
「お風呂で歯磨き」はこれら数々のメリットを同時に享受できる、かなりお得な方法だと言えるでしょう。

 

習慣化するためのちょっとしたコツ

数々のメリットがある「お風呂で歯磨き」ですが、実行するに当たってはちょっとしたコツがあります。
歯磨きがストレスになってしまっては本末転倒なので、リンスやトリートメントが髪に浸透する間などの時間を利用するといいでしょう。
一回のバスタイムで全身を一気にきれいにできる爽快感を味わえば、自然とお風呂で歯磨きをするのも習慣になってくるはずです。
 
美容や健康のためにやりたいことは多いけれど、疲れて早く寝たい……というときも多いものです。
お風呂での歯磨きは時間の短縮になるだけでなく、成長ホルモンの分泌量を増やしたり歯の汚れを丁寧に落としたりすることができるので、美容にもいい影響を与えてくれます。
思い立った日から簡単に始めることもできるので、ぜひ一度試してみてください。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

お風呂で歯磨きと若返りホルモンが結びつくなんて!
疲れていて面倒くさいときは一石二鳥ですね。
セルフケアも大切ですが、たまには歯医者さんにお口の状態をみてもらいましょう。
ご希望の条件の歯科検索は医科歯科.comから!

 
監修日:2020年1月21日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医