「うちの子、歯並び大丈夫かしら」と気になってはいるものの、矯正治療を行うとすると、どのタイミングで始めたらいいか分からない親御さんも少なくないはずです。
矯正を始めるには、適した時期を知る必要があります。最適のタイミングで始めることで、お子さんの歯並びをきれいに整えてあげましょう。
子どもの矯正治療は2段階でスタート
子供の歯並びが気になるので、いずれ矯正治療を考えているご家庭も多いのではないでしょうか?
矯正治療は、突然本格的な治療を始めるわけではありません。
一般的に、子供の歯の成長に応じて、2段階に分けて治療を行います。
第1段階は、乳歯から永久歯に生え変わる時期(6~10歳頃)です。
前歯がすべて生え変わったときが、矯正歯科で診てもらうのに最適なタイミングです。
永久歯がきちんと生え揃うように、あごのズレを整えるなどあごの発育に必要な治療を行うことが可能です。
また、床矯正を行うのもこの時期です。床矯正というのは、口の裏側につけるプラスチック製のものと、表側につける入れ歯のような装置で顎の成長を促すやり方です。
治療がスムーズだと、この治療のみで終わるケースもあります。※顎の骨が異常になる不正咬合(前歯や奥歯の反対咬合)だけは幼少期(4~7歳)から治療を始める場合もあります。
もちろん、この治療で完了しない子供は、第2段階へと進みます。
第2段階は、永久歯が生え揃った時期(13歳~)です。子供が中学生になる頃ですね。
この段階になると、矯正装置を付けていよいよ本格的な治療になります。
第一段階で行った床矯正により、歯を並べるスペースを活用して正しい位置へと誘導します。
※まれに、歯を並べるスペースが無い場合は抜歯を必要とする事もあります。
子どもの矯正スタートに最適の時期は?
学童期と呼ばれる時期で、ほとんどの乳歯が抜ける頃(7歳)~永久歯が生え揃う頃(12歳)、矯正治療スタートに最適な時期でしょう。
多くの子どもがこの時期に矯正治療に取り掛かります。
そのため、自分だけがやっているという意識にならずに済みますし、矯正装置も目立たないものを用いたり、痛みもそれほどでないものであれば抵抗感なく治療を進められます。
早期に子どもの矯正治療を行うメリットと必要性について
早期矯正治療には、さまざまなメリットがあります。
・一つめは、抜歯についてです。永久歯が生え揃ってからの治療だと、矯正のために抜歯をすることもありますが、早期治療の場合、歯並びとあごの骨の成長の両面で治療することができ、抜歯をしなくても済む可能性があります。
・二つめは、スムーズな進行です。歯が生え変わったばかりの子どもには銀歯がほとんどないため、矯正装置がつけやすくスムーズな治療が可能です。スムーズに施術できる分、治療も早めに終えることも期待できるでしょう。
・三つめは、もう少し成長して思春期を迎える頃に、お子さん自身が歯並びを気にしなくて良いことです。
思春期の頃は、自分の見た目も気になるお年頃です。
歯並びが悪かったり出っ歯だったりすると、コンプレックスになってしまうこともあるでしょう。
お子さんによっては、性格まで暗くなってしまうこともあるかもしれません。
早期治療をすればそういったことも防げるので、多感な思春期のときに歯並びで悩むことはありません。
お子さんにとっての「自信」「笑顔」にもつながるのです。そして、歯並びは、第一印象にも関わるので、早期治療がおすすめです。
なお永久歯が生える時期に、歯と歯の間に隙間ができることがありますが、これは心配しなくても大丈夫です。
この隙間は、あごが成長している証拠なのです。永久歯に生え変わるタイミング、そして子どもの歯並びの状況によって、治療を始める最適の時期は異なります。
月1回の初期治療だけでも約1年半、その後本格治療になることを考えると、かなりの長期間になるでしょう。矯正が痛いものになればなるほど、長期間になればなるほど、子供にとって治療は苦痛になってしまいます。
できるだけ、苦痛を感じないようにしてあげたいものです。
もっと早く矯正治療をしてあげれば良かったと後悔することにならないよう、お子さんの歯並びが少しでも気になる方は、お近くの歯医者さんで早めに相談してみてくださいね。
医科歯科ドットコム編集部コメント
歯並びは一生の問題になりかねないということもあって、お子さんを矯正するタイミングには細心の注意を払いたいですよね。
間違いのない時期に矯正を開始するために、歯医者さんに相談してみるのも一つの手です。
医科歯科.commを利用して、信頼のおける歯医者さんを探してみてはいかがでしょうか。
監修日:2020年1月17日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医